みしっく今日のひとこと - 2001年1月


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★ひとこと目次 ◎ほーむ


■2001/ 1/31(水)

明日あさっての発表に向け忙しい日が続く.

そういえば『星の王子さま』の著作権はそろそろ切れるはず.

韓国の旧暦では24日がお正月の元旦らしく,4日に会った K さんから年賀状をもらった.渡した名刺には私の研究室の住所しか刷り込んでいなかったので, 研究室経由で届いてしまった.自宅の住所をメールしておいたのでこれからはちゃんと自宅に届くことを願う.

その年賀状だけれど,封筒の消印に,「SL. PRINTENPS / 26.1.2001 / KOREA」とあった.ふーむ,printemps, プランタン,春,……,と思っていたところ, よく見るとつづりが違う.まさか間違いだとも思えないし,PRINTENPS ってどういう意味なんだろう.


■2001/ 1/29(月)

NACSIS Webcat で「auction」をキーワードにして検索してみると,

118 good half-bred couples, 42 half-bred tegs, 2 tups, 15 head of catt
le, 6 powerful cart horses ... to be sold by auction, by messrs. Jonas
 & Thomas Paxton, on the premises, on Wednesday, March 23rd, March, 18
59, at eleven o'clock. -- (BA07753871)
  Bicester [Oxfordshire, England] : E. Smith and son, [1859]
  1 broadside ; 57 x 45 cm
  注記: At head of title: Newhouse Farm, Worminghall near Thame
  著者標目: Paxton, Jonas
A catalog with forty-four illustrations of Japanese color prints : unu
sual for their rarity and perfect condition collected by Shojiro Nomur
a : on exhibition under the auspices of the Copley Society of Boston, 
Copley Hall, January 13th to 18th, 1915 : to be sold individually at a
uction, Monday, January 18th, at 10 a.m.. -- (BA13979358)
  Boston : [s.n.], 1915
  (Boston : Nathan Sawyer)
  15 p. ; 27 cm
  著者標目: Copley Society (Boston, Mass.) ; 野村, 正治郎<ノムラ, ショ
  ウジロウ>
なんてのがヒットした.前者は140年以上前の家畜オークション出品記録だろうか. それにしても長いタイトルだ.


■2001/ 1/28(日)

あるイラストをサークルで使おうと思って, 著作権表示が1926年になっているような古いイラストだからたぶんだいじょうぶだろうと思って, そのイラストをコピーしてみたけれど, 念のため確認しようと思って調べてみたところ, まだゆうに36年余りは著作権が消滅しないことが判明.1977年から起算して50年, プラス連合国民の戦時加算まで含めると,そんな計算になる. 当分使えそうにないので,私の二次創作はお蔵入りとなった.


■2001/ 1/27(土)

最近,学術論文などの著作権について聞かれた. 学術論文の内容そのものの価値は大きいものの, その表現を保護する著作権の財産的価値は,全部合わせても GDP のごくわずかな割合を占めるにすぎない.おそらく映画よりも金銭的価値は低いのではないか(これはもちろん, 映画よりも価値が低いということではなく, 単に映画よりも直接的な利用者が少ないというだけだ). けれども私の周りではそれがけっこう話題にのぼることが多く,誤解もまた多い.

企業だったらそんなことは弁護士さんに聞くところなのだけれど,と思いつつ, 資料をめくってみる.資料にあったすべてのケースで, 学会などがその発行する論文誌などへの掲載を申し込んだ著者との間で著作権を包括的に譲受ける旨の契約を結ぶ方式がとられている. 情報処理学会ではさらに, 譲渡が許されないとされている著作者人格権については「翻訳に際しての変形, アブストラクトのみを抜き出す変形などに対しては著作者人格権を主張しない」との不行使特約を結ぶらしい. うーむ.

情報処理学会の場合は,筆者のホームページに掲載する場合などは申請によって半ば自動的に認められるらしいけれど, 人工知能学会ではそういう申請をすれば OK だという記述はないので(けれど著作権は学会に移転しているっぽい), 困ったものだ. いずれにしても出版権の設定だの出版許諾契約だのという話になる一般の本や雑誌よりずっと出版者側が有利な形になっている.

ちなみに,Springer-Ferlag の LNCS(Lecture Notes on Computer Science かなんかの略)では,著者の個人ウェブページにのみ掲載可能で,許可をとる必要はないけれど, Springer-Ferlag のサイトにリンクを張ること,とかいう変わった条件がついていた.


■2001/ 1/26(金)

久しぶりに空を眺めたくなって,高野川の河原を歩いて登校. 白くて厚そうな雲が空一面を覆う.ある橋の下に中年の人がいた. 橋の下に住んでいるようだった.いろいろな鳥がいた.とりわけハトは, こわいもの知らずだ.「一網打尽」という四字熟語を知らないのかなと思った.

