みしっく今日のひとこと - 2000年8月


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★ひとこと目次 ◎ほーむ


■2000/ 8/31(木)

たぶん今日の新聞に載っているんだと思いますが, まだ昨日の朝刊までしか読んでない状態で書いてます.さてさて.

新聞風に書いてみました.でも,たぶん新聞ではここまで書かない. というかここまで書けない.

三洋投信委託株式会社(三洋投信)のホームページによれば, 同社の運用する証券投資信託「三洋 MMF」が元本割れした.MMF は通常, 基準価額(一口当たりの純資産)を1円に保つタイプの投資信託だが, ホームページによれば,このファンドの基準価額は一昨日の29日現在で1万口当たり9,984円と, 元本割れの状態になった.これにより,以前からこのファンドを保有していた投資家は購入額の 0.16% の損失を被ったことになる. 三洋投信はクレアモントキャピタルホールディング株式会社のグループ企業. 三洋投信によれば,このファンドにはクレアモント社にかかわる有価証券等は一切組み入れていないが, クレアモント社の社長が逮捕されたことで,法人投資家による解約が増加, それに対応するため組み入れ資産を売却したところ,売却損が発生, 元本割れに至ったという.

MMF は公社債投信なので,元本割れ状態での追加設定(購入)はできず, 今後基準価額が回復するまで解約のみの取り扱いとなる. 大口解約の停止といった措置が取られない限り, 今後も基準価額の小幅下落が続くものと予想される.MMF の元本割れは米国や韓国では例があるが,日本では初のことで,他社の運用する MMF に対しても解約が増加することが懸念される.

なお,三洋投信はもと三洋証券の子会社だったが,三洋証券の倒産にともない, クレアモント社のグループ企業となったもの. 親会社の倒産にもかかわらず通常どおり運用を継続できたことからも明らかなように, 投資信託は運用が適切に行われている限り安全で, 投資先資産の価格下落リスクを除いては,投資した金額が戻ってこないことは基本的にありえない点が銀行預金と異なる.特に MMF は信託財産の相当部分をコール市場(銀行などの間の短期的資金融通の市場)や CP 市場(大企業に対する短期的資金貸付の市場)といった流動性が高い市場で運用していることから, 大量の解約にも比較的強いと考えられている.今回の事態の詳細は不明だが, 三洋投信の発表が事実だとすれば信託財産の数十パーセントに及ぶような解約があったか, そのような大量の解約が近いうちに発生することを見込んだものと予想される.


■2000/ 8/30(水)

最近のまいぶーむは,まいけるのニュースウォッチング内の Editor's Room.コメントがぎゅっと濃縮された感じなのがなんか,よい. 本編が「オピニオン」って感じなのに対し,Editor's Room は BOX での雑談にたとえられるだろうか.

夕食は,甘鯛.「ぐじ」ともいうらしい.焼けた皮が香ばしく, 独特のうまみがあっておいしい魚. この魚を食べるのはこの4年間で4度目ぐらいらしい.ひと塩して開きにしてあるので, そのままグリルで焼いたのだけれど, 大きくて重い魚なのににぎすと同じくらい身が柔らかいので, ひっくり返すとき必然的に身が崩れてしまった. プロはこれに串を打って焼くのだろうか.だとしたらすごい. 京都の地元のみなさん! どうやって調理しているのか,ぜひ教えてください.

それで,残りの1尾はオーブン焼きにした. 大きさからいってホイル焼きという手はちょっと使えないので, オーブンシートという怪しい品物を使って,250℃で15分弱. 味は食べてみてのお楽しみ.


■2000/ 8/29(火)

無事,内地に帰還.

父島の自然とか観光とかについては某誌に書く予定なので, その文章を発行日以降にこちらにも掲載する予定.

父島には,確かにグレーの ISDN 公衆電話はあったのだけれど, アナログ端子にケーブルをつないでもなぜかモデムで通信できなかった. スピーカから聞こえる音から判断したところでは,モデム間のハンドシェイクの確立に失敗している模様. 雑音のせいか,衛星回線で伝送遅延が大きいからかもしれない. 「モデムの設定を変えなければ無理」とか,「やっぱ ISDN じゃないと遅くて使いもんになんない」とかいう声を聞きつつ, インターネットへの接続はあっさりと断念.

ちなみに,ラジオ (AM, FM) もだめだった.「アンテナをきちんと張ればなんとか聞こえる」, 「夜の間は多少聞こえやすい」という話もあったが,1,000km 以上遠くからの中波放送を受信するというのはやはり無理がありそう. それでラジオフランス語講座応用編が聞けなかった.テレビは衛星放送があるし, 東京都の地上波放送を全部通信衛星で中継して父島で再送信するという, お金のかかってそうなこともやっているので,よく見えるのだけれど.

昨晩は,小笠原諸島と内地とを結ぶ唯一の定期旅客船かつ唯一の定期貨物船, 「おがさわら丸」(略して「おが丸」)で船中泊.0時すぎに中間地点の鳥島を通過したはず. 船上2等船室で6時すぎに目覚めた後,本を読んだり,パッションジュースを飲んだり, 持参のおにぎり,パンなどを食べたりしつつ,ほぼ真北に針路をとって一路東京へ. 東京港は混雑していて,入り口の浦賀水道から桟橋までに2時間ほどを要した. 東京・竹芝桟橋に15時半定刻に到着.

浜松町駅から山手線で東京駅に移動.16時ちょうどに, 八重洲地下街の中華料理店「龍's 食堂」で日替わりランチ950円.鶏肉のから揚げ,豚肉とたけのこなどの炒め物, あっさりした豆腐の煮物,ゆばの煮物,わかめスープに白飯と盛りだくさんの内容. メニューを見ると,料理,飲み物とも充実していて比較的安い. 独特の配合のカクテルが興味をそそる.店内の雰囲気もよいし,また行きたいお店だ.

店を出て時計を見ると,まだ帰りの新幹線の発車まで10分あまりあったので, 同じ地下街に店を出している新橋玉木屋で,たらのでんぶを購入. 実家やそのまた実家では,だれかが東京に行く用事があると, ここで「あみ」(えびの小さいようなもの)のつくだ煮とでんぶなどを買って, 家族へのおみやげにするならわしがあったので,つい足が向いたもの.

改札を通って新幹線のホームに歩いて登ると,ちょうどよい時間.しかし, 私が乗るはずの列車が見つからない.しばし混乱した後,隣のホームを見ると, 「ひかり 岡山」と表示されていて,はたと気がついた.東京駅には東海道新幹線のホームが複数あることに. 下車客に交じって階段を下り,隣のホームに駆け上がると, 私が乗るはずの16時28分発列車はまもなく発車しようとしていた. なんとか無事に乗車できて,ほっ.

ノート PC のバッテリーの残量を気にしつつ, 新幹線の車内でメールのタイトルとかだけ読んだところ, 今回はほぼ1週間にわたる旅行だったけれど, 緊急に対処する必要があるメールは届いていないようで,ほっ.

京都駅からバスに揺られての帰宅は20時ごろになった. やるべきことをしたりしていると,知人から電話. その知人の知人がアパートの敷金を返してもらえないばかりかそれを上回る額の請求を非公式に受けているので, 少額訴訟でいくらか取り返したいとのこと.仲介業者が敷金を返すべきだと思っているらしかったので, それはおそらく誤解だということなどはアドバイスしておいた.


■2000/ 8/23(水)

小笠原諸島の父島に観光で行くことにした.まずは東京へ. 8時41分に京都を出る新幹線に乗った.車内では昨日買った地図を読んだりしていたのだけれど, 名古屋駅を出たところで,そうだ,試しに PHS でインターネットに接続してみよう, と思って,やってみた.Windows98 を立ち上げ,おもむろに PRIN(DDI ポケットの通話料込みダイヤルアップ接続サービス)につないでみた.PHS カードのアンテナ LED が激しく点滅して,しんどそうだったけれど, なんとか無事に数ページ,リンクをたどりながら読むことができた.でも,2, 3 分つないでいるうちに接続が切れてしまった.窓の外に目をやると, いつのまにか市街地は通り過ぎて,一面青々とした田んぼになっていたので,納得.

