みしっく今日のひとこと - 1999年11月


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★ひとこと目次 ◎ほーむ


■1999/11/30(火)

牛肉の赤身を 100g 買ってきて,ステーキにした.それと,赤ワイン. 食後にはブリー(よく売られている白かびチーズの一種).

ワインは取っておけないので,一人で飲むとなるとハーフボトルでは多すぎて, どうしても 180ml サイズのものに限られてくる.このサイズは, 怪しげなワインが多いが,そのうち比較的まともなサントリーの Reserve 赤にすることにした.デリカメゾンはちょっとためらうし, Bon marche と Reserve とを比べると Reserve の方がおいしく感じる.

なお,白やロゼについては飲み比べていない.今後の課題としたい.

でも,Reserve とか Bon marche って,名前負けしてるよね.

準備を始めて30分ほどで,テーブルも狭しと,山海の珍味が5皿も並んで, 思わずうっとり.ステーキが淡白な味になってしまい, ワインに負けてしまったのはちょっと残念だったが, レーズンパンを軽くトーストしたものにチーズを載せると, ワインとの相性は完璧だった.


■1999/11/29(月)

最近,かっこいい人と,おしゃれな人に出会った.

前者は,行動様式や話し方がとてもかっこいい人だった. 映画に出てきそうなぐらい.そのすばやく発することばは,切れ味が鋭く, スダチの果汁のようにさわやかだ.かといってきざではないし,軽薄でもない. こういうタイプの人は私の周りにあまりいなかったので,新鮮だった.もっとも, 私は頭の回転が早くない人なので,そういう人はちょっと苦手かもしれない.

おしゃれな人は,もちろん知り合いに何人もいるのだが, 一人一人に,それぞれの装いが似合っているのを見ていると,楽しい. にぎやかでなくて,それでいてセンスがよいのは,本当に趣があることだと思う. いろいろ考えて選んでいるんだろうな,とか. 自分の身だしなみにこだわるということも, 自分を大切にすることなのかもしれないと思った.
私もそろそろ新しい服を買わなければ. 中国語の釜谷武志先生のようにたくさんはいらないけれど, 私に似合っていて品質のよい服がいくつか買えるとうれしい.


■1999/11/28(日)

京都大学野生生物研究会の年刊誌,『やけん』16号を読んだ.200ページを超す大部の冊子. なんか,生態観察つきの旅行記がたくさんという感じ.屋久島, 冠島(若狭湾),ベトナム,マレーシア,タイ・ラオス,チベットと盛り沢山だ. 鳥類,昆虫,両生類・爬虫類,オランウータンなど, さまざまな動物に対する思い入れが行間から伝わってくる.

それはさておき,最近,ふたばがき科の木に興味がある.

うちで使っている図鑑には科そのものが載っていないので, おそらく日本には自生していないのだと思う.

混交ふたばがき林として,熱帯にたくさんあって, 現在さかんに伐栽されていっていて,問題になっているらしい.


■1999/11/27(土)

バイオマス産業社会ネットワーク設立シンポジウムを聴きに, 国立京都国際会館へ.比叡山が真っ赤に燃えていて美しい. このシンポジウムは日本・ブラジルネットワークなどの主催によるもの. ダイムラー・クライスラー社で燃料電池プロジェクトの統括責任者をしている Ferdinand Panik 氏をはじめ,ブラジル・パラ州の POEMA 計画の関係者と, 日本の研究者などのパネルディスカッションが内容.

ブラジルのメルセデス・ベンツの現地法人では,車のヘッドレストに, ココナッツの実の繊維を加工したものを使っているのだとは,Panik 氏に聞かされるまで知らなかった.天然素材はプラスチックと異なり, 再生可能資源である,加工が環境親和的に行える, リユース・リサイクルしやすいという特徴があることで,導入され, いまではほとんどのプラスチック製部材の代わりに使われているという.

ブラジルは農地の利用が粗放(手をあまりかけない)で, 資源収奪的になりやすい.それで,森林破壊を食い止めるためには, モノカルチャー(単一作物栽培)でなく,有用樹木の混植をして, 農・林産物にその農村で付加価値をつけて出荷することが必要なのだという. そうすれば換金作物と食料がいっしょに取れてその地域が豊かになることができる. ココナッツの素材を利用しようとするのでも, ココナッツのプランテーションを作るのでは意味がないということだ.

