みしっく今日のひとこと - 2000年4月


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★ひとこと目次 ◎ほーむ


■2000/ 4/30(日)

研究室で過ごした.研究室の事情で,分担して京都市の飲食店の URL を集めるという作業をすることになっていたので,それを片づけた. 個別のお店が独自に持っているホームページというのは, 予想に反して少ないことに気づいた. でも Yahoo! グルメぐるなび,雑誌 FAME などにいろいろ載っていることがわかったので,それらから50数個集めた. うち9割程度はフランス料理のお店.知っているお店もあったけれど, 知らないところもたくさんあった.うち何軒かはそのうち食べにいきたいなあと.

URL 集めはとりあえずできたのだけれど, それ以外のやるべきことはほとんど進んでいない.はうっ…….

エスペラント語版のプロフィールを作って, アップロードした.


■2000/ 4/29(土)

昨日の授業はおもしろかった.私の先輩に当たる人で, 特許庁主席審判官・法学部客員教授という肩書きの先生の授業. 題目は知的財産政策ということで,すごい力が入った自作教科書と, 文字が多いけれど枚数の多いスライドショーのコピーを使って, 講義をされていた.内容はただの法解釈ではなくて, 立法や経済的側面にも踏み込んだものになるようで,楽しみだ. 同じ研究科の助手の先生が聞きにこられていたのは,ちょっとびっくりした.

先生から特許庁の企画で製作された『工業所有権標準テキスト 特許編』をいただいた. 特許庁では小中高の各段階に合わせた特許等の解説書を作っているらしく, これはその高校バージョン.読むと,細かいことは書いてないけれど, 特許とはどういうものかということ・特許の理念と, 特許の調査・出願・許可までの手続きが,簡単にわかるように書かれていて, 一般社会人向けの入門書としてもよくまとまっていると思う. イラストもわかりやすい.

笑えたのは,テキスト中に記載された「実用新案技術評価書の事例」. 「写真撮影と同時に感光されたフィルムに所望の文字,数字, 模様などを形成することができる一回用カメラ」という, おそらく架空の発明(実用新案の対象となる創作は,正確には「考案」というらしいが, ここでは「発明」ということにする)についてのもの. 6個の請求項に分けて記述された発明のうち1個の請求項については, 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のある巻(出願以前に発行されている)に「…セロテープを貼る! …  この上に文字を書く … 字の部分だけ感光されず白く残るわけか!」と, 出願した発明と同様の発明が記載されているので, 新規性を欠くという評価を下している.それ以外の請求項については, まじめに(?)特許の公報を引用して進歩性を否定してみたり, あるいは「別に問題はないんじゃない」という評価をしてみたりしているので, 読む人が少ないであろう設例にしてはけっこう力を入れて作ってあるのだなあと, 感心.

今日は,花脊雲取山へ.すごくいい天気. 目当ての木はまだ芽がふくらんでいなかったので, 山菜として芽を採ることはできなかった.残念.その代わり, ツクシはたくさん採れた.フキの葉っぱもいっぱい食べられた.

この山には京都産業大,京都府立大,立命館大の小屋がある. うち京都府立大と立命館大の小屋の脇を通った.立命館大の小屋のところには, この小屋を作った当時のワンゲル部員と名のる人がいて, 当時の話を説明してくれた.この小屋はコンクリートブロックを積み上げてできているが, このブロック(1個 15kg)は,当時の部員が一人ずつ持って登ったものだという. つくったのは73年で,登山ブームだったので,80人ほど部員がいて, 人手でもすぐに部材を上げてしまうことが可能だったらしい. 中はけっこう広くて,座敷と土間に分かれている.屋根裏に登る階段があって, 屋根裏にも寝られる.雨や雪や風のときには快適そうな建物だ.

しかし,当時の登山ブームはどこに行ってしまったのだろう. 「合ハイ」という言葉があるくらいだから,合コンに行くように, ハイキングに出かけていたのだろう.いまは山へ行くバスに乗っても乗り合わせるのは中高年の人ばかりだし, 私の周りでは,「山に行こうよ」と声をかけても誘いにのってくれる人はあまり多くないが, なぜ学生は,若者は山に行かなくなったのだろう. 山の代わりになったものは,何なのだろう.

関係ないが,草は,木の葉と違って早くしおれてしまうので, 採ったらすぐに押し葉にしてしまうのがよいようだ.この前の山歩きでは, トリカブトらしき草を見つけたのに採ってからしばらく放っておいたので, しおれてしまって,きれいな押し葉にすることができなかった. 今日は横向きで紫の花をした小さな不思議な草をうまく標本にできたので, 後で学校で調べてみることができるはず.


■2000/ 4/27(木)

吉田戦車のマンガ「伝染(うつ)るんです」の,(確か)第5巻を読んだ. おもしろい.この作者の作品は,おもしろさが,頭でわかるとか, 笑いを誘うとかではなくて,なんか肌で感じるようなおもしろさなのだ. 普通,おもしろい,と感じる心の動きがいくら激しくなったとしても, 私の存在そのものが突き崩されてしまうようなおそれを抱くことはないのだけれど, この本は私を山月記の虎みたいにしてしまいそうで,ちょっと怖い.

そう,小学校とかのときは,思い返してみると, いまよりすべての心の動きが激しかったように思う. いまはそういうことはないけれど,その代わりに得たものも大きいので, 別に残念ではない.

また話変わって,あのころは真っ暗な部屋に一人で行くのが怖かったりしたものだ. 一人でお風呂に入っていて,「世界がこのお風呂場だけになってしまって, ドアの外側が果てしない真っ暗闇になってしまったら,どうしよう」と思ったりもした. 世界が合理的・保守的にできているということに対する信頼が確立されていなかったとでも表現すればよいのだろうか. そういう不信感がなくなったのは,私がこの世界になじんだからなのだろう.

さらに話変わって,自分より腕力が強く, 自分に対して敵意をむきだしにする者にただ一人相対したときの動物的な怖さ, というのは最近の新しい発見だ(とか言っていないで早く克服しよう>自分).

プロフィールを更新.


■2000/ 4/26(水)

延世大で買ったラジオのイヤホンが壊れてしまって,左側が聞こえなくなったので, イヤホンだけ TEAC の新しいのを買った. 実は中国製のこの短波ラジオは日本円にして2,000円ちょっとのものだったのだけれど, イヤホンは税込み924円.割合としてはけっこう高いなと思ったが,これを CD ドライブにつないで CD を聞いてみると,音が全然違う.低音もちゃんと聞こえて, 音に奥行きがある感じなのだ.さすが日本,と思って箱をよく見ると,MADE IN TAIWAN だった(^^;

雨なので,ずっと前に買ったつり用の長靴を研究室に初めてはいていったら, 「これっていつも研究室にはいてきてるのですか」「変わった靴はいてるな」などと, 興味をひいたようだ.