今日は,いろいろと雑誌を読んだ.『情報処理』(情報処理学会の会誌)では,あの mohta さんが鋭い切れ味の2ページ記事を毎号書いていることが判明し, バックナンバーまで読みに行ってしまった.bit は変わらず.『Interface』も読んでみた.同誌の記事によれば, アイスランドはインターネット普及率が世界一らしい. 人口は27万人.いままでは「アイスランドは20万人」と記憶していたので, けっこう増えたことがわかる.その人口の大半が首都のレイキャビクに住んでいるということで, 日本よりインターネットを普及させやすいお国柄なのだろう.


■2001/ 1/25(木)

雨.今日も22日同様, 一日の生活を書き留めて報告することにした.

研究室の昼食会と研究会.昼食会では, だれか夏に上海に行かないかという話があった.でも, 急速な工業化のために「太陽のない街」となってしまったらしい上海にまで行って何をするのだろうという問題がある. そもそも一般に,海外に行くと何かいいことがあるのか, 海外に行くことは十分いい経験になるのかというのは大きな問題だ.

R さんの発表は,社会心理学の分野の「バランス理論」という理論があって, それが成り立つとすれば会話などを通して他人と他人の間の人間関係を操作することができるはずで, それ自体は実験で検証されているけれど, 社会的エージェントも同様に人間の間の関係を操作することができるのだろうか, と思ってやってみたら,玉砕したという内容.でも I 先生は「バランス理論はともかく,返報性(他人に好意を示されると, その他人に対しても好意をもつようになるという性質)が社会的エージェントを相手にしても同様に成り立つことが示されたなど, おもしろい結果出てるじゃないですか」と評価された.


■2001/ 1/24(水)

昼すぎ,N 塚セソセイに「試験,受けませんか?」と誘われて, 急きょ13時からの危機管理論の試験を受けることに. 全然授業も出てないし用意もしていなかったのだけれど. それで昼食は食べずに,ブレーメンのくるみクリームパンを買って食べだけして, 試験に臨む.予想どおり文系的な問題が2問で, とりあえず適当に答案を書くことはできた.答案を提出してから, 生協の食堂でやや遅い昼食をとった.

文系的といえば,私の周りの分野では指定質問者制度というものがあまり採用されていないのが, 理系的なのかなと.いちおう研究会とかだとセッションごとの司会者が質問を 2, 3 個したりすることはあるけれど,質問者が発表者の発表の1〜2割ぐらいの時間を割いて詳細に議論を展開するなんてことは見たことがない.

午後は米国カリフォルニア州水資源局の電力オークションを調査. 調べたところ,FCC オークションとか OCS オークションと違って全然ルールがなってない.しかも, 入札者には法律上のリスクすら存在するような気がする. 果たして成功するんだろうか.

およそ何かを他人のために設計しようというときは, 相手の考えていることを深く深く理解してからでないとできない. 自分と相手とは考えていることも前提知識も違って当たり前だから, できるだけコミュニケーションを円滑にして, なんでも聞いてみて,でも変なことが起こらないようにしっかり押さえて. 表が増えて,仕様がぷよくなって,なんとか ID という名前のものたちが山のように増えてきたら,そろそろ設計も佳境. 不思議なことだけれど,実装して動かすのには設計の何倍, 何十倍もの手間がかかるものなんですよね…….


■2001/ 1/23(火)

昼までは青空さえ見ることができたのに,帰りは雨.自転車をこぐうちに, 雨はかぎりなく雪に近いみぞれに変わっていった.

でも,セントラルヒーティングで身も心も熱くなったのを冷ましてくれる, 快いみぞれだった.熱しやすい私にとっては, いくらか私をクールダウンさせてくれる存在が不可欠なようで.

芦生旅行記を掲載. 今回はちょっと地図に凝ってみました.


■2001/ 1/22(月)

最近,このホームページが「bit 休刊」で検索に引っかかっていた.それも,2回も.そうなのです.コンピュータ雑誌 bit は(確か)4月号で休刊になるのです.4年間ずっと楽しみに読んできたのに, 残念なことだ.bit 悪魔の辞典ももう読めない.雑誌はなくなっても,紙媒体よさようなら, インターネットよこんにちは,とばかりに,メールマガジンや webzine という形でこういう研究向きのコンテンツが流通すればいいのだけれど, それも見込み薄だし.