東京に到着後,東京証券取引所を見学. 人手での立会い売買がなくなってしまったので,この分野にある程度なじみのある人でないとおもしろくないかもしれない. でも,取引所の所報や,上場会社の適時開示情報などが見られたし, 金融情報端末としてよく利用されているというロイター,QUICK,Bloomberg の端末も初めて見ることができた.

東証を出て,日本橋交差点南の「小諸そば」でかき揚げそば定食. 立ち食いそば屋なのであまり期待していなかったのだけれど, うちでゆでたり生協で出したりしているそばよりずっとおいしくて, さすが東京だと思った.

ホテルサンルート渋谷にチェックイン.東京では普通このホテルに泊まることにしている. 応対がよいし,コストパフォーマンスが非常によいと思う.豪華ではないけれど, 私がホテルに求めるもののほとんどが,ここにはある. 今回は12階の客室になったので,眺めがよかった.見渡す限りビルで, 山らしいものはどこにもない.

TOEIC の申し込みが今日締め切りなのを思い出して,オンラインで手続き.

恵比寿ガーデンプレイスに歩いて行ってみた.歩くとけっこう遠い. 恵比寿駅からも遠いけれど,恵比寿駅からは動く歩道があるので心理的には多少楽だ. 恵比寿ガーデンプレイスというのは,もとサッポロビールの工場?だったものを再開発した場所で, オフィスビル,マンション(というか億ション),三越などが入っている. 広々として西洋的な香りの漂う一帯は公園を思わせる.フランス料理のレストランとして名高いタイユバン・ロブションもここにある.

恵比寿ガーデンプレイスを散策してから,本当は横浜で知人とご飯を食べる予定だったのだけれど, 相手の都合が悪くなってしまったので,とりやめ.渋谷に戻って, なりゆきで渋谷東急文化会館で中華料理を食べた.

部屋に戻ると,夜景がきれいで,照明を落としてカクテルを飲むと似合いそうな感じ. 逆に書き物ができるくらいに明るくすることもできるのがうれしい.


■2000/ 8/22(火)

今日は,なかなかうまくいかない日だった.

うまくいかなかったこと一つめ: 水着など水辺関係の用具をまとめて入れてある袋があるはずなので, それを探してみたのだけれど,予想に反してなかなか見つからない. 家中探して,結局見つからなかった.考えてみればこの前海に行ったのは引越し前だっけ. 捨てたはずはないのだけれど.それで,水着だけでも買い直そうと思い, 河原町通御池下ルにある「スポーツディスカウント  きょねん屋」に行ったところ,火曜は休業日だった.

うまくいかなかったこと二つめ: この「きょねん屋」で昨日購入したトレッキングシューズを一日履いてみたら, 足の親指がきつくなった.以前の靴より 5mm 小さいサイズを買ったことが原因の一つではあるけれど. かといって以前と同じサイズでは,かかとのあたりに遊びができてしまうので, ときどき靴の中で足がずれてしまいそう.そうなると, つま先だけで体重を支えるような急傾斜のところでは危険でもあるので, 悩ましい.

うまくいかなかったこと三つめ: ノート PC の設定を続行してみたところ,なぜか FreeBSD で PPP(いわゆる 「ユーザーランド PPP」というの)がうまく動作しない. バックグラウンドで待機していて, 外への通信が発生すると自動的にプロバイダに接続する設定をしようとしたら, ppp.confset ifaddr のところで Device not configured. のエラーが出る(もちろんトンネルデバイスが存在しないとかいう落ちではない). いままで使っていたミニタワーのマシンでは全然そんなことはなかったのに. 2時間ぐらいいろいろと調べて,結局原因がわからなかったので,あきらめて, ユーザーが陽に接続コマンドを打ち込む設定ができたことでよしとした.

うまくいかなかったこと四つめ: さらに,それで時間をとられてしまって,FreeBSD 環境での ssh のインストールを忘れてしまった.

その他,気にかかっていることもあって,ここ 2, 3 日はちょっとへこみモード.

でも,今日はいいこともあった. 2万5千分の1地形図が無事買えた(実は学校のすぐ近くにある「関西地図センター」という民家っぽいお店で国土地理院の地図は全部そろうらしい. 灯台もと暗しだ)し, イズミヤの1階の酒屋さんをふとのぞいたら,シェリー酒のうち日本ではいちばん有名な Tio Pepe というお酒の 50ml びん (!) を売っていた.なんと50円 (!). 1本買って飲んでみると,別に味は悪くない. アルコールはこのぐらいの量が私にはいちばん気分よく飲めるようだし. それに,この値段だったら料理酒に使ってもなかなかコストパフォーマンスがよさそう. 最後のいいことは,高野橋から眺めた夕日がきれいだったこと.京都って, 山と山の間が広々していて,いい土地なんだなあと思った.

大学の生協から総代会関係の資料が来た.総代会では, 「住まい紹介とトラブル解決のために」という分科会が開かれたらしい. 住まいに関するトラブル(敷金の返還に関することがもっとも一般的だが, それ以外にもいろいろ)を解決しようとする前向きな姿勢は評価したいが,本来, 住まいに関するトラブルは身の回りでよく聞くことのはずで, まさに取り組むのが遅すぎるというもの. また,具体的な対策が(詳しく書いていないので断定はできないが,おそらく)あまりにも不十分だということも指摘しておきたい. 特に,トラブルの事後処理は人によっては訴訟等によって可能だけれど, 労力や時間もかかるし,種類によってはそのような事後処理では完全な解決にならないトラブルもある. そもそもトラブルの発生をあらかじめ防止するための仕組み作りが重要なはずで, それを作ろうと思えばできるというのが「組合員の味方」を名のる生協の, 一般の業者に対する競争力なのではないか,と思う.

具体的にどうすればいいと思うのかというのは,秘密(笑). こういう仕組みのデザインというのは, 両当事者の(広い意味の)予測可能性を大きくし, コストを小さくするというのが基本なので, 世の中のいろいろな分野での仕組みを参考にして考えれば, いろいろ思いつくことができる.

この話,私の中でもまだ固まっていないので,反論も含め幅広い意見や, 住まいに関するトラブルの経験談など聞きたいです. ぜひぜひメールをお寄せください.

そういえば,定期借家制度が導入されてまもなく半年が経過するけれど, 実際のところどうなっているのだろうか. 更新特約のない定期借家契約というのは,身軽な学生はともかくとして, 住む側にいたずらにリスクを与えるのみで, かえって経済合理性がないような気がする(市場が完全だったらそのリスク分だけ家賃が減ってしまうはず). でも,市場というのはもともとゆがんだもの・ゆがんでいこうとするものだから, ある市場ではそれがデフォルトになってしまうのかも. 更新特約のない定期借家契約以外のタイプの貸家がその市場から駆逐されれば, リスク分の家賃の減少は発生しないかもしれない.そうなるとしたら, 不幸なことだ(さて,どう不幸になるのでしょうか. 二つ以上あげてください(笑).特に,大家さんは家賃がたくさん取れるしいいじゃん, とナイーブに考えるのは誤り).

前専務理事への退職金支給決定については妥当なところか. 企業も含め,役員報酬というのはいろいろ考えなければならないことが多いし. そもそも退職金なんかやめてしまおう(もちろんその対価として毎年の報酬を多くする)という話もあるのだけれど, 全然中立でない税制の問題とか,またいろいろあって.

なんかこの辺の話はなかなかわかりやすく書けないですね. 意見,質問などお気軽にどうぞ.

思うところあって,エスペラント版ひとことの翻訳は日本語版ひとことに載せないことにした.


■2000/ 8/21(月)

芦生で炊いて食べたご飯は,18日の朝昼晩,19日の朝昼晩,20日の朝昼の, 合計8食.7合のご飯を持っていって,ちょうどなくなった. カロリー的にはちょっと少ないけれど, 1食1合ぐらいがちょうど適量だということだろう.