南の農村が貧困から抜け出すための方法としては, フェアトレードと発想がいろいろな点で似ていて,興味深い.

さらに今後は燃料電池(車に使う)の燃料をバイオマスでまかなうことを計画しているという. 楽しみである.

いままでの先進国の発展途上国との関わり方と違い, 大規模な開発を行うというのでもなく, 先進国の大きな企業が直接工場などで現地の住民を労働者として雇うのでもなく, かといって一方的に環境を保全しようとして現地の住民と摩擦を生むのでもなく, 住民のイニシアチブを大事にする commercialism ということで, 住民・企業・行政・研究機関のパートナーシップがうまく築けていて, 各当事者にとって利益になるという点,うまく作ってあると思う. よそでも・私にとってローカルな場所でも応用できないか考えたいものだ. 「日本の中にも南北問題はある」のだし.

日本には熱帯ほど有用樹種(特に,食べておいしい樹種)が多くないのは残念だが, 自然農法とかもあることだし,いろいろやってみたらおもしろいと思う.

また,Cultural ecological village という試みも注目される. 伝統文化と景観・生態系を一体として村人の自発性によって保全しようという試み. 中国の雲南などで始まっているという.

もちろんダイムラー・クライスラー社が天然素材をプラスチックの代替として使うことに踏み切ったのは, 環境規制,環境保護を求める世論がきっかけになったのだとは思う. そういう動きは日本でも出てきているし,そういう方向に行かざるを得ないので, 今後は日本車でも天然素材を使うようになることは十分考えられる. 私はあまり乗らないかもしれないが,そうなるのが待ち遠しいものだ.

かき・豆腐・春菊を薄味で煮てみた.かきからだしが出ておいしい. しかも手間がかからない.

その煮物と,麦ご飯とで,幸せな夕食を.この1週間,ずっと忙しくて, ご飯を炊かず,パンとかラーメン(でもインスタントじゃないよ)しか食べてないので, 久しぶりでうれしい.

ブックマークを追加・更新.


■1999/11/26(金)

奇妙な封書が米国アラスカ州ノースポール (North Pole) から届いた. 宛名には確かに私の住所と名前が書いてある.

中には書簡と,Deed(捺印証書)と題した文書,シールなどが入っていた.

書簡は,サンタクロースから送られてきたという形式になっていて, 「ノースポールからこんにちは」とたわいない内容が書き連ねてあるだけだ. 一方,Deed と題した文書がおもしろかった. 内容は,概略「

を証する」というもの.サインが二つ印刷されていて, 同法人の法人印と称する浮き出し印(というのか?)が押してある.

何しろ面積が1平方インチなので, 内容がフィクションかどうかはどちらでもよいが, そもそも私は1962年にはまだ生まれてもいないことは指摘しておきたい. それに,「甲は乙に,合意され乙によって直接 (in hand) 支払われ……た金額を約因 (consideration) として, その金銭と引き替えに,……を譲渡する」とあるが, そんなお金を支払った覚えはない. それはともかく,読みごたえがあって,楽しい文書だった.

第一に, 英語の文化では(きっと他のヨーロッパの言語でもそういうところが多いのだろうけれど), 契約書などの法律文書は構造として1文で書くというのがしきたりになっているようで, やたらと that 節だの形容詞句だのが出てきて, 構造を読み解くのに手ごたえがあった.本文は,思いっきり略すと

THIS INDENTURE, ... WITNESSETH: that the said party of the first part ... does hereby grant ... unto the party of the second part, ... the following described land ... described as follows: ....
Reserving .... TO HAVE AND TO HOLD, ..., forever.
IN WITNESS WHEREOF, ....
という構造になっているのだけれど,内容的には IN WITNESS WHEREOF, the corporation has caused this Deed to be signed ... and its corporate seal to be affixed there to, .... 「これを証するため当法人はこの証書に……署名させ印をおさせた」以前が全部1文になって前へ前へとかかっていっている.