今日はなぜか,「米国における NPO (Non-Profit Organization) の現状」とでも題すべき lecture(全部英語)が研究室主催で開かれて, 全員参加ということで参加した.私自身は NPO にかかわっていたこともあり,関心はあるのだが, 他のメンバーにとっては果たしてどうだっただろうか.

全部英語だった.聞いていて思ったのは, これがフランス語だったら聞いてもほとんどわからなかっただろうなあということ. 韓国語だったらどうなのだろう.きれいな発音の英語だったし,集中していれば, だいたいわかったのだけれど,でも,質問を英語でするのはまだ慣れていないようだった. "What do you think..." とか,"Do you think..." とか, "In my understanding, ..." とか,"You said that ..." とか,質問を切り出すと, それにうまく続くようにしゃべらないといけないので, 後に続ける言葉を選ぶ範囲が狭まってしまって, 何か自分が拘束されているように感じる.

その点,韓国語なら,「米国では政府の役割が,……」と話を切り出しても, 後に続ける言葉の自由度が大きくて,いいですね. 最後は「と思うのですが,こういう点についてどうお考えですか」と結べばいいし.

あと Web Designing の lecture もあった.これはわかる. 日本の人たちは本をたくさん読むからだろうか,文字がたくさんあってもいいのだけれど, 英語圏では,1ページ中に選択肢をたくさん置きすぎないのがよいようだとのこと. 電車の中吊り広告も日米ではずいぶん文字の量が違うのだという.興味深い.

今日はいろいろ用事をこなしたり計算機関係の問題で呼ばれていったりして, 結局帰るときには事務室の向かいの時計が7時を打っていた. それで家に到着したのは19時30分. さらに今日はご飯をセットしていなかったので,ちょっと時間を食ってしまった. でも甘鯛を焼いておいしいご飯になった.

ゆきゆきさんのところの BBS にいつきさんが書いていて, びっくり.でも,絶対音感っていうのは,よくわからない.


■2000/ 4/25(火)

某生協食堂で久しぶりに昼食.時間がなかったので,「クイック」と呼ばれる, 一段高くなっていて,背が高くて背もたれのない椅子が並んでいるスペースで食べた. このスペースで食べるのは何年ぶりだろうか.

「組合員からのひとこと」のコーナーに「○×学部ってどういう学部ですか」という意味のことを, やや乱雑な字で書いた投書があった. 生協の人からの答えには「生協でなく大学のことなので間違えるとマズイと思って」と書いてあって, 学部のホームページのハードコピーを貼ってあった. 私ならまさに「○×学部に聞いてください」と書いて終わりにしてしまうのだけれど.

友人から大学生協の総代になってほしいと頼まれた.

生協の仕組みになじみがない方のために説明すると, 株式会社では出資者(株主)全体で構成する株主総会が最高意思決定機関で, ここで取締役を選任したり,計算書類・利益処分案の承認をしたりするのに対し, 一定の要件を満たす生協では出資者(組合員)が総代を選挙し, 総代で構成する総代会が最高意思決定機関で, 計算書類・剰余金処分案・収支予算の承認などを行う. 株式会社では議決権が1株1個なのに対し,生協では一人1個というのもポイント.

多くの3月決算の会社では毎年6月の特定の日に集中して株主総会が行われるが, 2月決算のうちの学校の生協でもなぜか毎年6月に総代会を行う. 今年は久しぶりに黒字になったそうなので,みなさん表情が穏やかになっているかもしれない. 「組合員の声を聞く」姿勢は最近実を結んでいてよいと思うのだが, ある程度重要な意思決定が組合員みんなの声を聞かず拙速に流れてしまうとしたら, 問題だと思う.これはすごくバランスが難しい問題だと思うし, 私がこのことについて何らかのことを言うのがはたして適切かどうかも,悩むところなのだけれど. あと,某まぐまぐほどではないにしても,やっぱり忙しそうだよね.

ところで,株式会社では取締役がその義務に違反して会社に損害を与えた場合, 取締役を相手取って,損害を会社に賠償するよう求める訴訟を株主が起こすことが可能(株主代表訴訟)だが, 生協にはそういう制度がない,という点が, 一部で問題になっている.うちの学校ではまさかそういうことはないと思うが, 最近,大阪でも兵庫でも生協の不祥事があったことだし, 総代には理事会の職務を監視する役割も求められていると思う.

今日は研究室を出たのは18時ぐらいだったのだけれど, その後やるべきことがいろいろあって,結局19時半に帰宅.でも, 今日はご飯をセットしておいたし,おかずも残りもの(けっこうおいしい)があったので, すぐに食べられて,よかった.熊本県から届く「豊の香」いちごも最近大きく・甘くなってきたようで, よきかなよきかな.室内で追熟させたキウイはあやしい(でもおいしそうな)香りがするのに対し, いちごは健康的なおいしさといった感じ.


■2000/ 4/24(月)

朝,なぜかみうぞう氏とリサ市代表の某氏が出てくる夢を見て,目がさめた. 今日も朝のバロック.

1限の授業は前回内容がつまらなかったため出ないことにしたのだが, 出席を取ったらしい.かつ,今後も「忘れるかもしれないが」(原則毎回)出席を取るという. レポート課題も出た.しかし今回も授業内容は私にとっては十分知っている内容が多かったようだ.

よし.決めた.レポートを出すのはやめよう.

そう言ったら,N 塚セソセイに「これで,一つ幸せになれます(ね)」と言われた. ふふ.小さな幸せだけれど.単位も C 群なのであまり必要ない単位だし.

研究室の合宿で木曽駒ヶ岳付近に行くことになった. 千畳敷までロープウェイで一気に登れるらしい. そこから駒ヶ岳の頂上まではそれほど距離がないが,準 3,000m 級だけに,しっかりした装備をしていかないと山道は危ないらしい. もっともだ.高山病も心配だ.私はいままでいちばん高いところに行ったのでも 1,900m くらいだし.

今日は Perl の演算子の優先順位の思い違いで1時間ほど悩んだが,幸い, 無事解決できた.でも,悩んでいて夕食が遅くなってしまったので, これからは「19時までに帰宅できるように帰る」を心がけよう.


