みしっく今日のひとこと - 1999年10月


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★ひとこと目次 ◎ほーむ


■1999/10/30(土)

生協のお店に紅玉が出たので,さっそく買い求めた.

りんごはやはり紅玉が一番だと思う.鮮度が落ちて, もかもかになってしまう(「ぼける」ともいうらしい)のが早いのが欠点だが, さわやかな酸味のおかげで,煮てよし,焼いてよし,お菓子に入れてよし, もちろんそのまま食べてもよしと,たっぷり楽しめるのが,他の品種にない特徴だ.

ジョナゴールドもおいしいが,紅玉に比べればやはりいまひとつだ.


■1999/10/29(金)

京都生協機関紙「コーポロ」(タブロイド版)11月号の記事「何が必要?何が大切?『2000年問題』を考える」は, 「京都大学経済学部助教授・若林靖永さんにお話をうかがいました」として,2000年問題について解説している.

内容は,簡潔だが,最近の動向も踏まえ,消費者の立場でよくまとめてある.
「社会生活を支える重要部分を中心に徹底した対応をすすめているけれども, 完全ということはありえませんから,かなり広範囲に私たちの生活に支障を与える事態が生じることもありうるのです」
と,あくまで慎重だ.個人レベルの対策としては,
「日ごろの備えをしっかり準備しておくこと」
「日ごろの備え以上の特別のことはいりません」
と述べている.もっとも,学生の間では日ごろの備えが十分できていない向きもあり, 最低限の備えは必要だと思う.

コーポロが取り上げるとは思わなかっただけに意外だったが, 新聞などではなかなか問題の全体像をつかみにくい面もあるので, この見開き記事で2000年問題に対する知識が広がるのは望ましいことだと思う.

さすが京都生協.

ちなみに,私はお正月に備えて白のスパークリングワインとポリタンクを買っておくことにしているが, まだ買っていない.両方とも,年末に向けて需要が伸びそうなので, 早めに買っておかないと.


■1999/10/28(木)

生協食堂ルネでワインバーの企画があった.Lacryma Christi del Vesuvio DOC 白をグラスで注文して 350円.白かれいのから揚げと合わせた.

チラシには「辛口」と書いてあるが,それほど辛口でもない. それほど特徴は見つからない.いや,特徴はあるけれど, 私はそれを認識して言葉にすることができないだけかもしれない.

ワインバーは明日もルネで17時から20時まで開かれる.


■1999/10/27(水)

飲み会.

メニューは,山形風芋煮,さんまの炭火塩焼き,茶碗蒸し,むかごご飯・栗ご飯. 途中で強い雨が降り出したのは番狂わせだったが,楽しかった.

芋煮を作るのは3度目で,ようやくコツがつかめてきたし,分量もわかってきた.

お酒は,ワインが Beaujolais-Villages AC 96年 赤, Coteaux du Languedoc AC 赤, チリの辛口の Sauvignon Blanc, フランスの白の Sauternes スタイルの甘口の4本. 趣味に走って買いそろえたが,すぐなくなってしまった. 日本酒は,行った酒屋さんで勧められた新潟の地酒を試飲したところ, 淡麗でおいしかったので1升びんで買った.ほかにビール.

さんまは炭火で焼くとこたえられない.辛口の白ワインとよく合う. むかごもご飯に入れてもまだ余るほどだ.芋煮もよく煮て味が慣れておいしくなった. 気心の知れた友人と久しぶりにさまざまな話をするのも楽しい. まだあまり話したことのない人と,ちょっとプロトコルめいた会話をするのも楽しい.

幸せかもしれない.


■1999/10/26(火)

研究室で4回生発表会.私はずっと論文を読んでばかりいたので, 研究の方向性は決まっているのだが, どのような知見が得られるのかはよくわからないままだ. その点に関連していろいろ意見をいただいた.

押し麦を買って,麦ご飯を炊いた.米:麦 = 9:1 の割合. 麦に歯ごたえがあってよい.麦はもっと増やしてよさそうだ.

小麦のパンに対するライ麦入りパンと同様, 主食をより味わい深くするものとして押し麦は役に立ちそうだと感じた.