第二に,英語の法律文書には「同じような・または冗長な用語をいくつか繰り返す」という特徴があるようで, たとえば「譲渡」を grant, bargain, sell, and convey と書いているし, 「にある」は situate, lying and being in となっている. この二つの特徴がこの文書を読みごたえのあるものにしているようだ.

この deed と同じ紙の外側には, 「内側の文書にサインした人は記載の法人を代表して内側の文書を作成した」という意味の長い文章が印刷されていて, アラスカ州公証人と称する人物のサインと浮き出し印がしてある. この文書もやはり1文プラス「これを証するため……」の合計2文で構成されていて, 読みごたえがある点では deed と似ている.

こんな文書を送りつけようとするのは,もちろん私の友人に絞られる. この夏アラスカに行ってきた T さん,あなたしかいない. すてきな(?)クリスマスプレゼントをありがとう.


■1999/11/24(水)

学園祭が終わった.

学園祭では,意外な友人・知人に再会できたり,知り合いを増やせたり, 調理技術も学べたりして,楽しいことは多かった.

反面,企画の準備が不十分だったり, 私に本来期待されている役割が果たせなかったりして, いろいろな方面に迷惑をかけたこともあった.その点は今後の課題としたいところだ.

話変わって,私は今年度,京都大学工学部11月祭実行委員会のスタッフをしている. 昨日23日は同委員会主催でシンポジウム「2000年問題で日本に何が起きるのか?」が開催され,その当日スタッフとして働いた. このシンポジウムではスピーカーとして

を迎えて,講演・討論をお願いした.参加者はスタッフを除き40名ほどで, 一般市民が多かった.原発の専門家・政治・経済学者と, 多彩な分野の方に話していただいたことで, 2000年問題についてさまざまな角度から深めることができたように思う.

若林先生は,出席を直前にお願いしたにもかかわらず,PowerPoint で要点をついた資料を作成されていて,話もおもしろく,さすがだった. 吉川先生は,原発がご専門で,なかなか手応えがある方だったが, 出席していただけて何よりである.福山さんは,アメリカでの対策状況など, よく勉強されているようだった. お三方それぞれの,2000年問題への取り組み方のスタンスの違いが明らかになったという点でも, いい企画になったと思う.

民主党の作った2000年問題 PR ビデオは,シンポジウムで初めて見たが, 内容・構成ともにきわめてよくできている. 万一ライフラインなどのシステムに重大な不具合が生じた場合のパニックを防ぐためにも, こういう広報は大事なことだ.

23日はルヴェソンヴェールでパーティー.いつの間にか Beaujolais Nouveau が発売されていたが,値段に見合うものかどうかよくわからなかったので,パス. オーソドックスに Medoc を選んだ.

スペインの Cava DO の Freixenet というメーカーの黒いボトルの白のスパークリングワインを飲んだ. 辛口で,やや印象に欠けた面もあったが,値段の割においしかった.


■1999/11/21(日)

学園祭で,たまねぎを炒めたり,ラッシーを作ったりする毎日. ココナッツミルクを料理で使うのは初めて. 段ボール箱いっぱいのココナッツミルク缶に圧倒されそうになる. フレッシュのパクチー(コリアンダー)が入ったサラダは, ドレッシングがさわやかでおいしい. コリアンダーは以前自分で炒め物に使って,特有の香りにこりたことがあるが, このサラダはコリアンダーの量がほどよいので心配する必要はなかった. タイのグリーンカレーもこくがあっておいしい. ココナッツに飽きたら,ご飯によく合うトムヤムガイ(鶏のタイ風スープ)がよい. プロのように無駄のない働き方はしていないけれど,どの料理も手間がかかっていて, それぞれがかけがえのないものだと感じる.

ホールで接客をするのは,いろいろな知人に会えるのがうれしいし, それ自体張りのある仕事ではあるが,いまの私にはちょっと向いていないようだった. 私が接する,そして私の前を通り過ぎる人の数が多すぎて,気疲れがしてしまうのだ. 一方,一人でひたすら材料と向かい合って仕事をしているときは, ふとさびしくなることもあるけれど, ここでは調理場でもスタッフのみんなと無駄話をすることが許されるし, お客様からの率直なメッセージ, そして売上(そのほとんどが NGO への寄付になるはずだ)という形で達成感が得られるから, 充実している.