用事で,「情報学の大学院生の一日」というのを報告することになった.それで, 今日は朝からいつ何をしたかを書き留めている. 私なんかかなりマイナー路線を走っているので, 下回生の参考になるかどうかはわからないけれど,とりあえず率直に書いていく. でも,なんとなく観測効果(プローブ効果ともいう)が発生しそうな気がする:-)


■2001/ 1/21(日)

生協の桂キャンパス(予定地)見学ツアー.うちの大学は敷地が狭くなったので2003年度から順次, 工学・情報学研究科を桂に移転させることになった(学生自治会などは反対)のだけれど, 生協もいっしょに行きたい,ということで,その準備の関連で召喚されたもの. 桂キャンパス予定地は個人的に見学したいと思っていたので, ちょうどよいということで参加.理事さんや職員さんを含め計6名で, チャーターしたタクシーに乗って予定地を見学した.

夕食には白菜・豚肩切り落とし・ゆずの皮薄切りの煮込みを久しぶりに作った. それから,やりいかの小さいのを買ってきて煮たのだけれど,こちらは失敗. 煮たとたん,みるみるうちに身が縮んでしまったのだ. 「ひいか」という名前で売られているいかの方がいいようだ.


■2001/ 1/20(土)

JEJ(日本青年エスペラント連絡会)の機関誌,La Junuloj の編集会議が午後から夜にかけて名古屋で行われ,それに参加.

雪に阻まれつつも帰洛.


■2001/ 1/19(金)

今日の変なサイト:

ジャパニーズ・ニンジャがハンバーガーを届けにくるのだろうか? 「fortune cookie はお付けしてませんよ.だって fortune cookie は中国のものだけど,ニンジャ・バーガーは日本のものですから. 変なガイジンさんですねー」とか書いてある.でも,Kung-Fu Grip というのが具として入っているらしいけれど, 忍術とカンフーにどういう関係があるのかは謎だ. しかも忍者ピクニック…….「二刀流」ではなく「二フライ返し流」だそうだし.

SQL に悩む.いろいろなフィールドにいろいろな単語が入っているかどうかを調べるという検索で, 素直にコーディングすると WHERE 節がものすごーく長くなっちゃうんですけど,それでもいいんですか?って, データベースエンジンに聞いてみたい.インデックスなんてものが使えるわけもないし, ものすごく負荷が高そう.

帰省.

リンクを変更.


■2001/ 1/18(木)

今日は特別講義で,日本銀行の方が来られた.講義内容は主に,決済システムの RTGS(即時グロス決済)化と IT とのかかわりについてだったけれど,個人的には, 日銀の当座預金などの決済を処理する日銀システムについてのお話が興味深かった. 日銀システムというのは要するに,普通の銀行のオンラインシステムにファームバンキング・ネットバンキングシステム(ただし, インターネットではなく専用線や DDX-P という昔ながらのパケット交換網を使う)を合わせたようなもの. 連続約2,700営業日ノーダウンという記録を誇るという. どうやってそれを達成しているかというと,PL/I で書かれているそうだけれど, 「1人月500ステップに満たないという生産性の低さのおかげ」とのこと. テストをものすごく入念にやるといったことでプログラムの品質を向上させることの見返りに, 生産性は当然低くなるという意味だ.それに運用開始からもう10年以上たっているので, 相当枯れているらしい.運用面でも普通の銀行では考えられないようなものすごい人件費をかけて, できるだけ止まらないようにしているらしい.さすが中央銀行だ.


■2001/ 1/17(水)

寒い朝が続く.降る雪を窓から眺めつつお仕事. こういう寒いときにこそウィンドウエアコンが働いてほしいけれど, どうも力不足のようで,十分暖かくならない.

最近は身の回りに Perl 使いな人が増えてきた気がする.意外な人も CGI スクリプトをばりばり書いていたりする.ということは,「Perl が使えますー」というだけではあまり売りにならなくて, 私もそれだけスキルアップする必要があるということにもなる. きちんと新しいことをフォローしていきたい.

というようなことを通して技術というのは普及していくんだろうなと. いまは当たり前の非同期・同期 PPP 変換なんてなかった時代もあったんだし,NAT なんか,それこそちょっと前はほんとにエッジなテクノロジーだったような気がする. いまではエンドユーザーでもこういう技術を使いこなす時代なのに.

昼すぎから,Yahoo! オークションを偵察.Perl でスクリプトを書いて自動的に個々のオークションの入札状況をダウンロードするようにした. ダウンロードした HTML ファイルをファイルサイズで降順にソートすると, 賑わっているオークションのみがピックアップできる. こういうことをやっていてどういう研究に結びつくのかは謎だけれど, とりあえずやってみたというもの.

授業のレポートの関係で環境省の生物多様性情報システム (J-IBIS)という名前のウェブサイトに目を通した. レッドデータリスト(生物種を絶滅危険度ごとにまとめたリスト)と, 「緑の国勢調査」の調査結果がメインのコンテンツのサイト.