■2000/ 4/23(日)

六角通麩屋町西入ルの「ばら色の人生」という意味の名前のお店で昼食.

サラダはスモークサーモンが載っていて,ヴィネグレットソース. メインは魚と肉のチョイス.魚料理が「ひらめのポワレ あさりのソース」だったので, 日本のフランス料理の特徴はやっぱり魚料理でしょう,とか冗談を言いつつ, それに決めた.

ひらめにかかっているのは酸っぱくて緑色のソースで,あさりも混ぜてある. 初めて出会った味なので,パンに付けて食べつつ考えたけれど, どうやって作るのかはわからなかった. ソースの上にはトマトが載っている.付け合わせのヌイユはオリーブオイルの味で, じゃがいもをクリーム煮にしたのはにんにくの味.いろいろ楽しめるひと皿だった.

シャンソンが流れ,壁には絵はがきが貼ってあったりサインがしてあるなど, ルヴェソンヴェールとはかなり雰囲気が違う.最近こういう店はよくあるのかも.

食後にコーヒーといっしょに出てきた「かわいいデザート」は, ワイングラスにアイスクリームとフルーツなどが盛り込まれていて, ソースアングレーズとチョコレートソースがかかっていた.つまり, 小型のパフェということだ.感激した.やっぱりデザートは大切だ.

この内容で800円(税込み)というのは,かなりコストパフォーマンスがよさそう. 遠いけれど,ちょくちょく足を運んでしまいそうだ. でも夜は 3,800円からと,高い.それだけ出すならベルクールに,とか.

レポートは何とか全部書き上げられた.

京都大学総合情報メディアセンターのユーザー問い合わせ自動応答システムがおもしろい. たとえば,一問一答の例のようになる. 知識ベースをもう少し大きくすれば,けっこう使えるようになるかもしれない, と思った.


■2000/ 4/22(土)

授業のレポートを書きに学校へ.でも,新しく買った教科書を読んだり, 用事をこなしたりと,時間がなくなって,結局レポートは書けずじまい. いま書かなければいけないレポートはいちおう3通だが, 学部時代に比べて手間のかからないレポートばかりなので, ちゃちゃっとやってしまおう.

それで,今日は近くの銭湯が定休日なので,帰宅途中に, 別の町の浴場に行った.冬の間は寒くて遠くのお風呂屋さんには通えなかったけれど, もうずいぶん暖かいので.今日行ったところは,明るくて開放感があって, 浴槽も広いのが,よいと思う.

学内には,カエデがたくさんある.今日見てみたら, ほとんど同じような場所に植えられているのに, すでに若い葉がいっぱい出ているカエデと, まだ芽のままのカエデの2種類があるのに気づいた.たぶん種類が違うのだと思う. そのうち調べてみよう.ちなみに,前者の葉っぱを味見してみたところ, あくが強くなくて,けっこうおいしかった.


■2000/ 4/20(木)

「M1 です.みしっくと呼ばれていまーす.よろしくう」と自己紹介したら, 反論の声が相次いだ.それはそうだ,研究室では本名で呼ばれているのだから.

ワインは Cotes du Rhone 96, Muscadet de Sevre-et-Maine 97, Beujolais Village 97. Cotes du Rhone って意外にコストパフォーマンスいいのかも, と思った.

中国語で日本語・日本語の文章のことは「日語」「日文」と書くけれど, 中国語・中国語の文章のことは「漢語」「中文」と書くらしい. なんで語と文で前の字が違うんだろう.

研究で使っているオークションのプログラムのデモを見たいという4回生が現れたのだけれど, いまのままではあまり見せられない内容. 週末にでももっと見栄えがするようにしなければ. あ,でもレポートが3本あるのか…….

今日の聞き間違い: 「北白川ハッキングセンター」.新しい街で文教地区の, 北白川ならではの建物で,中では毎夜,スパイシーな食べ物を買ってきては BSD のカーネルを書いたりしている,のかなあ.


■2000/ 4/19(水)

明日あさってのうちならこのキャンパスで健康診断を受けられるので, そうしないと.

某所で,侵入を受けたかもしれなかったので,パスワードを変更して,その後初めて xlock を使ったら,なぜか新しいパスワードも古いパスワードも受け付けてくれなくなってしまった. 何とも不思議.隣のマシンを立ち上げて,新しいパスワードでログインして,rlogin して kill.

研究室の昼食会は,コック長の弁当.ここの弁当は去年の11月14日にも食べたけれど,相変わらず仕事が細かくてよい. 揚げ物を取り入れた,和洋中華折衷の弁当. 飾り切りしたにんじんを煮て入れてあった.ボリュームもほどよい.


■2000/ 4/18(火)

それから活版印刷がグーテンベルクによって11世紀ごろに始められたという主張もちょっと変で, というのは, 12世紀に高麗で金属活字が用いられたことはあるけれど, グーテンベルクの印刷機は15世紀のもの.

Barnaby Rich said in 1613 that: "One of the diseases of this age is the multiplicity of books..." (Nature 262: 731, 1976) らしい. ひ孫引きだけど.


■2000/ 4/17(月)

昨日は,花脊のある山に行ってきた.山では, カタバミ,エンレイソウ,チャボガヤ Torreya nucifera Sieb. et Zucc. var. radicans Nakai,フキ,サルスベリ Lagerstroemia indica L., タラノキ Aralia elata Seem. が見つかった.もちろんアザミ属の草もあった.ほかにコシアブラ Acanthopanax sciadophylloides Fr. et Sav.(属名は安定していないらしい)らしき木が見つかったけれど, 葉がないのでわからなかった.

「この顔にぴんときたら 110 番」という表現がぴったりくるような顔をした草を見つけたので, 採取して図鑑で調べたところ,どうもトリカブト属らしかった. 花をつける季節にもう一度行って観賞したい.それから, コシアブラにそっくりだけれど葉が対生の木を発見.これは困ってしまった.

前回この山に,植物に詳しい人と来たときのノートを見てみると, ほかにシシウド,カンゾウ,クロモジ,ウワバミソウ,ヤマソテツ,ツルシキミ, ショウブらしい草を見つけた(というか教えてもらった)ことになっている. 今度行ったときはもっときちんと調べたいものだ.

前,「ヒノキとアスナロの違いがわからない」と言っていたのだけれど, どうもこれがアスナロらしいという木が見つかったので,これからは大丈夫だ.