私のやっていたのは全体の中ではほんの一部分の仕事にすぎない. かなりきちんと事前の準備をしていたことがうかがえるし, 当日でも,飾り付け,食器洗い,食材のチェック・買い出しは, どれも地味だが欠かせない仕事だ. そして,マネージメントはもちろんとても大切な仕事だ. 個々人がどんな気持ちで取り組んでいるのかはあまり聞けていないが, 一生懸命なスタッフのみんなの姿は印象的で,しばしば感動的でもあった.


■1999/11/19(金)

買ってあった洋なしが食べごろになったので,朝,むいて食べた. バナナの熟したのを,もう少しさわやかにしたような香り. その退廃的な香りに,もう,だめになっちゃいそう.朝,食べるものではないのかも.


■1999/11/18(木)

2, 3日前から寒くなったので,手袋とコートを出してきた. 両方とも紺のフリース.不思議なことに,暖かい服を着ていても, 手の指やなんかが冷えてしまうことはある.そういうときは, 気心の知れた友人たちと,ストーブに手をかざしつつ,お茶をすするのが一番だ.

冬,ということで,アップルパイがうまくできるようになりたい. 前回作ったときは,ちょっとひとには見せられないものになってしまった. お店で売っているパイシートを使えばおいしくできるのだけれど, それではしょうがないので,今年こそは.

いよいよ,学園祭.24日ごろまで更新ができないかもしれませんが, あしからず.


■1999/11/17(水)

しくしく.

予想していた不具合が,予想しなかった方法で起こってしまった.

現在動いているシステムを要望に応じて改良し, 回帰テスト(旧バージョンで実現されていた機能のふるまいが変わっていないことを確かめるテスト)・新機能のテストを実行した後, 動作中のシステムに上書きして提供したところ, 新バージョンに対応するため, ある重要なデータファイルを書き換えた際にそのファイルの所有者が変わってしまい, そのファイルに書き込めなくなったため, すべての書き込み操作ができなくなってしまったという不具合だった.

手続き的には,動作中のシステムをアップグレードしてからバックアップを取り, その状態で回帰テスト・新機能のテストを行い, 異常がないことを確認した上でバックアップを復元する(アップグレード時の状態に戻す)のが正しかったのだろう.

学校でも,1週間後までに完成しなければならない新しいシステムがまだ手をつけたばかり. ちょっと overcommit してしまったようで,こちらも気にかかる.

それで,お祭りの前だというのに, 楽しいことがいっぱい待っているというのに,ちょっと憂鬱だ.

でも,新しいシステムを作るのは, 自分で新しい世界を創造していくような楽しさがあって,わくわくする面もある.

明日はうまくいくといいな.


■1999/11/16(火)

白菜のおいしい季節になった.今夜は「豚肉と白菜鍋」にした. 白菜と豚の切り落としを交互に鍋に重ねて入れていって,塩味をつけ, 少しの呼び水を入れて,ふたをして煮るだけ.手間がかからず,おいしい. 今日は入れなかったが,ゆずの皮のせん切りを入れて煮てもおいしい.


■1999/11/15(月)

あいかわらず忙しい.

採集しておきながら整理していない植物の標本がたまってしまった. 早く図鑑で確認して整理したいのだが,なかなかひまができない.

最近,23時前後にひとことを更新しようとして, プロバイダが話中で接続できないことが多い.寝るのが遅くなったからだが, 何とかしたい.


■1999/11/14(日)

立命館大学嵯峨野セミナーハウスで行われた青年環境・貿易フォーラムから帰ってきた. このイベントは,貿易・投資の自由化,"globalization" による環境問題・南北問題の悪化について, 「学び,考え,行動する」ことを目的として NGO が主催したもの.

基調講演は,日本の代表的な環境経済学の研究者として知られる京都大学大学院経済学研究科教授の植田和弘先生. 先生にお会いするのは初めてだ.講演を聞いて, リカードの比較生産費説をはじめとする, 自由貿易を推進する経済学の理論と,実際に起こっていることの差についてなど, 問題の構造を前より理解できるようになったように思う.特に, 国際協力で本当に重要なのは,技術移転ではなく, その地域固有の文化などを生かした内発型発展を支援していくことなのではないか, という指摘は大事だと思った.