今日は,建設省国土地理院の発行する2万5千分の1地形図を買おうと, 街をさ迷った.丸善にはなかった.ジュンク堂にはいちおう備えてあったのだけれど, 全国4千数百枚をすべて備えているわけではなく, 東は日本アルプス付近までしか置いてなかったので,私の求めていた図葉は買えず. 結局,同じ地域を含む5万分の1地形図を買ってみた.

地形図には小学校高学年のころ一時期凝っていて,そのころ買ったのが何枚かある. こういった大縮尺の地図はすごく情報量が多くて,等高線のひだを読んでいると, 地形のイメージが浮かんでくるような楽しさがある.

リンクを更新.新規掲載は,しばさん.

ぶっくまーくでクサイせりふジェネレータのリンクが切れていたので修正.


■2000/ 8/20(日)

芦生の山奥から,無事帰還.

この日記は17日から順に読んでいただけるとよくわかるかもしれません. 17日からここまでは20日に書いたもの.

5時11分起床.今日もいい日だ.カレーマルシェ辛口(レトルト)とみょうがをおかずにご飯. おいしかったけれど,野菜がとれないご飯だった.

6時37分,小屋に釣り人のおじいさんが現れた.

6時43分,出発.しばらくして,河原でたき火をしている釣り人を発見. この川は軌道との間の高低差が大きいのでなかなか下りられないと思うのだけれど, どこから下りたのだろう.

7時6分,灰野谷.佐々里峠方面に出発し,8時31分,須後方面分岐. 今度こそ小野割岳方面分岐を見落とさないようにしよう, と思って地図と現況を絶えず照らし合わせながら進んでいくと, 果たして左方に分岐が見つかった.よくよく見ると,一本のカエデの古木に, うっすらと赤いペンキで矢印が描いてあるのだけれど, それ以外に標識らしいものはなく,なかなか難しい場所だ.

10時15分,佐々里峠着.灰野からこっち,ずっと人に出会わなかった.

広河原行きショートカットルートへ.オバナ谷の脇を通る道. 谷へ向かっての勾配が急な場所があって, 落ちるとやっぱり困ったことになりそうなので, 路面が濡れているときは通らない方がよさそう. しかしそんなところにまでスギが植林してあって,すごい.

11時29分,広河原着.10時50分発のバスの次は14時30分発なので, その辺で本を読んでいることにした.この集落にはあまり食べ物屋がなかったので, 残りわずかのお米をかき集めて,ちりめんじゃこ入り,高野豆腐付属の「味だし」で味をつけた, 炊き込みご飯を作った.味つけはともかく,おいしくできた.

14時30分発のバス.日曜日の午後ということもあり, 花脊山の家前で大きな団体が乗り込んできて,バスが満員になってしまった. 花脊高原前(雲取山などのもよりバス停), 保育園前などでもさらに乗ろうとする団体がいたのだけれど,「次にしてください」とそのまま通過. 次っていっても1時間半後なので,乗れなかった人は京都バスをずいぶんうらむにちがいない.

鞍馬のちょっと先で交通事故があって, しばらく通行できなくなったというハプニングもあり, うちに到着したのは結局17時30分を回ったころになった.洗濯などして, ノートも見つつ旅行中のことを書いている.

今回の芦生旅行の旅程は,広河原,佐々里峠,灰野,須後, 小ヨモギ作業所(以上1日目),灰野,須後,五叉路,中山,長治谷作業所, 三国峠,長治谷作業所(以上2日目),五叉路,須後,灰野, 小ヨモギ作業所(以上3日目),灰野,佐々里峠,広河原(以上4日目)ということになる. 本来は須後から五叉路,中山(ここまで林道),岩谷,七瀬, カヅラ小屋(ここまで歩道?),小ヨモギ作業所,灰野, 須後(ここまで森林軌道)というループがたどれるはずなのだけれど, カヅラ小屋の近くに通行できない個所があってたどれなかったのは残念.

今回の芦生旅行の収穫はいろいろあったと思うけれど,主なものは

といったところだろうか.

昨日買ったみょうがをおいしく食べるため,生協で西澤食品の豆腐を買ってから, 魚コーナーを通ると,珍しくかじきまぐろがあるのを見つけて, 高かったけどついつい買ってしまった.

厚さ 1.5cm ほどもある切り身をフライパンで焼いて口に運ぶと, 歯ごたえ十分で,「肉を食べてる」という感じがする.それに, おかずをちゃんと食べたのって久しぶり.なんだかうれしい. 野菜はそれほどたくさんとれなかったけれど,それは明日以降に回すということで.

今日は,紫な気分.何がって,モニタの色が(笑).いつもは黄色なので, ちょっと不思議な感じがする.っていうか早く修理に出そう.

それにしても,駒ヶ岳での遭難・救助のニュースを聞いたのだけれど, 5日間山の中で食料の補給もなしって大変そう.ほんとに. 駒ヶ岳は芦生より寒そうだし,地図もなかったらしいし, あるのは水だけ? 沢に行けば下りられるというのは高山では通用しないのだから.


■2000/ 8/19(土)

5時5分起床.すべての持ちものが朝露に濡れている. ハウス食品のレトルトハッシュドビーフをおかずにご飯を食べて, 洗面・歯磨きをしようとしたところで,ヒメコナカブリツルタケ Amanita farinosa を発見.繊細なきのこだ.テングタケ属なのでもちろん毒.

昨日は林道を通ったけれど,実は中山を通らないショートカットコースがあることを知っているので, そちらを通って戻ることにした.7時7分,出発.

ちょうど伐りごろに育ったスギ林や,広葉樹林の中を抜けて, ラジオフランス語講座も聴きつつ,8時51分,林道へ出た. ちなみに出口は「池ノ谷天然林保育試験地」「鳥獣保護区」「15林班  トチノキ平保存林」という標識が立ち並ぶ場所. 「長治谷方面近道」とはどこにも書いてないので,注意する.

オホノ谷ぞいを登っている途中,むっとするような悪臭.何かと思う間もなく, いっせいにハエの羽音が! 見ると,前方路上にヘビの死骸があって, たくさんのハエがそれに群がっていたのである.ヘビの分類は全然知らないのが残念.

と思うと,今度は岩棚から 60cm くらいあるミミズのお化けみたいなのが登場. 青黒くて虹色に鈍く光る胴体.触ると,ミミズのような, またはわらびもちのような触感.でももっと押すと意外に抵抗がある. 触ると,体をびくんとさせる.たぶん触られたくないんだろうな, それじゃあやめにしておくか,と思って,そのくらいにしておいたら, やがて土の中に消えていったのだけれど,結局なんだったんだろう.

(10月28日追記)芦生で実験をしている人に聞いてみたところ, シーボルトミミズというミミズらしい.

9時24分,「クラブ」着,9時33分五叉路着.10時50分, 朝の残りのハッシュドビーフご飯で昼食. やっぱりハッシュドビーフよりカレーの方がご飯との相性はいいようだ,と思った.

11時37分,ふと傍らの電話線を見ると,なんと切れていた. これでは役に立たない.

12時22分,須後の事務所に到着.今度はお金を持っているので, 生協で進々堂の菓子パンとみょうがを購入.みょうがはけっこう好きなのだけれど, スーパーで売られている値段ほどの値打ちは見出さないので,いつも買わないでいる. ここでは安かったので一袋買うことにした.

郵便ポストの脇には,去年ここに来たとき気になって, 採集して図鑑で調べたけれど,結局名前がわからなかった草が,やっぱり生えていた. 思わず追憶にひたってしまった.

須後から灰野経由で小ヨモギへ.今日は週末だからか, 河原とかでキャンプをしている人がやたらと多い. 土曜だからとがめられないというのもあるのかも.

13時36分灰野,14時34分小ヨモギ作業所着. ここからは川に歩いて下りられるようになっている. おとといとは打って変わっておだやかな表情の川の中州で,ぼんやり.幸せ.

ひとくち高野豆腐・じゃこの煮物,みょうがにしょうゆをかけたものをおかずに, ご飯.またまたおいしい.