ツキヨタケはレッドデータリストで「絶滅危惧II類 (VU): 絶滅の危険が増大している種」に指定されているらしい.ふーむ. 確かに生態系が変化すればツキヨタケだって絶滅しないとはいえないのか. でも,きのこは胞子でふえるのだから,条件さえ整えればけっこう広く分布できそうな気がする.

1年ちょっと前のひとことをささっと読んでみて,それから, ブックマークしている別のサイトの,語り口の軽やかな日記を読んでみて, なんか最近の「今日のひとこと」はこ難かしく重たくなっているなあと,反省. もう少し読みやすく軽く,それでいて内容はしっかりある日記を心がけたいものだ. なんでも日記という形に詰め込んでしまうというのは, 私の日ごろのデータの整理方法がそうだからなのだけれど, ことホームページに関しては,それがいちばんいいことなのか, 考え直した方がいいのかも.


■2001/ 1/16(火)

今日は「数理社会システム論」の最後の授業で,お題は「日本的企業システム」. この授業は経済学研究科の O 先生が担当されているので,なかなか楽しい. 「合理的なものはすべて現実的であり,現実的なものは合理的である」という言葉があるけれど, もちろん「合理的でなくなったものは現実に存在し得なくなる」ともいうことができる.O 先生にかかると,年功序列を基礎とする過去において合理的であった雇用の枠組みやその他の社会の枠組みが, 合理性を失うと同時に現実性を失うであろうことが鮮やかに論証される. その先に来るものは何なのだろう.などと思って JMM(村上龍のメールマガジン)などを読むにつけ,いまの世の中, 少しでも先が見通せるといいよね,とつくづく思う. 実は「先を見通せると得をする・損をしないですむ」ということよりは, 「先を見通せると心が落ち着く・楽しい」というのが私にとってはより大事なことだったりするのだけれど.


■2001/ 1/15(月)

今日は,本を買いに河原町の丸善まで行ったり,いろいろなことがあった日. いいこともあったし,よくないこともあったけれど, 事前に描いたシナリオのとおりものごとが進んでいるので,悩むことは何もない. 納期のことを除いては.

日本で行われている韓国・朝鮮語の検定試験には次の2種類がある.

私は97年,ハングル能力検定試験の3級に合格したのだけれど, 合格証書などが見つからなくなってしまった. おまけに最近は韓国大使館の後援している韓国語能力試験の方が人気らしい.

……などと唐突にリンクを並べるのは,実はホームページが存在することに気づいたので, ブックマーク的に並べているだけなのです.でも,きっと4年前にはこの2つのホームページは存在しなかったにちがいない.


■2001/ 1/14(日)

青空からの贈り物を感じつつ暮らした一日.冬は寒いのが難点だけれど, いよいよ京都らしい冬になってきたことに気づき,心がはずむ.

がおもしろい.OECD が定義した拡大生産者責任が日本のリサイクル法制では骨抜きにされてしまっていることを明らかにし, 一貫して発生源抑制を主張している著者の考えが50問50答にまとめられている. 同じくリサイクル至上主義に反対する槌田敦『エコロジー神話の功罪』などと異なり, 建設的で合理的な主張がこの本ではされている.

一般廃棄物の処理方法として,RDF(ごみを原料とする固形燃料)を製造するというのは 「ごみをもとにごみを作っている」(※)ようなもので問題が大きいことは知っていたけれど, ガス化溶融炉も重金属が大気中に放出されやすいなどの問題があるとは知らなかった. 焼却灰を路盤材・建設資材にリサイクルするのは環境への投棄に等しい,とか, 有害な産業廃棄物はいったん公的な施設に収集することを義務づける必要がある, という著者の考えには全面的に賛成だ.
コンピュータ屋さんはこれにぴったしの「GIGO」という言い回しを用意している.Garbage In, Garbage Out を略したもので,もちろん FIFO (First In, First Out) と掛け言葉になっている.

もっとも,「所有から利用への転換」には疑問点を付したい.確かに, 物を一定期間利用した後は生産者に所有権が戻るという方式は, 廃棄物の処理などがしやすいというメリットはあるものの, 権利関係が複雑になることから生じる困難さ, 取引される財の種類が多様化して市場がうまく機能しなくなる危険性などと慎重に比較する必要がある. オフィス用コピー機の部品リユース率を高めるためレンタル方式を推進するというのは適切なことだろうけれど, 著者が例にあげている住宅などではメリットはごくわずかでデメリットの方がずっと大きいのではないかと思う.

ともあれ,適度に予備知識またはやる気のある講師がいれば, 一般向け学習会の資料などに使うとよさそうな本だ.