市民フォーラム 2001 の佐久間智子さんは,この問題の中でも,投資分野を専門とされている. 佐久間さんからは,NGO の現状や立場をはじめ,解決の方向, ライフスタイルについてまで,率直で幅広いお話が聞けた. 特に,貿易はいずれ「コミュニケーションが伴ったモノの移動」になるべきだし, そうならざるを得ないという指摘は大事だと思った.

パネルディスカッションでは,特許庁で国際交渉などの任に当たってこられた, 京都大学法学部客員教授の高倉成男先生の存在が貴重だった. 自ら「火中の栗を拾いにきた」と言っておられたように, あえて「国益を最大化する」という官僚としての立場で意見を述べられていたので, 議論が深まったように思う.

フェアトレード(公正な貿易)という,解決へ向けての取り組みの一つについても, 討論を通じて,理解が深められた.一般の「南モノ」のショップより, フェアトレードのお店の方が流通段階が少ない分, 低価格なことが多いというのは,気づかなかったことだった.

グローバルヴィレッジ(ホームページが存在するかどうかは不明)など, 日本のフェアトレード組織では,先進国の文化に合わせたアクセサリー, 衣服,小物,食品(紅茶・コーヒー・ジャム・砂糖・カレー粉など)を作ってもらって貿易していることが多いようだ. そういうものも悪くないが,個人的には, いままで口にしたことのないような嗜好的食料品を, その食文化とともに紹介することができないのだろうかと思う. 私のまだ知らない文化に属するものをいろいろ試してみたいという思いがあるからだ. 沖縄を例にとれば,シークヮサージュースなどがこのカテゴリーの食料品に入る. 必需品ではないけれど,あるとうれしいというもの.

私の周りでは,このような泊まりがけのイベントでは自炊をするのが通例だ. しかし,このセミナーハウスでは自炊ができないので,フォーラムの間の食事は, 外部の業者に配達を頼んだ.そのうち,弁当は, 上京区の「コック長」という業者に頼んでいた. ここの弁当は500円ということだったが, ていねいに調理された料理がいく品も入っていて,ボリュームもたっぷりしていて, とても500円には思えない内容だった.揚げ物の衣は,時間がたってもべちゃっとせず, さくさく感が残るように調理されていたし,にんじんの飾り切り, 白髪ねぎなどはとてもていねいに作られ,味もよかった.参加者からも, 「お弁当のハンバーグがおいしいなんて初めて」などの感想が聞かれた. 味つけは濃く感じたが,それは私の嗜好によるものだろう. ただ,ご飯だけはいまひとつだった.

内容には関係ないが, 開催地付近には庭園樹を栽培している業者が多いのが興味深かった.

思いがけず,誕生日パーティーが開かれ, 友人をはじめ多くのみなさんに祝っていただいた.タイカレー・インドカレー, スパークリングワイン,ビールと,鞠小路のレアチーズケーキ. ビールはコロナビールとギネス.ココナッツの味も加わって, 辛さとうまみとがほどよく調和したタイカレーは, 軽いコロナビールに特に合うようだった.

鞠小路らしく, シンプルだが「かわいい」(参加者評)デコレーションのレアチーズケーキには, 「みしみし,おたんじょうびおめでとう」とチョコレートで書いてあって,感激した. このようなパーティーは今回限りだし,そのうち, 参加者の多くからも縁遠くなってしまうということを思うと, 一抹のさびしさは残るが,それだけに, 一番印象に残る誕生日パーティーになるかもしれない.

プロフィールを小幅修正.


■1999/11/12(金)

10日ごろからこのホームページの訪問者数が急増中で,今日昼過ぎにはカウンタが 2000 に達した. 最近『まぐまぐメルマガイド 2000』が発売されたので, それで新しくまぐまぐスタッフページを見てこちらを訪問される方が増えたのかもしれない. このホームページを訪れていただきありがとうございます.

