みしっく今日のひとこと - 2009年10月


■2009/10/26(月)  サラダ記念日

を読んでみた.

歌集をひもとくのは久しぶりで,22年の年を経て私のもとに届いた本.短歌を批評する才能はないけれど,そこここに新鮮さを感じるものがあって,肌寒い電車の中,ほんのりと心あたたまるものだった.

会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く
物語始まっている途中下車前途無効の切符を持って   俵万智

「会うまでの」は,平安朝の和歌をも連想させるような古典的な恋歌だけれど,「物語」の一首は,途中下車前途無効という,近距離や大都市近郊区間のきっぷには当然のごとく付いてくる文言に,それと全く異なる意味を含ませているところに少し感動.

雨降れば八丁堀にて乗り換へむ 行楽帰りの人も少なし  みしっく

刺激されて作ってみたものの,われながら駄作だと思う.

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■2009/10/25(日)  村上龍の / 仙台麩

村上龍といえば,有名な小説家.

村上龍の小説は読んだことがないのだけれど,何年か前に話題になった『13歳のハローワーク』(幻冬舎,2003年)を手にとってみた.

メジャーなものからマイナーなものまでいろいろな職業を,著者の視点から生き生きととらえて,職業のいまの状況を描くとともに,その状況に至った原因について解釈を加えているので,13歳前後の少年少女にはとても役に立ちそうだ.

私なりの補足を加えてみるとすれば.

13歳の少年少女の視界には入りにくいからかもしれないけれど,製造業の仕事がほとんど載っていないほか,気になるのはIT系の仕事についても著者は将来性に否定的であること.

私はITサービスの事業にはあまり詳しくないし,ピーク時の人員が何百人に上るような大規模なプロジェクトに携わったこともないけれど,この業界に向いている人もいるのではないか.何より,ずっと昔なら紙とペンでやっていた仕事,郵便や電話でやっていた仕事にコンピュータとネットワークを導入することで効率よく進める,さらにはいままでなら不可能だったようなサービスを可能にする,というIT化の流れの中で,その仕組み自体を作り込んでいくというITサービスの仕事の将来性は,私は大いにあると思っている.

もう一つ気づいたのは,山田昌弘氏の言う「漏れの多いパイプライン」に関する記述が意図的にだろうか,曖昧にされている.職種によっては,かっこよく見えても,需給バランスが圧倒的に偏っていて,その職業で食べていくのが難しいものがある.そういった職業のうち一部については,その職業で食べていくのが難しいとはっきり指摘しているけれど,その他多くの職業についてはそういった事実は伏せられている.

生協で「仙台麩(あぶら麩)」という商品を取り扱っていたので,試しに買ってみて,まずは順当に肉じゃがを作って入れてみた.この食材は大徳寺麩とは違うもので,太めの焼き麩を油で揚げたようなもの.名古屋や京都では見かけることがなかったので,東京は東北に近いのだと改めて認識する.

仮に,肉じゃがに普通の焼き麩を入れるとすれば,かなり淡白な味に仕上がってしまうのではないか.この仙台麩は油で揚げてあるのでこくがあり香ばしく,汁気を吸わせるとおいしくなる.

2本パックを買って,今回1本使ったので,次回は残りの1本を使って卵とじなども作ってみたいと思う.

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■2009/10/18(日)  種類株式.

株式会社にとって,債務超過に陥ることは避けるべきこと.債務超過にはならなくても,赤字決算が続いて,純資産が負債に比べて大幅に小さくなってくると,信用力の低下は避けられない.

最近世の中を騒がせている日本航空の最近の決算短信を読んでみて,1株当たり純資産が(株価に比べて)きわめて少額であることに驚いて,調べてみたところ,同社の純資産は帳簿上それほど減少しているわけではなく,昨年,取引先などを対象に種類株式を発行しており,当該種類株式が残余財産分配請求権においても普通株式に優先するため,普通株式1株当たりの純資産が計算上少なくなっていると判明.

種類株式というのは,権利の内容が異なる株式のこと.標準となる株式を普通株式と呼ぶ.配当について優先する代わりに議決権を制限するといった内容の種類株式が発行されることが多い(優先株式とも呼ぶ).

株式会社にとって純資産の維持は大事なことなので,普通株式での資金調達が難しい場合に,種類株式での増資を行うという選択肢が用意されていることは重要なことだと思う(種類株式のもう一つの用途は,一部の株主に議決権を集中させることだけれど,こちらの目的を追求しすぎると,不毛な結果を生むことがありそうだ).日本航空の場合は,残余財産分配および配当において普通株式に優先するとともに,普通株式の株価が下落した場合には大幅な希薄化を生むような設計の種類株式を発行したわけだけれど,往時のMSCB問題の際と異なり,種類株式の発行に当たっては定款への規定追加が必要であり,株主総会において既存の株主がそういった影響を受けることを理解し賛同しているわけだから,それほど問題視するには当たらない.