■2001/ 1/13(土)

Mule ではファイルを読み込む際,文字コードの自動判別がうまくいくとは限らない. どうしよう,と思っていたところ,C-x C-f (M-x find-file) の代わりに C-u C-x C-f と打つ,i.e. 引数をつけて find-file を実行すれば, 文字コードが指定できることがわかった.

このページに画像がほとんど入っていないのは, 日本語の文字コードには記号がたくさん入っているから可能になったこと. エスペラント版ではそれほどうまくいっていない.JIS X 0213(しばしば「第3水準」と呼ばれる)という文字集合ではさらに記号がたくさん入って, なかなか楽しい.もっとも,JIS X 0213 を使うための ISO-2022-JP-3 という文字コードは現時点では IANA に登録されていない.

このところ食生活がマンネリ気味になっていたので, 新しい料理に手を出してみたいと思い, 今日は,暮しの手帖社『おそうざい十二ヵ月』に載っていた「大根と鶏だんごの煮込み」を作ってみた. 鶏のひき肉を丸めて大根といっしょにしょうゆと砂糖で煮込むという単純な料理. 今回は,鶏は胸肉のひき肉を使い,にんじんときくらげを細かく刻んだのを入れて, 塩を入れて卵でつないだ.にんじんは彩りのため, きくらげは口当たりに変化をつけるためだ. 大根は皮のままそぎ切りにすると書いてある.手順写真を見ると, ごぼうのささがきみたいに,あるいは鉛筆を削るみたいに切るようなので, そうしてみた.ごぼうや鉛筆より急な角度で切らないとうまくいかないことに気づかず, ちょっと思っていたのとは違った仕上がりに切れてしまったけれど, 食べてみると鶏ひき肉のだしが大根をおいしくしてくれていて, いい取り合わせなんだなあと感心.シンプルに煮た大根もいいけれど, こういう豪華なのもいい.


■2001/ 1/12(金)

カナダの個人金融誌,IE:Money のウェブ版がオークションの特集をしている.オークション理論的なこととか, さまざまなオークションの種類とその解説がわかりやすく書いてあっておすすめだ.

MS Outlook Express を使っている人から年賀メールの返信が届いた. スレッドが変につながってしまった.よく見ると,このメールリーダは References:In-Reply-To: も付けない仕様だからのようだ.このことは知っていたけれど, 実害にあったのは初めて.困ったものだ.

最近にぎわっている某メーリングリストでは, いつもはまともなメールを送れている人(使用しているメールリーダは不明)が, 今日はなぜかシフト JIS コードを quoted-printable にエンコードしたメールを送っていた.それだけならまだよいのだけれど, 致命的なのは,Content-Type: text/plain; charset=ISO-8859-1 と,嘘の文字コードが指定されていたこと. こういうのは送った本人は気づかないことが多い(きちんと実装していないメールリーダでは読めてしまう)し, どう困るのか説明してもなかなか理解してもらえないことが多いので, 実に困ったものだ.


■2001/ 1/11(木)

うちは,本や印刷物・雑誌がちょっと多め. 文系の研究をしている人ほどではないけれど.スチール製の本棚が2本あって, それに入れているものの,最近は印刷物類が本棚からはみ出して, 机の上を占拠したりしている.おかげで,机の上は印刷物とディスプレイとで埋まってしまって, 書き物をするスペースがない.これまでは家で紙とペンで書き物ができなくても特に困らなかったけれど, 今月からはちょっと机が使いたくなったので, 思いきって当面いらないものを実家に送ってしまうことにした.UNIX MAGAZINE の93年・94年分と,いらない料理本と,もはや資料的価値しかないネットワーク方面の古い本など. 普通のサイズの段ボール箱にいっぱいになるまで詰めたら,けっこうな重さになった. 郵便小包で送ることにして今朝郵便局に持っていった. 窓口のはかりに載せたところ,18.55 kg だった.このデジタル式のはかりは,封書が 25 g を越えるかどうかを量るのにも使われるもので,まさか 20 kg 近くまで測定できるとは思わなかった.もちろんこれほど広い範囲を1個のばねとかで量れるとは思えない. たぶん複数のばねを使っていて,重さに応じてそれぞれのばねが使われるようになるという機械的なしくみが入っているんだろうと思う.

名古屋人率が上がったためか,最近は名古屋の話がよく出るらしいサークルに,両口屋是清の御題菓(昨年12月30日購入)を持っていった. 見た目がカラフルで,なかなか好評.お菓子の入っていた空き箱を元の包装紙でもとどおり包装してみようと思ってやってみたけれど, どうもうまくいかなかった.


■2001/ 1/10(水)

月食は,寝すごしてしまって見られなかった.