WTO(世界貿易機構)の新ラウンドがまもなく始まり, その議題が今月末の WTO 閣僚会議で決定される予定. 今夜からちょうどタイミングよく「青年環境・貿易フォーラム」が開催されるので, 泊まりがけで参加する.貿易・投資と環境・南北問題の関わりで発生する問題は, 環境問題そのものよりもずっと奥が深い.自由貿易を推進するという, 新古典派経済学に裏打ちされた WTO の基本理念をどう扱うかが一番の難点だろう. 人権,環境権といった理念を対置させることは必要だが,それだけでは十分でなくて, いわば「相手の土俵に飛び込む」ことも求められると思う. 私自身まだ自分のスタンスができていないが,ともに考え,かつ, 若い人たちの議論と行動を見守っていたい.

それでは,行ってきまぃす.


■1999/11/11(木)

スウェーデンからの留学生にスウェーデン語を習うことになった. 今日はその1回目.

スウェーデン語は特に母音の発音が風変わりで,文字どおりでないので, 発音をまねるのは大変だった.

なお,日本語の通じない相手と英語で話すのは,21歳にして初めてだ. 聞いている分にはよくわかるのだが,表現するのはちょっとおっくうだ. なかなか言葉がうまく選べない.

その留学生には交換で日本語を教えることになっているので, 日本語を勉強しておかなければいけない. 話し言葉としての日本語は使うだけでもなかなか思うようにはいかないので, 教えるのはなおさら難しそうだ.「ぼくはうなぎだ」という例文の意味を聞かれたらどうしよう...


■1999/11/10(水)

最近,インド・ヨーロッパ語族の言語をいくつか学ぶようになった. 勉強中のもの・勉強していたことのあるものを合わせると,5言語になる. 「可能・義務・願望を表すには可能の助動詞を主語に一致させ, 適当な時制にしたものに動詞の不定形を続ける」とか, 「定と不定の冠詞があって,名詞にはそのどちらかを付けるが, 一部の形容詞や所有格の代名詞によって限定された場合はどちらも付けられない」とか, 「なぜか一部の動詞は主語と同じ代名詞を目的語にとる」とか, 一致点が多いのも興味深いが,もっと不思議なのは, 多くの言語の構文がだんだんと単純化の道をたどっていることだ.

名詞に男性・女性・中性の区別があったものが,両性・中性になったり, 男性・女性のみになったり,性がなくなったり.格がたくさんあったのが, 4つになったり,2つになったり,一つだけになったり. 語幹を含む変化をしていたものが,語尾を変えるだけになったり.

この変化を逆にたどると,これらの言語のもとになった言語は相当複雑なものになってしまいそうだ. 一方,そんな複雑な言語を有史以前の普通の人たちが使いこなせていたのかというと. 大いに疑わしい.

だれかこの矛盾を解決してください.


■1999/11/ 9(火)

京都御苑へ.

御所の一般公開をやっていた.

私はそれには加わらず,ひたすら林内を歩き回って,キノコを探して回った.

季節はずれということもあって,あまり大したものはとれなかったが, どのへんでキノコがとれそうか,ある程度わかったので,来年に期待したい.

おとといのパーティーでは,「いいとこ探し」というワークショップをした. やり方は「至って簡単で,B4 の紙の一番下に自分の名前を書いて隣の人に回して, 回された紙にその人のいいとこを上に書いて折り曲げて・・・と最後まで回せば, 紙いっぱいに自分のいいところが書かれて戻ってくるという寸法」 (京大ユニセフクラブ発行『ユニトピア』1999年2月号「いいとこ探し」から引用).

私については,前もって予想されていた事項もあったが, 「大和なでしこの心をもつ」と書かれたのがおもしろかった. 1分ほどの時間で「大和なでしこ」という言葉が出てくるのが不思議だ. 普通の言葉でいうと「もの静かで,上品で,美しい」ということになるのだと思うが, ずいぶんいいイメージを(も)持たれているようで,うれしい.

親しい友人が「かわいい」とひとこと書かれていて,ひどく喜んでいたのが, 印象的だった.けっこう周りの共通認識になっているとは思っていたけれど, なかなかはっきり口に出す人たちではないので,本人には意外だったのかもしれない. 「かわいい」と言うだけで喜んでもらえるのなら, 毎日でもそう言い続けたいという人は少なくないと思う.