フキは雄株と雌株があるらしい.雌株(ふきのとう)はすぐにわかるのだけれど, フキの雄株のようなものばかりがけっこうたくさん見つかったので,図鑑で見たり, 食べたりして確認したところ,フキの雄株で正しいようだった. そうすると雄株が異様に多いということになってしまって不思議だけれど, 雌株は全部人が食べてしまったという仮説が正しいとすれば,納得がいく.

予報では晴れになるはずだったが,雨は降るし,ときにはみぞれになったり, あられになったりと,なかなかワイルドな天気だった.寒かったけれど, 大雨ではなかったのは幸いだ.それと,前日の雨の影響で沢の水かさが増していて, 長靴がつくづくありがたかった.

それにしても,場所によってはシダとか普通の草とかがみんなくたっとしていて, いかにも「雪がようやく解けたばかりですう」という顔をしていた. 谷筋には雪が残っているところもあった. 花脊に春はまだ来たばかりなのかもしれない,と思った.

村ではふきのとうをずいぶん安く売っていたので,思わず買ってしまった. 帰っててんぷらにした.てんぷらの種はほかにきす,生しいたけ,なす. 薄力粉がなかったので片栗粉と強力粉を混ぜて使ったら, けっこうまともにできた.

今日は授業など.

余ったふきのとうでふきのとうみそを作った.明日からのご飯が楽しみだ.

カウンタが 5,000 の大台に乗りました. 米国株や日本株は急落しているようですけれど, このカウンタはみなさんのおかげで(-大-)いつも単調増加なのがいいですね. 単調増加だと何がいいかというと,いつ買っても損をしないということです.


■2000/ 4/15(土)

昨日の日記を何文字か修正.

3月初めにしていた ICANN の At Large Membership の申込みについて,申込みはただいま処理中との報告メールがあった.受け付け後, 郵便で PIN(暗証番号)を送付する(申込者が実在すること・住所が正しいことを確かめるためだろう)ということなので待っていたのだが, 音沙汰がないのでどうしているのかと思っていたところだ. メールによれば,1か月半あまりで 130 以上の国々から 12,000 人を超える登録があったとのこと.

ところが,その報告メールの送付先メーリングリストが, だれでも送信できる状態になっていることが判明.あいにく, 現地ではまだ夜が明けていないせいか, この文章を書いている時点ではまだ修正されていない.「Spammer(送信の申込みがないのに, 商業的メールを大量に送信する人・企業のこと) の標的になる」という声も飛んでいるが,さて.

南北問題を扱う団体,京大ユニセフクラブ(ホームページは残念ながらあまり更新されていない)の新歓冊子を読んだ. 冒頭の記事は,

わたしは人の背中に乗ったまま,
この人の首をしめつけてわたしを運ばしておきながら,
この人のことが実に気の毒で,
この人が少しでも楽になるのなら
どんなことでもしようと思っている
  ……この背中から降りなくともすむのなら
と,トルストイを引用した上で,「〈わたし〉は〈この人〉から降りなければならないか?」という命題について考えている.

この引用自体は例年の伝統なのだと聞いたけれど,今年の出色はその考察. 筆者は,この命題自体が「本当は降りたくないんだけれど, 降りなければならないのだろうか,……いや,やはり降りたくない」という答えを要求している, とみた.

それを受けて筆者は「今,あなたは人の背中に乗ったまま,この人の首をしめつけて, あなたを運ばせています」という状況に変えて,静かに, 大きく,具体的に状況を想像してみることを読者に要求している.そうすれば, 「今,あなたは,あなた自身のために,〈この人〉から降りようとしているのではないか?」と読者に問いかけている.

本当にそうだ.状況をこう変えたことで,この団体の性格と魅力が明確になった. ユニセフにほれ直してしまったかも.それに, この新たな問いを自分で考え出したのかどうかはともかく(関係者に聞いてみたところ, おそらく,筆者が自分で考えたのだろうとのこと), 詩的かつ生々しい文章にも感動した.さすがだ.

夕食に,塩たら・豆腐・白菜キムチ・もやし・青ねぎの煮物を作った. 一味とうがらしを振り入れすぎてちょっと辛くなってしまったけれど, 何か懐かしい味だった.


■2000/ 4/14(金)

研究の話.ゆうべ寝るとき,日本の誇る経済学者, 宇沢弘文(知る人ぞ知る『自動車の社会的費用』の著者でもある)の本のコピーを数ページ読んでいた. そうしたら,昨日私が新発見だ,と思って夢中になってしゃべったことがかなり間違っていることに気づいた. 経済学の知らない分野の本を数行だけ読んで, その数行を理解したつもりになってはいけない,ということだった. でも,Edgeworth 過程(ミツマタとはとりあえず関係ない)はすごい! ということがよくわかったので, それはそれで楽しかった.もちろん Walras の tatonnement (模索過程)ほどはすごくない面もあるはずで, そういう点で直ちにある予想をしたのだけれど, もちろん定式化と証明はだれかがもうやっていることだと思う.

朝は学校で新歓の黒板書きをするため,7時すぎに家を出た.まちの匂いが, 夏のある朝に,ソウルの中心部の,ある宿から出たときにしていた匂いと似ていることに気づいた. でも,匂いは私には文章で書けないし,もちろん楽譜にもならないので, どんな匂いだったのかはいまの私以外には理解されないのだろう.

それで,黒板書きに行ったら,8時前なのに黒板はほとんど埋まっていた. すごい.

昨日の朝いろいろな掲示板に貼ったビラのほとんどが, 上に別の団体のビラが貼られて見えなくなっていることを発見.さすが. っていうかみんな節度を持って貼るようにすればみんな幸せになれるのに. 古典的な経済学でいう「コモンズの悲劇」だ.

それで8時すぎ,研究室のある建物のところに来たら, 別の研究室の博士課程にいる友人がちょうど来たところだった. 「早いね」と言われた.お互いさまだ.なんでこんなに早く来たのかと聞いたら, 今日は出席取りなのだと言う.

お互いさまと言えば,博士課程に進学したばかりのこの友人には, おととい,「進学おめでとう」とも言われている.おもしろい人だ.

最近,人生 (my life) について考えることが多い.人生といっても, 過去のことを振り返るよりは,未来についての思索が中心だ. 人生は,よく旅にたとえられる.もちろん,それは往復の旅行ではなくて, ある意味一方向のものだと思うから,可能なたくさんのオプションのうちどれを選び取るのかは, 慎重かつ大胆に決めたいものだ.