今日は,経済学方面の文献を調べた.いま調べている研究分野は,Econometrica, European Economic Review, Journal of Econometrics といった雑誌がカバーするような分野で, 主にアメリカとフランスで研究が活発なのだけれど, 4回生のころはアメリカの論文を起点に調査したのでアメリカ側の研究ばかりが引っかかってきた. というか,フランスの論文は存在自体知らなかった. 今回は偶然フランス側の論文(2000年発行だけれど, 原稿受理は95年だったりする)を見つけたので,新しい論文がたくさん拾えた. フランス側は研究内容がアメリカ側とだいぶ違っていたので, 4回生のころに発見していればと,ちょっと後悔.それにしても, どれもこれも確率論をフルに活用した数式がたくさん載っている難しい論文ばかりだ. とてもこんなものは自分には書けそうにない.


■2001/ 1/ 9(火)

外国語をカタカナ表記するのは難しいもので,フランス語もやはり例外ではない. 今日は,deuxieme という単語のカタカナ表記で悩んだ.「ドゥージエーム」「ドゥジエーム」「ドゥジエム」などいろいろありえる. フランス語ではっきり長く発音される母音だけを長音で表記するとすれば「ドゥジエム」になるところだけれど, couverture が「クベルチュール」ではなく「クーベルチュール」のように表記されるところからして, そういう原則は当てはまらないようだ.英語から来た外来語もそうだけれど, 長音表記するかどうかは原語での母音の長短ではなく, 日本語でのアクセントが原語でのアクセントと似たものになるように適当に音引きをばらまいて決めているような気がする. 促音表記も同様だ.

先日の省庁改革にともない,「文部教官」という官名は「文部科学教官」となった, という旨の通達が来た,と Y 先生.英語ではどういうんだろう. もちろん日本には第2公用語などというものは存在しないのだからその必要はないともいえるけれど, しいて英語表記しようとすれば,なにしろ「文部科学省」は Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology だから,とんでもなく長い表記になりそうだ.


■2001/ 1/ 8(月)

成人の日.東大路通りを東山三条交差点からちょっと南に行ったところに最近できたリサイクルショップに行ってみた. 名前は,「創庫生活館 東山店」.フランチャイズで全国展開しているチェーン店らしい. リサイクルショップにしてはわりと大きなお店だった.家電,贈答品, その他雑貨を扱っている.感想としては,店内の雰囲気作りにはひと工夫ほしかった. 「ただ置いてあります」というだけでなく,ふらりと立ち寄って見て回るのが楽しくなるようなお店になっていれば, もっといいと思う.それから,もう少しお店が広くてなんでも置いてあると, 新生活を始める人がひととおりの家具・電化製品をそろえるのにうってつけなのだけれど. となるとやっぱり郊外立地・自動車来店型の方がいいのか.でも…….

だんだん月がまるくなってきて,もうすぐ満月.と思ったら, その満月には皆既月食が起こるのですね.前回はボストン帰りで見逃してしまったので, 今度こそ早起きして見てみたい.


■2001/ 1/ 7(日)

新年には新企画がよく似合う.ということで,私家版食材辞典をスタート. いままで接してきた食材に対する思い入れやエピソード, うちでの食べ方を紹介していく予定.食材が100項目あるとして, 2日に1個アップロードすれば半年ぐらいで書けるかな.

今日は,起きてから寝るまでほとんど一人っきりだった. 起きて朝食をとって洗濯して勉強して昼食(内容は朝食とほとんど同じ)をとって, 図書館へ行って新聞を読んで髪を切って研究室に行って雪を眺めつつ仕事して, 帰って生協でにんじんと押し麦とパンを買って晩ご飯を食べてひとことを書いて寝る. それだけ.明日もこの日課のサブセットを一人っきりでこなすのだろうなと思うと, 憂鬱.

かなりアバウトにメールアドレスを収集して年明け早々送信した年賀メールに, 返事が集まってきた.年賀メールの返事を読むのは毎年とても楽しみ. ファンメールとか「飲みに行きませんか」メールとか, 就職活動へのアドバイスとか.その他のメールの文面からも, その人の個性が伝わってくるような気がして,やっぱりうれしかった. これからもよろしく!なのです.

リンク集をアップロードし忘れていたのでアップロード.3日前のひとことの執筆完了.


■2001/ 1/ 6(土)

ここからおとといまでのひとことはとりあえず今日 fix してアップロードしたもの.どうもお待たせしました.

今日は,エスペラントが体から抜けないのか,フランス語で "Oui." というべきところをうっかり "Jes." と答えてしまった.英語で "Yes." と答えてしまったみたいで, なんだか人聞きがよろしくない.

リンク集を更新.