キャンパーと釣り人は多いが,小ヨモギに泊まろうという酔狂な人はいないようで, やはり一人だった.


■2000/ 8/18(金)

5時11分,起床.もう明るい.ご飯をセットし,炊飯.「S & B なっとくのビーフカレー」(レトルト)で食事.コッヘルで炊いたご飯がおいしい.

今日の目的地は,長治谷作業所.6時50分に小ヨモギ作業所を出発し, 7時19分,灰野谷(の由良川源流との合流点)で水を補給. ここでラジオフランス語講座を聴いた.

8時20分,灰野を出発.8時36分,須後. 須後から小ヨモギ作業所方面へは森林軌道があるのに対し, 長治谷作業所方面へは林道が走っている.その林道を延々と歩くことになる. 肩の荷はやはり重い.台車があったら楽でいいのに(笑)と思った.

この演習林では,めぼしい(そして珍しい)木を「保存木」として指定して, 伐らずに取ってある.9時50分,保存木ユクノキ到着.その後, 同じくメグスリノキ,チドリノキを経て, 10時44分には朝の残りのカレーライスでお昼ご飯にした.

12時3分,林道脇にヒカゲノカズラ(原始的なシダ類の一種で, 独特の形をしている)のなかまを発見.去年に見つけたのと同じ地点. 長く伸びた茎の先に上向きに 5cm ぐらいのさやのようなものが伸びて, そこに胞子のようなものが入っていた.

12時34分,事務所へ 6.8km の道標.ブナノ木峠方面, 杉尾坂方面への分岐を合わせて五叉路になっている.

12時49分,謎の建物を発見.中には電話がある.中の張り紙を見ると, 電話の呼び鈴か何かの長短の組み合わせで呼び出し先を区別しているようで, それによればここは「クラブ」と呼ばれているのかもしれない. ここまでで触れていなかったけれど, 須後の演習林事務所から長治谷作業所までは木々の間を縫って一本の(たった一本の)電線が渡されているのだ. これが事務所間の連絡電話になっているのだという. 年代ものの釜とやかんがあったが,壁・屋根・床はどこも特に壊れていない. かぎは開いていた.

(10月27日追記)「クラブ」というのは須後にある宿舎のことで, おそらくこの「謎の建物」のことではない.

やがて,雨.雨がいったんあがったころ,すごいチョウを見つけた. すごく大きくて,黄緑だったり緑だったり青紫だったり黒だったりしていて, 蛍光色みたいに光っている.始めてみるチョウだ.

14時3分,めちゃくちゃ大きい保存木(カツラだっけ)に到着. この向かいにマイタケが採れるところがあるようだ.

しばらく後に,(廃村)中山付近で学生風四人組一行と行き違った. 佐々里峠を出て以来初めて出会うハイカー.そして,本流方面(岩谷・七瀬)分岐. ちなみに七瀬まで 7.3km 4時間40分,事務所まで 15.2km 7時間だそうだ. 実際は例の壊れた橋のせいで,事務所には行けないのだけれど.

また雨が降り出した中,14時53分,長治谷作業所着. 作業所は派手に倒壊していて,驚いた.危険なので周辺は立ち入り禁止になっている. 畳はあったが,ふとんはみつからなかった.ふとんは撤去したのかもしれない. もっともここは倒壊していなくても無許可で利用してはいけないことになっている. 代わりにキャンプ指定地があるので,そこで泊まることになる. テントは持っていないので,ごろんと地面に横になって寝ることに.

荷物を下ろして,三国峠へ.16時43分ごろ,到着. この山は若狭,丹波,近江の三国の国境になっている.日本海は見えなかったが, 大パノラマが楽しめた.山頂ノートにひとことを記入して,出発.17時39分, 長治谷作業所に帰投.

ご飯を炊いて,ひとくち高野豆腐とちりめんじゃこを煮たものをおかずにした. これがおいしかった.高野豆腐がこんなに簡単に調理できてしまっていいものかとまで思った. 半分は残して明日の朝食にしようかと思ったが,全部食べてしまった.

明日のお米をセットして,寝る.やはり夕闇が迫ってくると心細くなる.

夜なのに,空が明るいのが不思議.道はもちろん,腕時計の文字さえ見える. 夜半から下弦の月が見えてきた.山は白くけぶっている. 夜が更けるにつれてツェルトの中に結露してきたのはちょっと困ったことだった.


■2000/ 8/17(木)

7時55分高野橋東詰バス停発,9時49分広河原着のバスに乗って,芦生へ. いざ出発すると,重いザックが,歩くほどに肩に食い込む. のんびり休んだりしながら,佐々里峠を経て佐々里へ至る車道を進んだ. 歩き専用のショートカットルートもあると聞くが,入る場所が見つからない. 途中,マムシグサの実を発見.まだ熟していなくて緑色だった.毒.

11時25分,佐々里峠到着.ここは京都市と美山町との境界でもあり,ここは標高 720m ぐらいだが,とりあえずの目的地の須後は標高 355m なので, この先トータルでは下りになるはず.まずは灰野行きの山道に入ることに.

薄曇で絶好の天気.おだやかな木漏れ日の中, ミンミンゼミの声を聞きながら横になっていると,暑くもなく寒くもなく, すべてが満ち足りていて,ずっとこのまま, 林の中でのんびりしていたいという欲求にかられる.別に堕落した考えではない, と思う.もちろん本当はずっとそうしていることはできなくて, 夜が来て朝が来るのだし,風だって雨だって容赦はしないというのが定めなのだけれど.

実際,12時30分ごろには雷鳴が聞こえるようになった.そんな中, 大段谷山方面分岐,須後方面分岐(道が悪いのでこちらには行かないことにする)を通過. 小野割岳方面分岐は知らずに通り過ぎてしまったようだ. 13時18分,持ってきたおにぎりなどで昼食.灰野谷に入ると, スギが植林されている.でも間伐された木が打ち捨ててあったり. 第1目的地の灰野(廃村)に着いたのは14時44分.急峻な斜面の間の峡谷という感じの地形. 放棄された森林軌道(狭い軌間の線路)が東西に伸びている. ここで佐々里峠以来初めて人に出会った.

灰野に重い荷を下ろして,須後へ.15時6分,到着,演習林事務所で入林申請. カヅラ小屋手前の橋が壊れていて危険なので通行止という張り紙がしてあって, 気になった.お金も荷物といっしょに灰野に置いてきてしまったので, 芦生生協のお店(須後にはここぐらいしか物を買う場所がない)で食べ物を買ったりできなかった. でも,芦生の演習林事務所に自分の足で歩いて来れるんだなあと,感激.

15時30分,灰野に取って返して,カヅラ小屋(無人)へ向かう. 途中,調査とおぼしき若者たち数人に出会った. 「(傍らを流れている由良川源流は)増水していますね.水が赤くなっているし. 気をつけてください」と声をかけられた.確かにすごい水の量だ.

16時21分,小ヨモギ作業所(無人)に到着. この小屋は京都大学野生生物研究会が管理していて,一夜の宿とすることができる. 屋根も床も壁もあって,よい.

16時52分,壊れた橋を発見.かなり危なそうなので,回避することにした. しかし,17時5分,またまた壊れた橋を発見.今度は壊れた橋が2個続いている.

ということから,カヅラ小屋の直前だったけれど,断念して引き返すことにした. 「石橋を叩いて渡る」というのがわかる気がした.

全般的に,この森林軌道は急傾斜の場所に造られていて, しかも川からだいぶ高低差があるので,落ちるとまずい場所が多い. 軌道そのものから落ちることだってないとはいえないし, 壊れていない橋からだって落ちることはないとはいえない. 地元の人でも落ちて亡くなった方がいるだけに,心して歩く必要がありそうだ.

この辺,造林して放置された場所が多い.43年前に植林して間伐していないスギもあった. このスギ林にはかかり木(倒れた木で,完全に地面に落ちていなくて, 他の木にかかった状態のまま放置されている木.いつか必ず落ちる)もあって, まったくなっていない.