雑誌『bit』の4月号の記事に,中谷宇吉郎が, 「研究には『警視庁型研究』と『アマゾン型研究』がある」という意味のことを書いていた,と書いてあった. 中谷宇吉郎は知る人ぞ知る雪の結晶の研究をしていたけれど, 私にとっては研究者としてよりむしろエッセイを書く人として親しみがあって, 暮しの手帖の創刊まもないころの号とかに書いたりもしていた人. 警視庁型というのは,すでに存在はわかっている犯人を, いろいろな証拠とかから理詰めで追跡していくような研究, アマゾン型というのは,おもしろいことがあるのかどうかもわからないような未踏の地を無手勝流で全探索していくような研究をいうらしい. おもしろさからいったらアマゾン型が上なのだろうけれど, 結局私たちのやっているのは警視庁型でしかないのだろう.

Ilex macropoda というのがある一方,Magnolia grandiflora というのもある.macro-grandi- はどう意味が違うのだろう.


■2000/ 4/13(木)

7時まで NHK-FM でやっている番組,「朝のバロック」. いつもはそれを聞くにはちょっと起きるのが遅すぎて, 聞きたいと思いつつ聞けていなかったが,昨日・今日は早起きしたので聞けた. バッハのブランデンブルク協奏曲とか,テレマン, クープランなどの作品をやっていた. やっぱり私の基礎を作ったのはバロックだなあとしみじみ.

ノルウェー産の塩さばは,脂がのっているので, いつもよく焼いてそのまま食べている. さばとたまねぎというのはよく知られた取り合わせだけれど, 生のミニトマトを合わせてみたところ, ちょっとご飯のおかずには強すぎた塩さばの味が, ミニトマトの個性的なさわやかさと調和して,ほどよくなった.新発見.

学校で新しく使うことになった Vine Linux のマシンは,当初設定されていたウィンドウマネージャは Afterstep だったが, いろいろ不具合があったので,いつも使っている fvwm 系の fvwm2 にした.

金素雲の詩が読みたい.時間があれば.金素雲は,韓国の詩人で, 私が読んだことのあるのは尹東柱とかより明るくて, 口ずさめるような感じの詩.


■2000/ 4/12(水)

授業開始.時間割表が渡されたのは昨日だが, ゆっくりプランをたてる暇もなく,いきなり授業が始まった. その合間にも研究会があって,発表に当たっていて. 走りながら考えるというのは私は苦手なのだとわかった.おかげで, 授業のメモを取る紙のノートの新しいのを持ってくるのを忘れてしまった.

研究との関係が深いので,経済学はちゃんと勉強しておきたいものだ, と思いつつ,完全に合法(このフレーズにピンときたあなたは通ですね. 「適法」でないのがポイント)な手段で入手した, 経済学研究科の講義概要を眺める.

先生の発案で,研究室の昼食会は東天王町東南東の哲学の道で花見となった.

桜の下,下鴨の「福助」から取り寄せた弁当をみんなで食べた. 哲学の道のすぐ脇とあって,横を多くの観光客が通りすぎていく. 視線が集中するのがちょっと恥ずかしかった.

でもこの弁当,さすがいつものとは違うと思った.中でも炊き合わせが絶品だった. さといもは六方にむいてあって,甘味を勝たせて,酒・だしも十分にきかせて煮てある. 鶏のすり身にごぼうなどを入れて薄揚げで巻いたのは,たっぷりした味でおいしい. ほかに桜の形に作った生麩,ゆばなど,全部で7種類の具が, それぞれ違う味で炊いてあった.

ぶりと思われる魚の西京漬けは,うちで作る漬け魚よりたぶん材料もよいのだろう. バランスのとれた味に仕上がっていた.ただ, 炊き込みご飯が不必要に味が濃すぎたのと,たくあんが鮮やかな, 化学的な色合いだったのは,残念だった.すいかの奈良漬でも入れてほしかった.

唐突だが,今年度の私の目標は,「研究に打ち込む」にすることにした. それで,日中は M1 なのでどうしても授業に忙しくなる. だから,研究はできれば朝早くに来てできるといいなあと思った. さっそくあしたからやってみよう.

このホームページのディレクトリ構造をちょっとだけ変更して, シンボリックリンクを使うようにして,「今月の日記」に直接リンクを張っても, 毎月リンクを張り替えなくてもいいようにした.


■2000/ 4/11(火)

入学式.昼食を食べにいったまどいは,そのせいか,やはり満員. でも12時にしてランチがすでに売り切れというのは不満のある向きもありそうだ. 後ろの席では30代くらいの男性が韓国語で大声で政治経済について語っていた. ほとんど聞き取れなかった.しゃべり方からして, ソウルではなくもっと南の方の出身の人のようだ. 政治経済といえば南北首脳会談だそうで.急な話だ.

入学式での総長の言葉は卒業式と比べておもしろくなかった.

附属図書館に JIS X 0213:2000 の規格票が入って,うれしい. この規格が実装されれば,いままで使えなかった漢字が使えるようになるし, インターネットのメールや WWW でも丸付き数字とかハートマークが特殊な工夫をすることなく使えるようになる.

夕食にさよりの刺身を買って食べた.さよりは刺身では食べる習慣がなかったので, 食べたのは初めて.ちょっと量に比べて高いけれど,味が濃い魚だなあと思った. でもさよりの干物みたいな味もする.


■2000/ 4/10(月)

今日は4回生を対象にした研究室紹介.

うちの研究室はどういう目的でどういうタスクがどこで発生し, それがどういう権限委譲でだれによって行われているかがみんなに見えていないのが欠点だと思う. リサ市実など,学生の団体の方がその辺はよほどしっかりしている. その辺がしっかりしていないと,不意打ちを受けて「聞いていない」と官僚的に言うしかなくなってしまい, よくないと思う.せっかく情報学をやっているのだから, グループウェアみたいなもので解決できるはずだと思うのだけれど.

それはともかく,今日は Dell のあるマシンに悩まされた. このマシンは,マザーボード上にビデオカードが載っているのだが, 普通のモニタの代わりにエプソンのプロジェクタをそれにつなぐと,起動時に BIOS チェック段階で止まってしまう.普通のモニタをつないでおき,Windows が起動してからプロジェクタにつなぎ代えると,表示はされるけれど, マウスポインタが動かず,キーボードの入力にも反応しない. どうやらマシンそのものがフリーズしてしまっているようだ.さらに不思議なことに, 再度プロジェクタの代わりに普通のモニタにつなぐようにすると, 正常に動作するようになる.これは不可逆性を特徴とするコンピュータの世界では例外的なことだと思う. とっても深いところで相性が悪いようだ.