■1999/10/25(月)

植物学者中井猛之進の論文「植物ヲ学ブモノハ一度ハ京大ノ芦生演習林ヲ見ルベシ」 [1] はおもしろい.冒頭から相当の行を割いて

「東京から芦生に行こうとするには……往きは午前8時8分京都駅発正明市行の山陰線に乗り込み殿田駅迄行き下車する. 此汽車に乗るには一番先即ち機関車に近い箱に乗る必要がある. 何故かというと其箱の停まる直ぐ前が改札口であって其所を出ると四ツ谷行の乗合自動車が待っているのに直に乗れるからである. 此乗合を逸すると次の乗合の来る迄数時間待たなければならぬ」(原文カタカナ・旧カナ・旧漢字.以下同様),

「山又山の山間の部落を幾つか通って中という終点に達する. 此所には飲食店は一軒もなく宿屋が一軒あるけれども山中暦日なく飯を注文したところで漫々的でとても都会人には待ち切れぬから昼食は必ず携行する必要がある, 又携帯行糧を食うため茶を要求しても快くは出しては呉れぬ. 此辺も予め覚悟する要がある」(フォントの大きさの変更は引用者)

などと,芦生への道のりを微に入り細をうがって説明しているので, これが学術論文なのかと不安になってくる. 途中からだんだん芦生の植物の紹介が始まり,やっと

「此辺のスギは匍枝状の下枝を延し其れが地につくと根を下して一本になるから崖の様な土の少い所で其主幹との連絡が枯死腐朽しない場合には傾上するスギの幹が林をなして繁りに茂って崖の全面を蔽うて居る. 此スギは吉野のスギ又は富士,天城のスギ又は秋田のスギと異なり末梢特に下枝の末梢が長く下垂する性質があり又毬果の苞片,実辺の特記が短いから毬果全体が丸味をもつ特徴がある. 予はこの品種は特に植物学上からも芦生スギ Cryptomeria japonica D. DON var. radicans NAKAI として一本立ちになるスギと区別するが正当と思う」(「スギ」は原文ひらがな)

と,スギの新変種の発表に至り,ほっとひと息つける. 結局 "Speciality of Asio Experiment Forest of Kyoto Imperial University" という英文表題は裏切られないわけだ.

なお,アシウスギは,引用文中に書いてあるように,スギの常識を覆すような木で, 一度見たら忘れられない姿だ.京大北部構内に植栽されている.

[1] 「植物ヲ学ブモノハ一度ハ京大ノ芦生演習林ヲ見ルベシ」,中井猛之進, 植物研究雑誌17巻5号(1931年5月)273〜283ページ


■1999/10/24(日)

夕食はかれいのムニエル.調理していて,ムニエルとは何なのか, 初めてわかった.

ムニエル: 魚に小麦粉をつけて,バターで焼いた料理.(角川必携国語辞典)
というのはもちろん知っていたが,ムニエルとは, 魚の水気を飛ばす料理だということがわかったのは今日が初めてだ.

水気が飛んで初めて,衣のかりっとした食感が楽しめる. 中までゆっくり火を通し(火が通ったかどうかをどうやって調べればよいのかは不明), そして,外側は強火で揚げるような感じにするのがよいようだ.

もっとも,今日のムニエルは衣が部分的にはがれてしまったので, 見ための点では不合格だ.もっと精進しないと.精進料理ではないけれど.


■1999/10/23(土)

結婚式.

といっても,私のではない.

山を一つ越えて,結婚式の行われる宝ヶ池へ. ヌスビトハギの花がしおれ,実ができてきていて, その実が服にくっついてしまった. ヌスビトハギの実は「ひっつき虫」とか呼ばれるだけあって,服にすぐくっつく.

宝ヶ池を右手に眺めつつ,安直にトンネルに入っていったところ, のどがいがらっぽくなってしまって,しくしく.車の排気ガスって,すごいんだ.

新郎・新婦ともとても幸せそうだった.おめでとう.お幸せに.

ワインは,白のスパークリングワインと,白・赤の3種類をいただいた. 白・赤はどちらも Graves AC だった.白は辛口でおいしかった. 赤は,バランスがとれていて気楽に飲め,ほんの少しオーク香がした. メインの牛肉が伝統的かつ割とシンプルな料理だったので, それとの組み合わせは悪くなかった.

デザートでは,ゆり根を固めに砂糖で煮たものが, いちご・オレンジ・キウイとともに盛りつけてあった. 目新しい取り合わせが興味をひいた.

二次会ではフィーリングカップルなるものに参加してしまった. 私の受け答えがなぜか笑いを呼んでいた.まあ余興だから楽しくしないとね.


■1999/10/22(金)

友人が昨年のリサイクル市(卒業生等が不要になった家具・自転車などを後輩に譲るイベント)で手に入れた後盗まれてしまったマウンテンバイクが, 桂警察署で久しぶりに見つかったそうだ. で,それはめでたいのだけれど, 京都府警はリサイクル市の実行団体がその自転車を「放置」したと判断して生協(自転車では防犯登録の手続きでお世話になっている)に電話で文句を言ってきたらしい. なんでそういう発想になるかなあ…….まだ全然乗れる自転車でしょ?