17時49分,小ヨモギ作業所到着.戸と窓はガラスが入っていて開け閉めも一部できるし, なかなか快適な一夜になりそうだ.広い部屋をひとりじめして装備品を点検していたら, ヘッドランプがほとんどつかなくなっていてショック. 荷物の中でスイッチが動かされてオンになっていたのだろう.でも, 持参のラジオの乾電池と入れ替えればなんとかなることを確認,ほっとした.

それほどおなかがすいているわけでもなかったので, 持参したアプリコットジャムサンドを夕食に食べた.

かなり暗くなってきて,寝ることにした.研究室とかの人のことを思いつつ, ラジオも聴きつつ.寝袋はめんどうなので持ってきていなくて, ツェルトにくるまって寝ることに.雷が激しくなって,雨が降り出したけれど, 小屋の中なので安心.

とはいうものの,周りにだれも人がいないというのはやはり心細いものだ. 小さいころ,一人で暗い部屋に行けなかったのを思い出す. 私はさびしがり屋なのかもしれない.


■2000/ 8/16(水)

今日は,思いっきり思考が飛んでます.

報道によれば,南北は朝鮮戦争以後分断されたままだった鉄道路線, 京義線の[シ文]山・開城間の線路を復旧する工事を9月に開始するとのことで, めでたい.

分断された鉄道路線といえば,平壌を通って大陸に通じるこの路線と同様, もう一つ重要なのは,京元線だ.京元線はソウルと元山を結ぶ路線で, 日本統治下では重点的に工業化投資がなされた北の東海岸沿いの工業地帯へと至る. この路線も南北分断のため,南側からは新炭里までの営業となっている. その中断点には「鉄馬は走りたい」という看板が掲げられていることで有名.

ところで鉄馬といえば,日本に最初にブラックバスを移入したことで知られる赤星鉄馬氏を思い出す. 1882年生まれの鉄馬氏は1925年,箱根の芦ノ湖にブラックバスを放流したのだけれど, ブラックバスが芦ノ湖だけにとどまっていればよかったのだが, 残念ながら全国的に広まってしまい, その地域固有の種を含む生態系を方々で乱してしまったのは残念.なお, ゴルフの日本における黎明期に功績があったらしい赤星六郎氏(第1回日本オープンで優勝)は,鉄馬氏の弟.

京都市水道局の広報車がこちらにも回ってきた.「浄水器の購入を迫る業者に注意!」という内容の広報をしていた.

このあいだ手に入れた Panasonic のノート PC のユーザー登録をしたら, 黄色のカラートラックボールをプレゼントする,というメールが届いた. 黄色だなんて.ただでさえデザインが悪いのに, ますます趣味が悪くなってしまいそうだ.

遅ればせながら,ICMAS 私的レポートを12日分までアップロード.あともう少し.

送り火は,大文字,妙法,左大文字を見ることができた. 妙はすごく大きく見えた.そりゃ地元だものね. あとは鳥居形を見れば全部見たことになる.でも, 嵯峨鳥居本町とかいうとずっと西の方だし,見ることはあるんだろうか.

しばらくの間,「芦生へ GO!」します.探さないでください:-) 遅くとも20日には戻っているはず.予定ルートは,広河原,佐々里峠,須後, カヅラ小屋,三国岳,地蔵峠,三国峠,長治谷作業所,ケヤキ坂,ブナノ木峠, カヅラ小屋,小野村割岳(なんて読むんだろう),広河原といったところ.


■2000/ 8/15(火)

朝は,うちの裏山へ.裏山へ行くのは6月以来. お目当ての植物はまだまだだったのだけれど. ちなみにこの裏山では明日,送り火の妙法(という文字)が焚かれるはず.

そして,丸太町の山用品店のロッジでガスボンベを買って, 大丸へ.デパートはほかにもいくつかあるけれど, 自転車置場がある大丸にどうしても足が向く.紅茶にもひかれつつ, チーズなどを購入.

夜は,みうぞう氏と飲み.みうぞ宅に行ったのも初めてだし, まとまった話をするのも初めてで,すごく楽しい時間を過ごせることができた. なんかいろいろ話を聞いてばかりという感じで, 私の側のことはあまり話せなかったけれど, それでも言いたかったことは言ったつもりだし.それにしても, 自分の考えがまだしっかりしたものになっていないのは痛感.純粋理性批判ぐらい, きちんと読んでおくべきだったなあ.

いろいろ複雑な話も聞いたけど,たぶん半年たったらコアの部分以外は忘れてしまいそう. よしふみって,成長したんだなあ(謎).

ちょうどフレッシュのパイナップルがあったので, クラッカーの上にパイナップルの薄切りとチーズを順に載せて食べるとおいしいよ, とすすめてみたら,「だって味が混ざるじゃない」とひとこと. つくづく味のハーモニーというのは苦手な人なんだな,と.

「群盲,象をなでる」ということわざがあるけれど,それだけじゃなくて, なんかみうぞう氏をある程度体系的に理解できたような気がした.

話変わって,斎藤澪奈子著『超一流主義』,1993,マガジンハウス(角川文庫 1997)とかいう本が一時期ブームになって「ポジティブ・シンキング」という言葉もはやったけれど, まあ通俗的な興味の対象以上のものではないでしょう.


■2000/ 8/14(月)

京都大学大学院農学研究科附属演習林上賀茂試験地へ.

薄曇の中,自転車をこいで柊野別れから京都産業大学前へ.確か, 上賀茂演習林はこの辺だったはず,と前回の記憶をたどりつつ. しかし,たずね当たらず,なおも進むうちに市原まで行ってしまった. さすがに違うだろう,ということで歩いている人に聞いたりして, 結局京産大の裏手にあることがわかり,家を出てから計1時間ほど, 10時ごろにようやく到着.名簿に氏名・住所を記入して入林.

折しも,林内に二つある池ではハスの花が満開. ハスは韓国の民画でしばしば題材にされるものだけれど, 実際に見るのは初めてだと思う.淡いピンクの花びらとがくが何ともきれいだ. 片方の池のハスは花びらが内側から順に黄色,白,ピンクになっていて, もう片方の池のハスは内側から順に黄色,白になっているようだ.

この演習林に来たのはほかでもなく,××××(秘密)を再発見するため. 深山でもない,こんなところに××××が生えているのは珍しい. 弱そうだし,ここには10株ぐらいしか生育していない貴重な植物なので, 大切にしたいものだ.

その後,山の方に行って,見本林などを見て回った.

この演習林は,針葉樹を重点的に試験研究している演習林. とりわけマツ類の見本林はすごい.国内外のありとあらゆるマツがそろっているマニアックな世界. こんなことがあった. 林内の歩道を歩いていると,地面が濡れているわけでもないのに, 急に足元が滑りやすくなったのだ.何かと思うと, 足元のマツの葉がすごく長いので,それで滑ってしまうらしい. どれくらい長いかというと,手の平を広げてもまだ足りないくらい.ダイオウショウ Picea palustris Mill., 英語では longleaf pine といって,アメリカ東部の,バージニア南東〜フロリダ中部に分布するとらしい.

タイワンスギ,エンピツビャクシンの林が続いて,フジのなかまやブドウのなかま, キウイが植えてある藤棚の向かいは,ニオイヒバの林. アスナロにも似たこの木の葉は,指でつぶしてみると, バニラとヒノキの混ざったような匂いがする.

さらにずーっと進んでいくと,天然生林になる. 天然生林では学生などの調査が数多く行われている. 「コバノガマズミと昆虫の関係」というテーマの研究をしているという札がかかっているのに気づき, どこかで見たことがあるなと思えば,大文字山でも同じ札が下がっていたような.

山を降りて,タケ・ササの見本園に着いた. ここは府立植物園なんかよりずっとたくさんの種類のタケ・ササが植えてあって, 目を楽しませてくれる.ところが,どうやら迷ってしまったようだったと, ここで気づいた.演習林の外側を隔てる柵の外には人家があるのに, 演習林の入口付近ではない.入口に自転車を置いている関係上, どうしても入口から出る必要がある.