ずいぶん悩んだが,別のマシンを使うことにしてひとまず解決.

15時ごろからだろうか,けっこう強い雨になった. ゴアテックスの雨具が活躍しそうな雨だ.こんなとき, 山の中で一人で時間を過ごすというのも,趣がありそうだ.

研究室で発表の予稿など書いているうちに, 某プロジェクトで研究室で仕事をすることになった三洋電機の方が, あいさつにチョコレートを持ってきた.メリーチョコレートの Esprit de Mary. いろいろなフルーツやナッツ,クリームといっしょにしたチョコレートは久しぶりでおいしい. 自分で作ろうと思ったらけっこうな手間だ.リンツの After Eight というミント入りのチョコレートはちょっといただけないが, 今日食べたチョコレートはたまに食べるなら悪くない.


■2000/ 4/ 9(日)

Netscape4 で満足していたら,最近は Netscape6 というのもあるらしい. その Linux 版が FreeBSD 上でも動くという(参考: [FreeBSD-users-jp 51061] 桂島 直人さんのメール).もっとも 4.0 ベースでないとだめらしい.うちは 3.1-RELEASE なので無理なのか.

府立植物園に行った.花見のシーズンの日曜日とあって,すごい人出.

レンギョウ問題を解決した.枝のしなり具合と, がく片の大きさで区別できるようだ.

アンズ Prunus armeniaca L. が,サクラ同様,花を付けていた. ソメイヨシノよりも花の色が濃くて,がくまで濃い赤になっている.

学内によくある,例の葉が大きくて厚くて葉の裏面が茶色い木は,タイサンボク Magnolia grandiflora L. ということがわかった.

ミツマタもあったし,ヒイラギナンテンも,なんか似つかわしくないけれど, 花を咲かせていた.サンシュユ Cornus officinalis Sieb. et Zucc. の黄色くて小さな花はなかなかよい.

建物の中では盆栽展をやっていた.盆栽は,自然を相手にするものだから, 制約がきつくて,でもとことん手を加えてしまう,というのが見ていておもしろい. 盆石や生け花と共通するところがある.

リンクに Y's square を追加.


■2000/ 4/ 8(土)

学校で使うことになったマシンは,Windows 95 と Vine Linux のデュアルブート. のはずなのだが,なぜかブートローダが Windows スタンダードのもので,これまで Linux 側の起動に成功していなかった. 前に使っていた人は,Windows パーティションに置いてある DOS コマンドのローダ(FBSDBOOT.EXE みたいなやつ)を使って起動していたらしいが, なぜか Windows が MS-DOS モードで起動しない.今日は DOS フロッピー(正確にいうと,Windows 95 の起動フロッピー)を使って, DOS モードにして,そのローダを実行してみたところ, 試行錯誤の後,起動に成功.

しかし,これではあまりにもへちょいので,N 塚セソセイが高機能なローダを入れてくれた(確か GRUB という名前のローダ).N 塚セソセイが数々の呪文を唱えると,あら不思議,MBR が書き換わって,リブートするとどちらの OS もきちんと起動できるようになった.

助手の先生は「ああ(ディスクが)SCSI だからブートが面倒なのね」と理解してくれたのだけど, 私には何が面倒なのかいまだに理解できない.Linux の世界は深いなあ.

使ってみると,Afterstep とか Netscape4 とか Acrobat Reader とかがすでにインストールされているので,ホームの下のドットファイルを整えれば, 生活環境として申し分のないものになりそうだ.何も設定しないでハングルが表示できるのは当然としても, Netscape4 や Acrobat Reader がストレスなく使えるのはすごくいい.

あれっ,せっかくのデュアル CPU は活かされているんだろうか……. Windows 95 ではもちろん片方しか使わないはずだけど,Linux では?

4年前の私なら FreeBSD の SMP 対応カーネルを作って入れてしまっただろうけれど, いまはなんとなくやる気がわいてこない.

京都生協のお店に行くと,鶏のから揚げの試食をしていたので, 食べてみた.標準的なから揚げの味.ただ,とにかく塩味が濃くて, 買う気にならない(どっちにしても初めから買う気がないというのが本当だけれど, それは大目に見てほしい).ここのお店のそうざいや弁当はとにかく塩味が強い. 普通のスーパーでもそうらしい.みそ文化の中心地で生まれ育った私の頭の中で成り立っていた, 「京都=薄味」という方程式は,全然正しくないのだ, ということに改めて気づかされた.

夕食はほたるいか.当たり前だが,軟体動物的な味.もちろん生で食べてはだめ. ボイルしたものを求めて,からし酢みそで食べた.それと, ほうれん草をお麩(もちろん焼き麩)と煮たもの. いつもなら豆腐と煮るところをお麩にしてみた煮物はやさしい味になった.


■2000/ 4/ 7(金)

銀閣寺道付近の植え込みにサクラに似た高さ 70cm くらいの低木があるのを見て, 何だろうと思った.樹皮はサクラにそっくり.葉は出たばっかりで小さいけれど, きょ歯がちょっとだけ二重きょ歯っぽくって,これもサクラに似ている. 花も咲いていて,ばら科の花.何だろうと思っていたら, ユスラウメ Prunus tomentosa Thunb. だという声があって, 調べてみたらなるほどそのとおり.ユスラウメはもっと背が高いイメージがあったので意外だった.

最近,うちの近くでも,堀川通りでも,その他至るところで, 葉っぱが小さくて,白い小さいばら科の花が鈴なりに付いて咲き出している, そういう庭木があって,注目していた.ちょっと前までは落葉していたので, 対照的なおもしろさを感じた.友人と調べて,シジミバナ Spiraea prunifolia Sieb. et Zucc. かと思ったが,詳しい人に聞いたところ,近縁種のユキヤナギ Spiraea thunbergii Sieb. らしい.この名前は聞いたことはあるのだけれど, 顔と名前が一致してうれしい.

午後,新入生の人たち11人その他総勢21人で,大文字山ハイク. わたし的には今シーズン初大文字山.楽しい.火床からはもちろん妙法, 左大文字とかも見えて,五山送り火の解説をした. あと頂上にも行ったし.新入生たちと話してすごく楽しかった. さすがに今年は特にどこの団体にもコミットしていないので, あまり勧誘とかではなくて,学内のいろいろな団体のこととかを気楽にお話していた.