書く側としては,表現するというのは環境へ向けての行為なので, 「いいとこ」だと知っていながら書けなかったこともあるし, 「これはいいとこなのかなあ」という評価上の問題もあるが, これらの解決は簡単ではなさそうだ.あと, 新入生とかのあまり知らない人には「いいとこ」が見つけられなかったり, 当を得た「いいとこ」が書けなかったりしたのが残念だったが, この点はだんだんと「いいとこ」を探せればよいと思う.

ブックマークを追加.


■1999/11/ 8(月)

近くでスダジイの実をとってきた.

ドングリを拾ってきたときは,そのドングリを食べるのも楽しいが, そのドングリを食べている虫を食べるのもまた楽しい.

今日も,その実を入れておいた袋を開けてみると, さっそく虫がはい出してきていた.小指の幅くらいの長さで,薄黄色の胴体に, 茶色の硬い口を持った幼虫だ.3匹もいた.

さっそく炒って食べた.噛むと,ぷちっと皮がはじけて,中身が味わえる. 牛肉よりずっと芳醇なうまみがあり, しょうゆをぎゅっと濃くしたような味も感じられて,なかなかの珍味だ.

山と渓谷社の山渓フィールドブックスシリーズ『きのこ』を買った. カバーの表紙にタマゴタケの写真が載っている本だ. きれいで役に立つ写真が載っていて,収録種数・範囲も広いので, 来シーズン以降使えそうだ.


■1999/11/ 7(日)

紅玉とレーズンのケーキを焼いた.ケーキを焼くのは久しぶりだ. スポンジは卵白を十分入れたところよくふくらんだし, 粗糖に似た砂糖を使ったので風味もよい.

鍋パーティー.鍋の中身は魚・つくね・鶏など.ワインは St-Veran AC 白, Cotes de Duras AC 白,チリの Santa Rita 赤の3本.軽いワインばかりを選んだ. St-Veran は辛口でわずかにオークの香りもしておいしかった. それ以外の2本は,印象が薄かった.万人向きとはいえる.


■1999/11/ 6(土)

あわを買うため,一乗寺のスーパー,HELP へ. このお店は低農薬・有機栽培の農産物など,安全な食品を多く置いている.

あわは 500g で 570円と,ちょっと高かったがまあよしとする. ここでの収穫は,有機栽培のレンズ豆と,品質のよいベーコン. どちらも一般のスーパーではなかなか売っていない品物なので, 買えてうれしい.


■1999/11/ 5(金)

ATR(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)の研究発表会を観覧.

任意の人の声色で音声を合成できるシステム CHATR が興味深い. 日本語ネイティブスピーカーの4歳くらいの男の子の音声データをもとに, 天気予報を音声合成したり,さらにはたどたどしい韓国語であいさつさせたりといった実演があった. 何に使うのかという疑問は残るが,楽しいシステムだ.

その他,画像方面の研究,人間と共感できるシステムを作る研究などもおもしろい.


■1999/11/ 4(木)

最近,目玉焼きをアップサイドダウン,つまり両面焼きにするのに凝っている. 裏返すとき,黄身を壊しはしないかとちょっとどきどきする. アップサイドダウンかつ中はまだ半熟という状態にすることにしている.

夕食に,豆腐,春菊,わかめをごく薄味のだしでさっと煮た. いつものおそうざいに春菊が加わって,彩りが華やかになった. いい豆腐を使っているので,おいしい.しかも手間がほとんどかからない.

今年に入って,高格付けの発行体が発行し,NTT ドコモ,ソニー, ソフトバンクなどの対象会社を定め,将来の一定期間, 対象会社の株価が一定水準以上なら額面と同額の現金で償還し, さもなければ対象会社の株式で「償還」する(条件は銘柄によって多少異なる)という変わった社債が相次いで個人向けに発行されているのを目にする. 他社株転換条項付き社債,という.

ある意味, 転換社債の逆のバージョンともいえるが,どういう人が買っているのだろう. というのも,その債券の価格ないし利率が, 株式の値下がりリスクを負担する対価として十分なものかどうかを判断するためには, 過去の株価のトラッキングデータを使ってオプション理論で計算する必要があり, 購入者がそんなことをしているとはとても思えないからである. 証券会社にとってみれば,マージンをたくさん取っても片側からは文句が出ない貴重な商品かもしれない.