山を登って別の方面から下りることを繰り返したが, どうもうまくいかない.道標もないし,困った困った. とりあえず北に下りてだめだったのだから南に向けて登ったらいいことがありそう, と思ってそうしてみた.

前回この演習林に来たのは去年かおととしなのだが, そのときに来たことのあるような場所もいくつか見かけた. さらにしばらく進むと,真南に展望が大きく開けた.手前から順にうちの裏山, ノートルダム女子大,糺の森,京都御苑,京都タワー, 山城の南の山々までが見渡せた.送り火の船形も東に望むことができた.

結局,入口には戻れなくて,何とか南東側の柵を越えて林外に出られたのがもう14時近く. 車道をとぼとぼ歩くうちに,岩倉幡枝町という標識を見つけて,ちょっと動揺. というのも,(岩倉在住のみなさん,ごめんなさい)岩倉というと, 岩倉村松とかみたいに,すごく遠いというイメージが強いので. しばらく車道を下りると,今度は上賀茂深泥池町という標識.あれあれ, うちのすぐ近くじゃないの.ずいぶん違う方向に来ちゃったんじゃない. 自転車はどうしよう.地図を見ると, 岩倉幡枝町は上賀茂地区に隣接していることが判明.

どうしようかとしばらく悩んで,とりあえずご飯も食べてないので, 近くの飲食店で冷麺を頼んだ.何杯か水を飲みつつ,地図を眺めると, 柊野別れを回ると時間がかかりそうだけれど, 岩倉幡枝町から叡電京都精華大前を通るルートをたどれば, それほど時間もかからずにすみそう.ということで, 冷麺を食べた後(ボリュームはいまひとつだった)いくらか引き返して, 合計40分歩いて入口に到着.そういえばこの前来たときには叡電で精華大前下車で来たんだっけ, と思い出した.再度岩倉幡枝町,深泥池横,北山通りを順に通って, うちまで自転車で20分だった.

地図をよく読むと,確かにどこにも「演習林」とは書いてないけれど,よく見ると U 字形の道路が表示されている.これが演習林の幹線的な林道で,U の下側が南,上側が北だったのだ.演習林の区域自体もこの林道に沿っているので, 最初に来たタケ・ササ類の見本園は,U の左上側の先端にあるので, 入口が見えなかったわけだ.演習林の入口は U の字のおなかのあたりにあるので, 北に行きすぎればタケ・ササ類の見本園に行ってしまうし, 南に行けば岩倉幡枝町に出てしまう. 来た道を戻らない歩き方はリスクが高いようだとわかった.

ブックマークをほんのちょっとだけ更新.


■2000/ 8/13(日)

ほうろうの「一夜漬けポット 14cm」というのをイズミヤで買った.

研究室で,ノート PC の設定.とりあえず Netscape Navigator 4.73 日本語版が FreeBSD 上で動く状態にした.特に何も設定しなくてもハングルが表示されているし(^-^)


■2000/ 8/12(土)

韓国の方からメールが届いた.base64 エンコードされていて,charset が ks_c_5601-1987 と指定されていて, うちの Mew は認識してくれなかったのだが,EUC-KR っぽいテキストだったので,EUC-KR だと思わせて読んでみたら, 無事読めた.中身は日本語だった:-) 日本の文字コードの規格,JIS X 0208 にはハングルは入っていないけれど,韓国の文字コードの規格,KS C 5601 にはひらがなやカタカナが入っていて(文字の数が少ないということもあるのだろう), もちろん漢字も旧字体だけれど入っているので, それらを使って日本語を書くことはあるらしい.

それで,韓国語で返事を書いて出した.韓国語の勉強になるかどうかはともかく, 韓国独特の「2ボル式」という文字の入力方法の練習にはなったと思う. キートップにハングルが刻印されていないので,多少とまどう.ちなみに入力には quail を使っている.

韓国は日本と同様,文字コードが何種類かあるのだけれど, メールをあまりいろいろな人とやりとりしたことがないので, そのどれを使えばいいのかよくわからない.ISO-2022-JP-2 は問題外としても,伝統的に EUC-KR, ISO-2022-KR の二つはあるはずで,とりあえずうちの .emacs では ISO-2022-KR を使うように2年前に設定してあったので, まあこれでいいだろうと返信.

夕方,イズミヤに行ったら,5歳ぐらいの子どもとお母さんが雪印の 500ml 牛乳を前に,

母「ちょっと怖いけど,大丈夫でしょう」
子「いやーっ!」
というやりとりを交わしていた. 子どもの方が良識的かもしれない.

夕食にさざえのつぼ焼きを食べた.「日本人はなんで軟体動物が好きなんだろう. 私はそうではないのだけれど」とエス版ひとことに書こうとしたが, 単語も構文も私には歯が立たなさそうで,断念.


■2000/ 8/11(金)

昨日買ってきた CD-ROM ドライブを Windows 環境で動作確認した.

10Gbytes の C ドライブを FIPS コマンドで半分に切り詰めて, 残りの場所に FreeBSD 4.1-RELEASE を FTP でインストール. いちおう root でログインできるところまでは確認.

ノート PC のめんどうをみているとなかなか仕事がはかどらない. 本腰を入れればすぐできるぐらいの分量のはずなんだけれど.


■2000/ 8/10(木)

最近,着るものが少なくなってきてしまった. いまの季節に着れるズボンなんて長いのは2本しかないし. 反訴でも,いや,半袖も少ない.買いに行くのがなんかおっくうで.

セイコーインスツルメンツ製 PC カード型 PHS 端末 MC-P210/TD を 11,800円(税別)で購入.さっそく Windows98 で使ってみた.kyoto-Inet の京都 AP,亀岡 AP でいずれも動作することを確認. 全国どこからでも通話料込み1分15円で利用できるダイヤルアップサービス PRIN も使ってみて,これも動作した.何もケーブルがつながっていないノートでネットサーフィンができるなんて,なんか不思議な感覚.

CD-ROM ドライブは松下の KXL-830AN-S を 19,800円(税別)で購入.PC カード同梱で ATAPI なので,MS 以外の OS で動くかどうかいまひとつ不安ではある.

昼食は河原町通御池下ルのびびんぱ家河原町店.なか卯みたいな内装. 宣伝を見るかぎり「びびんぱ家」と書いて「ピビンパチプ」と読ませるのだそうで, さすが訓読みの国日本.石焼きピビンパ580円を食べた.味は普通. テールスープ定食680円は買い得かもしれない.

最近,NHK ラジオフランス語講座応用編がおもしろい. 「気軽に読める『なぜ?』物語」というサブタイトルを持つこのラジオ講座は, 「なぜ白ワインは黄色いのか?」「なぜカフェのボーイは, あなたにおつりを返す前に,あなたがいくら出したかをレジに知らせるのか?」など, 身近な「なぜ?」についての文章を読んでいくという内容. 20分の放送時間の大部分を訳読と発音練習が占める. それほど難しくはないけれど単語もイディオムも私のレベルでは辞書を引かなければほとんどわからないものばかり, というレベルの文章だし,文の構造が整っているので, フランス語の読解力をつけるのに役に立ちそう.訳読では会話能力が向上しないとして訳読を好まない人もいるけれど, ちょっと複雑だったり難しい内容を正確に伝えたいときに, こういうトレーニングを受けているのとそうでないのとでは差がつくと思う.

かつてラジオ「アンニョンハシムニカ?」ハングル講座応用編を聞き始めたときは, 知らない単語に赤鉛筆で線を引いていくと, 課題文が真っ赤になってしまったものだけれど, いまはたぶんほとんど線を引かなくてよくなったという経験がある. いつかフランス語でもそうなるのだと思う.

ただ,固有語・漢字語(日本語でいうところの「やまとことば」と漢語に対応)という対立軸を強引に借りてきて導入すると, 考えてみれば,私が英語で簡単なことがうまくしゃべれないのは, 全部固有語を使わなきゃいけないっていうのがあるのだと思うので, もちろん会話の練習は別に必要なのだと思うけれど. 韓国語でも簡単なことを話すのはやはり難しいことだ. 大衆歌謡を聞いて補っても語彙が偏るし.