■2001/ 1/ 5(金)

人工知能学会誌の今月号が届いた.特集「考証: 2001年宇宙の旅」を興味深く読んだ.『2001年宇宙の旅』は, 私の専門分野では『1984年』と並んで有名な SF.私は映画版も見ていないし小説も読んだことがないのだけれど, この特集を読んであらすじはだいたい把握してしまった. 30年以上過去にエンターテイメントとして描かれた作品に対して2001年時点の専門家がコメントするというのは野暮というものだけれど, 結局,物語に描かれた楽観的な予測はことごとくはずれてしまい, チェスを指して人間を負かすことができるという能力以外はなに一つ実現していない, という人工知能研究の現状を理解するためには役立つ特集だった.


■2001/ 1/ 4(木)

エス研の D さんといっしょに K さんと会う.K さんは KEJ(韓国青年エスペラントなんとかの略語)の役員で, 年末から日本を旅行している.D さんによれば,目的は観光ではなくて, ひとと会うことだそうだ.この話があったのは昨日だったのだけれど, 私のエスペラントの能力をよりよくする貴重な機会になるだろうと思って, 待ち遠しかった.

K さんは奈良で宿泊した後,京都駅に10時ごろ現れた. 私たち3人はまず清水寺へ向かった.道には, 観光客向けのたくさんのお店が並んでいた.猫の装飾品がたくさん見つかったので, 「日本人は猫が好きなのですね」と K さん.蛇の装飾品もあったけれど, これは今年が巳年だからにほかならない(ところで私の生まれたのも巳年だ). 清水寺にはお地蔵さんがたくさんいた.K さんが,以前聞いた話として「お地蔵さまの恩返し」という日本の民話を聞かせてくれた. 清水寺を出てから地主神社へ.縁結びの神さまなのだそうだ.

次に,バスに乗って大学へ.ちょうど昼食の時間.食べる場所を探したのだけれど, あいにくまだ休みのところが多い.そこで D さんの提案でマクドナルドで食べることになった.マクドナルドで食べるのは私にとっては確か3度目で, 何を食べるか決めるのにちょっと困ってしまった.D さんはマクドナルドによく行くのだそうだけれど,絶対健康によくないと思う. ハンバーガーを食べてしばし休憩.驚いたことに K さんは漢字を非常によく理解する.それだけでなくひらがなさえ読める. ということは,あと必要なのはやまとことばに関する知識だけということだ.

大文字山のことなどおしゃべりしてから,BOX へ.エス研は歴史が長いサークルだけれど, 現在は部員が非常に少ない.もっと盛り上げる必要がありそうだ.

知恩寺を訪問.K さんは知恩寺の静けさを評価した.その後 D さんのいる研究所を訪れて,お茶を飲みつつおしゃべり.K さんは先日, 亀岡に行ったとき,すごく濃いお茶を出されて, それがすごく濃いので「ほとんど薬みたいだった」と話してくれた. 「ほとんど薬みたい」というフレーズに感動.

歩いて大文字山へ.大文字山を登った.夕方で, 大の字のところの気温はマイナス2度だという話だった.K さんとはいくらか韓国語を使いつつ話した.エスペラントでより韓国語での方がよりよくインタラクトできるというのは, 残念なことでもあるし,その反対でもある.30〜40分で大の字に到着. 月と,宵の明星と,街の灯火を楽しんだ.しかし寒い. もっと早く出発すればよかったのにと反省.下山し,T さんという人の家で夕食の約束があって,T さん宅に向かった. いつの間にか雪が降り出した.降る雪が街路灯に照らされている眺めはいつ見てもロマンティックだ.

T さん宅でキムチ鍋をいただきつつおしゃべり.T さんは実にエスペラントが上手だ.それもそのはず,T さんはエスペラントの先生なのだ.T さんといっしょだと D さんと K さんの話しぶりが難しくなって,私には十分理解できなかった. 鍋と玄米のご飯をいただきつつ,これは D さんの健康にいいにちがいないと思った. お酒は飲まなかったけれど,いろいろな種類のお茶が出された.緑茶, 紅茶,メープルティー,人参茶.人参茶というのは日本人向けの韓国のおみやげ品として人気のあるものの一つだ. どんな味がするのかと聞かれて T さんはいみじくも「味はまるで薬みたいなものです」と説明. 先の K さんの言葉とそっくりな説明にまたも感動してしまった.

深夜,パーティーに感謝して,帰宅.実にすばらしい一日を過ごすことができて幸せだった.


■2001/ 1/ 3(水)

帰洛.

年賀状が数枚届いていた.うち1枚は,謹賀新年とも何とも書いてないばかりか, 差出人も不明.とはいってもなぜか差出人の郵便番号だけは書いてあって, それを見るとだれからのものなのかだいたい見当はつく.