しかも,株式を保有している場合は売却することで簡単に現金化し, リスクから逃れることが可能だが,このような債券ではなかなか買い手が現れないだろう.

ちなみに,その前さかんに売られていたのは「将来の一定期間, 日経平均株価が一定水準以上なら額面で償還し, さもなければ日経平均株価で償還する」という形式のもの. さらに前は「将来の一定期間,1ドルが120円以上なら円で償還し, さもなければドルで償還する」という形式のものが売られていた. これらも抱えている問題は同じだ.特に後者は, 昨年夏に世界の市場で発生したアクシデントで為替相場が円高に振れたため, 軒並みドル償還になった(一部を除く).

少々の余分な利息をもらうかわりに大きなリスクを背負うという, ハイリスク・ローリターンの商品に思えてならない. 私ぐらいの知識では絶対買えない.

近々,このような他社株転換条項付き社債の市場ができるかもしれない. その市場で公正な価格での売買が行われていれば, 上記の難点は緩和されるが,現在の個別株オプションの流動性の低さを見るかぎり, あまり期待できそうにない.


■1999/11/ 3(水)

余っていた生クリームを,クレームブリュレにした.

普通のカスタードプディングは卵と牛乳で作るのだが, クレームブリュレは卵黄と牛乳・生クリームで作るから,二重にぜいたくだ.

それだけに,クリームと卵の濃い味がするし, お菓子の本に書いてあるとおりの砂糖の分量にしたので,とことん甘い. 至福の瞬間.

表面を焼くためのバーナーは持っていないので, 上のかりっとしたカラメルの層は作っていない. オーブンペーパーにすごく濃い砂糖水を載せてオーブンで溶かし固めたものを上に載せてもいいのかも.


■1999/11/ 2(火)

吉田山へ.もうキノコのシーズンは終わっているというが,雨も降ったことだし.

テングタケ属のキノコを3種と,ホコリタケ科のキノコを1種採集した. 図鑑で調べたところ,うち2種はそれぞれおそらくコタマゴテングタケ Amanita citrina S. F. Gray, キツネノチャブクロタケ Lycoperdon perlatum Pers. ex Pers. だったが,ほかの2種は Amanita であることしかわからなかった. 詳しい図鑑があればわかるのかなあ.

生物学にとって,分類学というのは語学のようなものかもしれないと, 最近思う.分類学を専門にする人は少ないけれど,生物学には, 実際に目の前にする個体がどう分類されるのかという知識が欠かせないだろうからだ. そして,理論もあるが,対象に慣れることが何より大事だというのも同じだ.

最近は,買ってきた赤魚を切ってみそ漬けにして食べている. こくのある赤魚と濃厚なみその風味が,麦ご飯によく合う.


■1999/11/ 1(月)

10月23日の結婚式の引出物だった Gateau Pyrenees をお菓子好きの友人といっしょにいただいた.このお菓子は, 付いてきたリーフレットによれば,ピレネー山麓ガスコーニュ地方に伝わる民俗菓子.

生地の質,年輪のような模様があるという点からは, バウムクーヘンのようなお菓子だが,バウムクーヘンと違うのは, 回転軸方向に太さを変えてあるので, 切ると「ピレネー山脈のように凸凹のある美しい断面が現れる」こと. さらに不思議なことには,その太い部分が円柱状でなくて, 六角柱のように角度によって半径が異なるのだ.

生クリームにコアントローで風味づけしてゆるめに泡立てておき,合わせて食べた. 神戸では名高い洋菓子店,アンリ・シャルパンティエの手になるだけあって, 上品な味だ.生地にもコアントローの香りが付けてある.

ブックマークとリンクを追加.



このたび私のニックネーム「みしっく (Misick)」の由来を募集することにしました. ここのところ私のニックネームの由来を聞かれることが多いのですが, あまりおもしろい返答ができず,いつも困っています. 何かおもしろい説明を思いついた方はぜひ教えていただけるとうれしいです.


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