話が元に戻るけれど,この講座の講師の杉山利恵子先生は, 落ち着いた口調かつ音程的にはそれほど高くないはずなのに, 私にはどうしても「高い声」のように聞こえてしまう不思議な声の持ち主. また,訳読のときなんか,日本語の文章の中に仏単語をはさむときの発音, たとえば「この que の後の」と言うときの que の発音と,仏文の中の発音 "alors que le bourreau," と言うときの que の発音が明瞭に発音しわけられているというのも興味深くて, 聞きあきない.もちろん que 以外の単語もみんな発音しわけられている. たぶん後ろにある音韻体系が頭の中で半ば無意識的に取り替えられているのだと思う. 私の場合はどうも単語や熟語ごとにその表現がどの音韻体系に乗っているかが固定的に記憶されているようで, たとえば「サービスしときますよ」と言うときは日本語的に「サービス」と発音するのに, Quality of Service と言うときはそうでないので,おもしろいなと思う.

あ,なんか今日は話が発散してしまったかも……. しかも何を言いたいかがうまく伝わらないっぽい.


■2000/ 8/ 9(水)

夏休みは,学校の友人と会う機会が少ない. 学校以外でのメールも心なしか数が少なくて,ちょっとさびしいかも.

唐突だけれど,自分の望んだとおりにことが運ばなくても, 何を失ったか,何をあきらめなければならないか,ではなく, 何をいままで得たのか,に目を向けていきたいものだと思った. 卑屈になってすべてから退却するのではなく, 自分がいまいる場所に誇りを持って立っていたい. それがほかの人と比べて見劣りのする場所であっても.

ノート PC を手に入れた.Panasonic CF-B5V. イーサネットのインターフェイスが本体に付いていて,B5 サイズというのがポイント.このマシンは,

といった特徴がある.このノート PC を手に入れたことで,一気にうちの環境が達成できた.CPU もメモリもディスクも,いつも使っているデスクトップ環境よりはるかに恵まれている.

ところが,今日はなかなかいろいろあった.

まず,研究室の LAN に接続するところで立ち往生してしまった.ping が通ったり通らなかったりするのだ.いろいろ試行錯誤した結果, ケーブルが不良だったということがわかった.winipcfg コマンドを使用すれば DHCP でアドレスがもらえているかどうかがわかると Y 先生に教えてもらった.

それで,まずは Windows98 での生活環境を整える必要があるので, Lhasa, Teraterm, ttssh, 秀丸エディタ, Kajero(エディタ) をインストール.標準では拡張子が .dll などのファイルはエクスプローラ等では表示されないということを知らず, しばらくはまってしまった.

その後,FreeBSD 4.1-RELEASE, PAO を取ってこようとした.ドライブのパーティション切り直しがまだできていないため, インストールは先のことになるのだけれど.

そうすると,お決まりの「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了させます」エラー. 何で IE を普通に使ってるだけでそういうふうになるかなあ.

さらに,IE で外のサイトから FTP でファイルをダウンロードできないという症状に悩まされた.外から内への TCP の接続確立を禁止する設定のファイアウォールがあること, 研究室内のサイトには接続できること,エラーメッセージと tcpdump の結果などから,どうみても passive モードになっていないのが原因だ.でも,passive モードにする設定方法がわからない.IE5 なのだけれど,Y 先生に聞いたところ「IE5 はデフォルトで passive モードだよ」とのこと.不思議だ.結局あきらめて,Netscape Communicator 4.73 をインストールした.こちらではもちろん正常に passive モードで接続が可能.

一方,VAIO PCG-SR9/K を新規購入した N さんもセットアップを進めていた. こちらでは,メモリを増設すると Windows 2000 の起動時にブルースクリーンが出て, 「ファイルシステムがおかしい」といった意味のエラーが出るという不具合が発生. しばらく Y 先生が格闘して,結局メモリの初期不良ということがわかった. 実はメモリをもう一枚購入してあったのでそちらを使うとうまくいくことがわかり, 原因究明に役立ったのは幸運だった.


■2000/ 8/ 8(火)

けさはすずしくて気持ちがよかった.しかもディスプレイが久しぶりに黄色じゃなくてちゃんとした色で表示してくれた. それで,いつきさんの日記を読み返しつつ,いぐっちゃんとメールチャットをしつつ, 全手動で洗濯をしつつ,新しいカップでミルクティーを飲みつつ.

電池がいらないのにエコーがかかるジャズボーカルヴォイス養成マイクって, どういうしくみなのかとても気になった.

「てだま(手玉)に取る  お手玉で遊ぶように,思いのままに相手を操る」(角川必携国語辞典)
そうか,「手玉に取る」の「手玉」ってお手玉のイメージだったのか……. いままで全然気づかなかった.

12月1日の欄に紹介したフォークデュオ Bra-T(ぶらてぃー)は,最近,2枚目のアルバムを出し, これまでで通算4枚の CD(-R) を出したことになるらしい.

研究室の Nu さん(N さんとは別人)が研究室夏合宿のとき撮りまくっていた画像を公開. なんと1,975枚もあるらしい.ということは,1枚1秒で見ても半時間はゆうにかかるということで, すごい分量.しかもメールと違ってタイトルだけ飛ばし読みすることもできない. そもそも1枚1枚にタイトルも付いていないし.

いつきさんと初顔合わせ.ルヴェソンヴェールで昼食. ためになる話をいろいろ聞かせてもらった.

夜は教習所で学科.なんか予備校みたいな講義だった. とはいっても予備校に本格的にかよったことはないのだけれど. 横断禁止というのは右折禁止を意味しないということを知った.

ICMAS 2000 私的レポート9日分をいくらか加筆修正.同10日分を掲載.


■2000/ 8/ 7(月)

今朝は,畑を愛する K くんが夢の中に出てきて, すごく大切なことを教えてくれたことをおぼえているのだけれど, 肝心のその内容は忘れてしまった.夢の中でも比較的前の方にみた夢だったからかもしれない.

教習初日.今日の教習は,シミュレータなるものを使った模擬教習. 緊張してしまったけれど,自動車っておもしろいメカだなあと実感した.普段, とことん人為的な世界であるところのコンピュータソフトウェアの上とか, やはり人為的なとりきめに満ちた社会の中で生活しているだけに, 物理法則と直結している自動車の世界が新鮮だ.

研究室の人の実験で,8(エイト)パズルをたくさんたくさん解いた.8 パズルというのは,15 パズルの小さいもの.って,説明になっていないかもしれないけれど. 1時間半くらいかかった.数十回プレイすると,頭が 8 パズルに適応してきて,盤面を見ただけでどういう手を打っていけばクリアできるのかわかるようになるのがおもしろい.

話変わって,企業は社会に対してなにがしかの責任を負っているというのはしばしば企業自身によってさえ主張されることである. それでは,家庭は「社会のもっとも基礎的な構成単位であるから,」社会に責任を負う, という主張は正しいだろうか.ここでいう家庭は,子どものない家庭も含んでいる. この主張は「ひとを人として扱う」という立場と両立しないのではないか, と,私は直感的に思うのだけれど,はっきりとした理由が見つけ出せない.

ICMAS 2000 私的レポートを9日分までアップロード.


■2000/ 8/ 6(日)

すもももももももものうち,とよく言うが,実は, 桃はときどき食べていたのだけれど,すももはこの夏になるまで食べた記憶がない. 今夏の研究室旅行で食べてみて,意外にいけるじゃん,と思って, 最近店で買って食べている.確かに桃によく似ている. 独特の形が桃を小さくしたみたいだし,表面に毛があるのも桃に似ている. 桃のさわやかな香りも,やはりある.めちゃくちゃ甘いというわけではないけれど, 野趣のある風味はほかのものに代えることのできないものだ.

ただ,実の大きさが小さいことから,ナイフで切って食べる気になれない. いきおい,皮をむいただけでかぶりつくことになるのだけれど, 品がいい食べ方とはいえない.妹のいる寮ではナイフとフォークを持ち出すのが面倒なばかりに, 豚肉とかのかたまりにかぶりついて食べる人もいる,と以前聞いて, あきれたのだけれど,これではそれと同じになってしまう. 本当はどうやって食べるのがいいのだろうか…….