久しぶりに片栗粉でとろみをつける料理を作ったら,分量を間違えて, とろみがつきすぎてしまった.

プロフィールを微妙に更新.


■2001/ 1/ 2(火)

祖父母宅(これも名古屋にある)を訪れ,親戚の新年会.食べたのは,

紅茶はいつもの Fortnum & Mason ではなく,お歳暮かなんかで来たらしい Royal Doulton の紅茶を使っていた.

祖母は,投資家で,いろいろな株を持っているらしい. 証券会社の人にすすめられても絶対売らないという,賢いポリシーの持ち主. 数年前から犬を飼い始めた.「すこらす・ちか」という名前の,おっとりした白い犬.

祖父の方は,先祖が某国策会社に集中投資して財産を失って以来, 家訓で株は買わないことになっているらしい. 今日は,乾電池式の古いトランジスタラジオを見せてもらった. このラジオは古くからあったものだけれど,乾電池しか使えないというのが欠点だった. そこで,コンセントから電気が取れるようにと考えた. 電池を3本使うラジオなので,4.5 V が取れればよい.ところが,一般に使われている AC アダプタにはそういう低い電圧のものはあまりないらしいので,直流 6 V の AC アダプタ(ごみ捨て場から拾ってきた)を分解して, 中のトランスの2次側の巻線を少しほどいて,4.5 V の電圧を出力するようにして,使っている,という.なんていうかすごい hack だ.


■2001/ 1/ 1(月)

新年あけましておめでとうございます.今年もよろしくお願いします.

今日も引き続き,名古屋の実家でのんびり過ごす.

父親の新しいマシンについて.今日は Windows Me を買ってきてインストール.ついで Netscape Communicator 6 をインストールし,WWW とメールが使える環境を整えた.Netscape Communicator 6 は自分で使うのは初めて.ちょっと重いけれど, レンダリングはなかなか小気味よく動く.

これまでの流れを見ていて,妹も PC を自作したくなったらしく, このところいろいろ考えているようだ.まずは資料としてインプレスの DOS/V POWER REPORT という雑誌を買ってきて,いろいろ研究している.

夕食は,牛タンのシチュー.ちょうどボルドーの赤ワイン,Ch. Tour Haut-Caussan 1995 (Medoc AC) があったので,開けて,みんなで飲んだ. もともとほとんどお酒を飲む家庭ではなかったのだけれど, たまたまさる弁護士さんからいただいたものらしく, せっかくだしということでのこと.開けてみると,すばらしかった. バランスのとれた香りがさまざまな表情を見せてくれるし,味わいにも深みがある. こんなすごそうなワインを飲んじゃっていいんだろうかと感じるほどだ.

ところで,なぜか年初は家計簿をつけ始める季節だとされている. 個人の所得税とかが年末締めだという事情はあるけれど, われわれの生活は多分に4月〜3月区切りになっているので, 年初に始めるのがよいのかどうかは疑問が残るところだ. 家計簿をなんのためにつけるのかにもよるけれど,思い立った日が吉日ということで, つけ始めたいときにつけ始めたらいいような気がする.

家計簿といえば,企業の会計で必ず使われる方式である複式簿記を基本にしてものごとを理解する私のような人間にとっては, 家計簿も複式簿記でつけたいところだ.調べてみると, 紙の世界では「複式簿記でつける家計簿」というものが売られているという情報はつかめなかったものの, 複式簿記家計簿ソフト,というのはいろいろあるようだ.でも,どうなんだろう. 企業の会計の分野では各国それぞれ標準的な処理方法が決まっているけれど, 家計の世界ではそうでもなさそうだ.また,特定のソフトを使ってしまうと, 将来そのソフトが使えなくなったときにデータが呪文と化してしまうという問題もある. 私も2年前までは,毎日3種類の仕訳伝票を書いて,月末にそれを入力して, 月次で貸借対照表・損益計算書を作成していたものだけれど, マシンの故障などいろいろな事情があってやめて,現在に至っている.

思い出話だけれど,その複式簿記家計簿をつけていたころは, 複式簿記ならではのテクニックを編み出していたものだ.たとえば, 生協食堂での食費はいちいち毎回仕訳するのはめんどくさいのでプリペイドカードの購入時に食費に計上して, 月末に生協プリペイドカードの残額を食費から資産の科目に振り替えてしまうことにして, 翌月末(翌月初の方がいいのだろうけれど, そうすると伝票の枚数が増えるので……)に同じ金額を逆に資産の科目から食費に振り替えるという方式を採用した. 言葉で説明するとややこしそうだけれど,こうすると月末のプリペイドカード残高が月ごとに違っても, それに影響されずに毎月の食費の増減がわかるのだ.


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