銀行が公的資金を受け入れるために発行した大量の種類株式は日経新聞の公告欄を時折にぎわわせるし,ベンチャー系の企業が公開前に種類株式で資金調達を行うこともある.でもこれらの事例ではいずれも発行した種類株式が証券取引所に上場されていないので,その保有者にとって換金が難しい.そういった状況のもと東証が昨年,種類株式の上場制度を整備したのは,もっとこの制度が活用されることを望んでのことだと推察するものの,いまのところ上場されているのは伊藤園の種類株式のみ.ソフトバンクも利用計画を取りやめてしまった.普通株式への投資は難しい場合でも,優先株式になら投資が可能という投資家もいるだろうから,主力製造業などでもこの制度を資金調達に活用してはどうかと思う.

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■2009/10/17(土)  もうすぐ次期OSの発売だけれど.

Vistaの「システムの復元」が相当ディスク容量を消費しているのが懸案になってきたので,ときどき手動で復元ポイントの削除をしていたのだけれど,対症療法に過ぎず限界があった.そこで,「システムの復元」と「以前のバージョン」で使う領域を変更するを読んで,最大領域を手動設定してみることに.

私の使っているPCのディスク容量は34.5GB(いまとなってはかなり少ない…).これまでは最大4.8GBの容量を「システムの復元」で消費していたところ,最大領域を1.5GBに変更するコマンドを管理者権限で実行.その後2週間ほど,特に問題なく想定通り動作している.このテクニックを知ることができてよかった.

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■2009/10/10(土)  葬儀業界に迫る価格破壊の波

小林和登『「葬儀」という仕事』(平凡社新書,2009年)を読んだ.

葬儀というのは,消費者が購入する商品やサービスの中では,値段がはなはだ不透明,かつ原価に見合っていないように思われるもの.一生に何度も経験することではないから,値ごろ感がわかりにくい.

そういった業界の内幕を,著者は淡々とした筆致で明かしている.理論的な解明とかデータに基づいた論述は見当たらないけれど,葬儀業界で経験を積み,独立して葬儀社の代表取締役を務めているという著者ならではの迫真的な記述に説得力がある.

市場経済では,葬儀業のような参入障壁の低い業種で,原価を大幅に上回る料金を取り続けることは競合の出現によって阻止されるはずなのだけれど,なぜそうなっていないのかというと,消費者の価格選好が非常に弱いためという理解で合っているだろうか.

こういった現状を改めていくためには,私たちひとりひとりが,サービス内容と価格を十分吟味して,葬儀の内容と発注先を検討しておく必要があるのだと思う.

私見としては,棺と骨壷は使用後すぐに処分されるものだから,最も安価なもので十分なはず.祭壇は再利用されるものだから,価格交渉により,原価に見合った料金での提供を受けたいもの.むしろ,参列者が故人を十分回顧することができるよう,遺影に限らずさまざまな写真や動画などを上映するといった心配りができたらいいと思うし,そのための費用と手間は惜しみたくない.

また,伝統的には通夜と告別式が行われるわけだけれど,参列者の人数が多いとか,昼間都合がつかない参列者が夜に参列したいといった事情がないのであれば,もはや告別式に一本化してしまってもよいのではないか.

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■2009/10/ 8(木)  Kindleが日本でも発売されるそうで.

昨日付の発表によれば,Kindleが日本でも今月発売されることになった模様.

以前の日記でも評していた通り,雑誌を読むのに適していそうなので,さっそく調べてみたところ,意外な弱点を発見.

Kindleは携帯電話網で本や雑誌・新聞のデータをダウンロードし,表示させて読むための端末.購読料は有料だけれど,通信料はAmazon側が負担するので,購読者の負担は購読料のみ.

ところが,雑誌・新聞に含まれる写真や図版は,米国外では提供されないことが同社ストアの記述で判明.写真や図版を含まず文章だけの雑誌や新聞というのは,ちょっとしんどい.

私の推測では,Amazonが米国内の携帯電話会社とは,低料金での配信契約を結ぶことに成功していて,写真や図版を配信してもペイするのだけれど,日本など国外では,国際ローミングのパケット通信料金がとても高いので,画像を配信すると利益が出ないといった背景があるのではないかと思う.

それで,Kindleに飛びつくのではなく,画像を含んだ形での雑誌の配信が始まってから購入しようかと思っている.

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■2009/10/ 4(日)  小ヨモギも落ちたか….

奥山雄大さんのページで,芦生研究林の小ヨモギ作業所が倒壊したのを知る.おそらく3年半前のことのようだ.

長治谷作業所が7年ほど前に積雪の重みに耐えかねて倒壊したことは知っていたけれど,小ヨモギは広河原方面から入るときには便利な小屋だったので,残念で仕方がない.

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