みうぞう氏のページで,「るいとも」が復活したり, コンテンツが増えたりしているのを発見.って,遅いって? 実は最近, トップページを通らない人になっていたもので(;°д°)...

今年度版の通称「便利地図」をようやく入手.この冊子は, 大学近辺の飲食店等のリストとその所在地を示す地図がメインコンテンツで, 新入生のときはずいぶん重宝した記憶がある. 今年は一部店舗のメニューが載るなど,例年に比べてさらに充実しているようだ. これだけのものを作るのにはけっこう手がかかっているはず. すごいすごい.これを参考に定食屋を開拓してみようかな.

がおもしろい.氏ならではの幅広い引用と実地体験が光っている. 実は単子葉植物の同定が苦手なのだけれど,同書によれば, 有毒のスズランを食用のギョウジャニンニクだと思って食べて中毒したという事例もあるらしい. 気をつけなければ.

ギョウジャニンニクといえば,あまりポピュラーな食べ物とはいえないけれど, 某会で口にして以来,私にとっては思い入れのある植物. ニラとニンニクの中間のような味で,さっぱりとした, それでいて強烈なにおいがする. フキとかと違ってどこにでもあるというわけではないので, さらに食べたくなってしまう.この前駒ヶ根で買ってきたギョウジャニンニクの酢みそ漬けはなかなかの珍味だった. たぶん日本酒と合うのだと思う.


■2000/ 8/ 5(土)

自動車の教習所の入所手続き.二条自動車教習所. 朝は自転車で行くのが涼しくて快適だったけれど, 帰りは昨日に引き続き暑くなって大変だった.

帰り,最近オープンしたコープ西陣を通りがかったので,入ってみた. 意外に売場面積が広い.ということは, 普通のお店では見ることのできないマイナーな商品も手に入れられそう,と思って, 回ってみたが,いまひとつ. サンプラザとかの方が特徴的な品揃えをしている気がした.ただ,日生協の「CO-OP 日本の大豆 醤油」という製品には心ひかれるものがあって, そんなに高くもなかったので,買ってみた.

今出川通大宮西入ルに Le Petit Mec というベーカリーがあるのに気づいて, 入ってみた.アグレッシブな品揃えのパンと,焼きっぱなしもののタルトがある.Joker というフランスのメーカーのジュースを扱っているのは珍しい. あんずのタルトと,groseille のタルトを買った.groseille って何だろうと思って調べてみたら,日本語では「すぐり」というらしい.ただし groseille というのは赤または白のすぐりに限るようだ. でもすぐりって何だろうと思って調べてみたところ,ゆきのした科スグリ属 (Ribes) の木の実のことらしい.すぐりといえば黒すぐり cassis というのが思い浮かぶが,フランス語では色によって呼び分けているようだ. 一方,英語では何色のすぐりも currant という一語で表すらしい.ところで,Rubus というのはキイチゴ属のことだから,間違えないようにしなければ.

「クルマ社会の都市と交通」という連続講座がおもしろい. 第1回講義分は,自動車と都市交通の関係で生じる問題を網羅的にまとめていて, ちょっと表現が難しくなっている側面はあるけれど, マイカーを持つ人にはぜひ読んでもらいたい文章だ. 米国では年の交通事故死亡者数は約4万3000人. 人口比にすれば日本の約2倍ということで,さすが自動車大国. 交通事故死亡者数が多い国といえばお隣の韓国も相当なものだが, これは単に運転が荒っぽいからだろう.なにしろ, 韓国の自動車数は日本よりずっと少ないのだから. 「韓国 交通事故 死亡者数」というようなキーワードで検索してみるとおもしろい. 筆者は米国の交通政策を専門としているらしく, 自動車問題についての一般的な文献と異なり米国の交通政策についての論述に力を注いでいることが, この連続講座を価値あるものとしているように思える.

それで,交通政策の分野では,低密度な都市の発展は持続可能でないので, 公共交通を中心とするコンパクトな都市(東京はちょっと行き過ぎの感があるけれど)をつくるべきだという主張がよくなされるけれど, もしそうしようとすれば,「庭付き一戸建て」は平均的にはあきらめて, マンションに住むことを受け入れなければならないのかもしれないなあ, というのが感想.

夜ふかしして,NHK FM をなんとなくつけていたら,"Mia nomo estas ..." と,日本の放送なのに珍しくエスペラントが聞こえてきた. 22時からの時間でスポメンカ・シティメチ原作「クロアチア物語」というラジオドラマを放送するとのことで, その原作者のコメントが放送されていたということだった.もちろんその, 原作者の肉声で放送された冒頭の部分以外は,吹き替えになっていたのだけれど. ちなみにこのラジオドラマの原作もエスペラントで書かれているらしい.


■2000/ 8/ 4(金)

今日は,心地よいぐらいにゆううつ.なので,ちょっとメールを書く元気がなくて. 暑中お見舞をくださった方にはこの場でお礼を申し上げます.

家族で,名古屋駅前の第一ホテルで食事.レストランの隣の宴会場が勧角証券の面接会場になっていて, 4回生っぽい人が緊張した面持ちで座っているのが見えた.大変そう.

名古屋駅の最近完成した駅ビルの12階レストランフロアには, 最近はやりの「キハチ」が入っている. このチェーン店はフランス料理をベースにした創作料理を出し, 東京方面で人気があるらしい.名駅のキハチの変わっているところは, キッチンが通路から見えるしかけになっていること. 春に見に行ったときはそれほど広くないキッチンなのに20人ほどの人がいて, 混みすぎて全然仕事にならなさそうだった.今日はそれほどでもなくて, 15人ほどで,ほどほどに動きがとれそうで,ほどほどに働いているみたいだった. ただ,私と同じくらいかそれ以上に若い人たちが大部分を占めている点は変わっていなかった. 実習生を受け入れているということなのだろうか.

名古屋は涼しかったけれど,京都はすごく暑い.昼なのにバスがなかなか来なくて, 乗った後も渋滞でなかなか進まなかったり,客扱いに時間がかかったりとで, ずいぶん時間がかかってしまった.新幹線を降りてから市バス 206 系統に乗車し,学校で降りるまでの時間を測ってみたら, なんと1時間22分もかかってしまった.もう, 京都の市バスは私の中では完全に「所要時間の標準偏差が大きすぎる交通機関」という認識.

7月31日分からここまでの内容は,8月4日にアップロードしたもの.


■2000/ 8/ 2(水)

大須にパソコンをウィンドウショッピングしに行った.弟もいっしょ.Diablo II とか Ys II Eternal は最近出たらしく,大々的に売り出されていた. とはいってもゲームを買うのではなく,買いたいのはノートパソコン. 最近はどこのメーカーも似たりよったりだなあと思いつつ,でも搭載されている CPU もディスクもずっと性能が向上しているのに驚きつつ, いろいろ見て回った.


■2000/ 8/ 1(火)

京都の FM ラジオはなかなかこの辺では入りが悪い. 部屋の中でもラジオを数十センチ動かすだけで雑音だらけになったりする. 弟によれば,この問題を解決するには, テレビのアンテナからのケーブルを使えばいいらしい.「どうやって使うの?  普通ラジオにはアンテナの接続端子がついてないと思うけれど」と聞いたところ, ラジオのアンテナを伸ばしてそれにケーブルを巻き付けておけばいいとのこと. 確かに変圧器の原理でうまくいきそうな気もする.だれか試してみませんか?

夜,テレビをみていて,天地真理という歌手の「ひとりじゃないって」という曲が出てきた. 昔のヒット曲らしい. 聞くのは初めてなのだが,サビの部分のメロディーラインに聞きおぼえがある. 放送ではその部分が「ひとりじゃないって/すてきなことよ」という歌詞になっていたところ, 私の記憶していた曲は「夢が夢があるから/歌おじゃないか」という歌詞だったと思う. どういうつながりがあるのだろう.


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