鹿ヶ谷からの登山口付近にキイチゴを見つけた.詳しい人はクサイチゴ Rubus hirsulus Thunb. だという.花が咲いているだけ. 葉脈が羽状脈で,葉の葉脈以外の部分よりへこんでいて立体的に感じられるところは, カバノキ科とかと似ているけれど,もちろん違う点はたくさんあって, 葉は柔らかくて小さくて,毛があって,きょ歯がやや細かいのだ. ここまではキイチゴ属の共通的な特徴だと思うのだけれど, おそらくこの種の特徴だと思うのは,葉の裏面の,主脈というのだろうか, まんなかに一本走っている葉脈だけにとげがあること. 図鑑には「中肋にとげ」と書いてある.実がついたら食べに行きたい.

哲学の道には花木が植栽されていて楽しい.和紙の原料にするミツマタ Edgeworthia papyrifera Sieb. et Zucc. が黄色の花を付けているのを発見. ミツマタの花は初めて見る.じんちょうげ科だけに,ほのかにいいにおいがする.

レンギョウ属 Forsythia の花もひっそりと咲いていた. 友人は朝鮮半島原産のチョウセンレンギョウ Forsythia koreana Nakai だと言うのだけれど,中国原産のレンギョウ Forsythia suspensa Vahl. とか同じく中国原産のシナレンギョウ Forsythia viridissima Lindl. というのもあるらしく,どれも日本で植栽されているらしいし,そっくりなので, 同定はしばらくおくことにした.チョウセンレンギョウは韓国を象徴する花の一つで, 向こうではケナリという.よく詩にうたわれる. いちおうヤマトレンギョウ Forsythia japonica Makino なんていうのもあるらしい.でもこれは「中国地方の山地にまれに自生」だそうだ.

学内でバーベキュー.私の持参したチリの赤ワイン Chateau Los Boldos はあまり評判がよくなかった.確かに,新大陸によくあるような, 厚みに欠けるワインだった.もう一つ, ワインを飲み慣れない1回生中心だったということもあるかもしれない. あとは白はカリフォルニアの Anthology. 料理に合うくらいのほどよい甘さがあるのが,日本酒のようでもある. でももちろんぶどうの味がするので日本酒より私は好きだ. なぜか升(木でできた箱型の容器)で飲むことになった. 普通のコップと違って扱い慣れていないので飲みにくかった.

ここ3か月ほど新大陸ワインばかりなので, 今度はボルドーのワインを仕入れてこようと思った.


■2000/ 4/ 6(木)

今日はすごくいろいろなことがあった一日だった.でもまだあまり書けない. 10年くらいしたら「みしっく回顧録」とかいって出すかもしれない.

教授の先生とミーティング.先生の受け持つ学部4回生の授業は「十数人しか単位を取りにこないので, キレて,今年はゼミ形式にしました」とのこと.内容・講師のリストを見て, 最終回の情報工学談話会にあの嶋正利さんが来るのを知ったときくらい, 驚いた.さすがだ.

愛って何だろう,と久しぶりに疑問に思った.やっぱり浮気はよくない. でもそう知っていつつ浮気してしまうのが人間の弱さなのだろう. 「愛が人を苦しめる」というのは,私の周りの言葉の定義では「ストーブで部屋を涼しくする」と同様の矛盾としてとらえられるのだけれど, 反面,世の中とテレビドラマには満ちあふれている現象だ. たぶん「愛」と「期待」とを切り離して考えればよくて, その「期待」が裏切られたところに苦しみの源があるのだと思うけれど. でもよくわからない.

と書くと誤解する人がいるかもしれないので,宣言してみる.

浮気はしていないし,今後もしません(きぱし).


■2000/ 4/ 5(水)

かますご(という魚)は,いままでよく小松菜と煮ていたけれど, 多めのねぎと煮てみたところ,これがおいしかった. かますごはちょっとくせがあるので,ねぎと合うようだ. かもねぎならぬ,「かますごねぎ」.

今日は暖かかったので,今シーズン初アイスクリーム. ハーゲンダッツのバニラ.某寮方面から「洋菓子研究会を名のるならアイスぐらい自分で作れ」という声が飛びそう. 実はシャーベットを作ったことはあるけれど,アイスクリームを作ったことはない. 最近,いろいろ冷凍能力が上がったので,夏になったら作りたい. おそらくシャーベットと同じで空気をどうやって含ませるかがポイントになるのだと思う. ハンドミキサーがフル活躍だろう.バニラ買わなきゃ.でもちょっと高いのがネック.

民法におもしろい(けれどもあまり重要でない)条文を見つけた.

828条 子が成年に達したときは, 親権を行つた者は,遅滞なくその管理の計算をしなければならない. 但し,その子の養育及び財産の管理の費用は, その子の財産の収益とこれを相殺したものとみなす.
829条 前条但書の規定は,無償で子に財産を与える第三者が反対の意思を表示したときは, その財産については,これを適用しない.
830条 無償で子に財産を与える第三者が,親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは, その財産は,父又は母の管理に属しないものとする. (2項以下略)
子どものない独身の伯父さんが,かわいがっていたおいっ子に自分の持っている不動産をぽんと遺言でやることにしたが, その両親がいまひとつ信用できないし,その両親のやっている事業の成り行きがどうも怪しくて, 放っておくとわが子の財産までつぎこんでしまうんじゃないかと懸念している, なんていう図が目に浮かびますね.管理の計算をしなければならないというのは, 具体的には貸借対照表や損益計算書などを作ればよいはず. でも「親権を行った者の子の財産に関する計算書類」などというものの実物は, 見たことがない. 珍しいといっても夫婦財産契約の登記例なら本で見たことがあるのだけれど.


■2000/ 4/ 4(火)

研究室の模様替えの日で,10時から始めて,夜まで作業.

私の行き先の部屋に限っては,先月に模様替えをしたばかりのはずで, 二度手間になる.なぜ先月に模様替えをすることになったのかは不思議だ.

机の下では電源ケーブル,Ethernet ケーブル, その他もろもろがからみあっていて,ほどくのが一苦労だった.

途中で 100BASE-TX(Ethernet の規格の一つ)の短いクロスケーブルがいりようになって, 急きょ私が作ることになった.Ethernet ケーブルを作るのは初めてなので, 説明の図をよく読みながら作業したが, 図の読み方を間違えて配線を左右反対にしてしまったり, 圧着するとき芯線が十分奥まで届いていなかったりして, 4回失敗し,5回目でようやくうまくいった. うまくいったときはすごくうれしくなった.

研究室に Hediard の pate de fruits が置いてあった. だれかからの旅行みやげだろう.果汁をペクチンで固めて果物の風味をぎゅっと閉じ込めた, 甘いお菓子だ.赤いのはラズベリー,だいだい色のはアプリコット, 濃い赤紫のはブラックカラントかと思ったら,ブルーベリーだった. まわりにまぶしてあるグラニュー糖の粒も食感に変化を与えてくれた.

うちでもペクチンさえ手に入れば,みしっくならではの果物でこのお菓子を作ることができると思う. そのうちやってみたいものだ.


■2000/ 4/ 3(月)

昔,特に96年ごろから98年にかけて, 勝手に送りつけてくる英語の宣伝メールがけっこう頻繁に届いていたので, 文面から判断して,そういう宣伝メールを自動的にはじくフィルタを作成して, いまでも使っている.フィルタを通らなかったメールは私の目に触れずに別のフォルダに落とされる.

ところで,最近オークション関係の研究をしていて, 英語のメールをやりとりすることがあるけれど, そういったメールもはじいてしまうという不具合があることがわかった.

そういう研究関係のメールは,pay とか auction とか price とか $ とか legal といった怪しい単語などがたくさん含まれていることが多いので, フィルタが「これは『あなたもお金がもうかる』系のメールだろう」と判断してしまうためだ.

これは本当は難しい問題なのかもしれないけれど,今回に限っては, ちょっと書き換えればなんとかなる気がする.

フィルタといえば,某 Microsoft が Microsoft Y2K information というサブジェクトで送ってきたメールが,ISO-2022-JP でかつ quoted-printable エンコードされていたため,エスケープシーケンスの中の $ がたくさんフィルタの条件にヒットしてしまって, はじかれたということもあったけれど,これは別の話. これは半分こちらが悪いが半分向こうも悪いと思う.


■2000/ 4/ 2(日)

しみじみ みしみし,みしみし しじみ.

名前について.名前は名前でも,NetHack でいうところの call ではなくて name の方.

学校で使っている印刷機,リソグラフには, 「フランソアラ」という名前が付いている.今日は「印刷機」とか「リソグラフ」とかいう名前は置いておいて, 「フランソアラ」だけについて考えたい. 前代の印刷機は「フランソア」だったらしい.

昔会ったことのある野生生物好きなある人は, 愛用の自転車に「ヒカゲノカズラ号」と名前を付けていたという. ヒカゲノカズラとは,しだ植物のある大きな分類の名前.

私の在籍していた学部には「1号館」から「11号館」くらいまでの主な建物がある.

まぐまぐで新しいマシンの設定をして,rhododendron(ツツジ) という名前にしたら,総すかんを食らった.

敬ちゃんの使っているマシンは keichan という.

だいぶ昔の話だけれど,インテルの 486 CPU の次の CPU はコードネームが「P5」で,本名は「Pentium プロセッサ」ということになった.

私が家で使っているマシンの名前は,導入年代順に, 「VX」(PC-9801VX21 だから),cc(NetNews の fj.* に だれだれ@cc.どこどこ という形のアドレスで投稿している人が何人かいてかっこいいと思ったから), miletos(都市名シリーズを始めようと思って). salix(ヤナギ)なんていうのもあった.次にマシンを入れるとしたら, castanea(クリ)とか hibiscus(ムクゲ)なんていうのもいいなあと思っている.

私が研究室で使っているマシンの名前は,phoenix. ほかに moorhen(バン), magpie(カササギ),peacock(クジャク)などがあるらしい. もっとも,これらの名前は私の家と違って,IP アドレスに結びついていて, マシンの更新とともに名前が継承されていくらしい.

世の中に存在するありとあらゆる物や概念に固有の名前を付けるというのは楽しい(そして, しばしば危うい)ことだと思う.人に(ほとんど常に複数の)名前が付いていることには, だれも異議を唱えないけれど,携帯電話に名前を付ける人は少ない.

計算機とかに付ける名前は,「地名」「植物の名前」「単位名」「アニメのキャラクターの名前」「宝石の名前」など, すでに存在する(別の種類の物や概念に対する)名前のファミリーから転用することがほとんどだと思う. ns, sh, www など,機能からとった名前も多い.

人に付ける名前は,日本では,本名が「人の名前」ファミリーからとったものか, それを組み合わせて得たもので,ニックネームは自然発生か, 独自の創作のことが多いようだ.「みしっく」は私による独自の創作.

「ポチ」「タマ」などは「動物に付ける名前」ファミリーなのだろう.

私は,こと自分の机に置いて使ったり,いつも持ち運んで使うメインのマシンには, ほかのものの名前を転用するのではなく, 独自の創作か少なくとも「計算機の名前」ファミリーの名前を付けてこそ, 計算機への愛着が増して,本当は楽しいのだろうな,と思う. 面倒なことではあるけれど.

ああ,今日も現象を追ってしまった気がする. でも理論は経験を積み上げたところに得られるのだろうから無駄骨ではない,と信じたい.

繁華街に出て,ジャムを計5びん買った. 市役所前広場では毎月恒例のフリーマーケットをやっていた. 山用品店「ロッジ」で防水マッチを買った.


■2000/ 4/ 1(土)

リサイクル市当日.朝7時に集合して,提供する物品の整理・確認を昼まで. 12時の抽選開始後はまたたく間に物品の数が減っていく.12時以降は, もらい手が決まった物品の配送申込みを受け付けるカウンターにいた. 今年は配送受付では大したトラブルもなく無事にサービスができた. 配送希望者が例年より少なくなったのも影響していると思う.

こういうイベントは,ペンやはさみなどこまごまとしたものから書類, 車の鍵や机まで,必要な品物がたくさんあって, それをいつどうやって配布・回収するのかというのがきちんとしていないと, ストレスがたまる.今回は備品リスト,マニュアルなどが整備されていたので, その辺で問題がほとんど発生しなかったのが,よかった点だと思う.

あとは,今年こそ報告集を作って,リサ市のノウハウを後輩に伝えていくことができればいい. もちろん打ち上げもしたい.

エイプリルフールで,まぐまぐがお公家さんバージョン「まろまろ」になっていた. ちょんまげを付けて「まげまげ」になっていた去年に続くもの. ところで,タイトルの間にあるまろまろの GIF ファイルって, 実はアニメーションするんです.もっというと,まばたきだけじゃないんですよ. さっすが松原(ひろみ)さん.


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★ひとこと目次 ◎ほーむ