■1999/10/21(木)

敷きぶとんを購入.

もと住んでいたところでは,ベッドに寝ていたが, 引越しして畳の部屋になったので,敷きぶとんが必要になったため,購入したもの.

かけぶとんを3枚持っているので, 引越し後半年ほどはそのうちの1枚を下に敷けばよかったのだが, 芦生から帰って以来,ぐっと寒くなって,これではしのげなくなっていた. 月曜なんかは,寒くて目がさめたほどだ.寒くて,というのも,自分の上でなくて, 下が寒くて,というもので,なんとも不思議な感覚だった.

新しいふとんはふかふかしていて気持ちがいい.ふかふかしているのに, 軽い.

今週初めて,暗くならないうちに帰宅できたのがうれしい. 定番メニューの,ひいか(小さないかの一種)と小松菜の煮付け.


■1999/10/20(水)

来日中のドイツ連邦環境省廃棄物専門担当官の Thomas Graner 氏を講師として循環経済・廃棄物法の学習会が開かれたので,参加してきた. この学習会は地球環境と大気汚染を考える全国市民会議 (CASA) など3団体の主催によるもの.

ドイツの容器・包装分野でのごみ減量はすばらしくうまくいっているようだ. 今後は自動車,電化製品等にも同じような枠組を作っていく道すじができていて, ゆくゆくは建設廃材のリサイクルもプッシュしていきたいとのこと. 2020年までにはすべての最終処分場を閉鎖し,物質資源の完全な closed loop を構成するという計画が進められているという.さすがは環境先進国・ドイツである. そういう強力な政策を新たにとることを政府に選択させるだけ市民の運動が幅広いということだと思うが, 何ともうらやましい話である.


■1999/10/19(火)

残っていたスギヒラタケは,卵とじにして食べた.淡白な味だが, マイタケとかよりずっと強い歯ごたえがおいしい.なお, このスギヒラタケは水に漬けて冷蔵庫に入れておいたもので, 変質・昆虫による食害はほとんど進んでいなかった.

所用で出町柳付近に行っていたところ,自転車の撤去に遭遇. 路上に置かれている自転車を次々とトラックに積まれてしまっていた. 広報車のスピーカーから

「広い道 あなたの放置で 狭い道」
などと放置をやめるよう促すスローガンが聞こえるものの, 出町柳の有料駐輪場の入口には「自転車 満車」という札がかかったままで, どうも釈然としない.

出町柳のような場所での自転車の放置が問題だというのはもっともだし, 駐輪場が満車になるかもしれないというリスクはおそらく自転車に乗ってくる人が負担すべきものではあると思うけれど, 京都市に駐輪場を建設しようという姿勢が見えないのはおかしいと思う. 建設予算の問題がいわれるが, 御池駐車場や京都駅新駐車場計画と比べればずっと少ない資金で, 多くの市民の利便性が確実に向上するはずだ.

吉田山へ.いつもに比べてキノコは少なかったものの, 丹念に見ていくといくらかはあった.私はシロハツモドキを採った. このキノコはベニタケのなかまで,中毒例があるそうだが, 傘の直径が 15cm ほどもあり,採集しがいがあった.

吉田山は,ニガクリタケとイグチのなかまの産地というイメージがある. 今日もニガクリタケはたくさんあった.イグチのなかまはあまりなかった.

今日の一番の収穫は,テングタケの幼菌(赤ちゃんキノコ), それからしばらく時間のたったもの, 完全に傘の開いたものまで各段階のものが観察できたことだ. テングタケのなかまは,威風堂々としている一方で, 細かい部分まで整ってすっきりした美しさを感じさせて, 見あきない.でも,猛毒キノコが多いので見るだけにしておく.

そのほか,小さなキノコとしてはウラムラサキがきれいでよかった.


■1999/10/18(月)

研究室の発表会の準備,ゼミの発表準備,芦生の結果整理などに忙しい.

これまでうちに電話がかかってくることはほとんどなかったが, ここ1週間ほどはやたらと着信がある.不思議だ.

うちの留守番電話は,伝言を聞いている途中・直後に削除ボタンを押してはじめて伝言が消えるような設定にしてあるのだが, 削除ボタンをうっかりダブルクリック(^^;してしまい, 1件の伝言を聞かずに消してしまった. 重要な伝言だったら困ったものだ.


■1999/10/17(日)

15日から,美山町大字芦生へ行っていた.あいにくの雨だったが, たくさんのキノコを観察した.目当てのツキヨタケもいくつか発生していて, 暗闇の中で光るのが観察できた.

私の興味のある生物は主に木本植物と菌類だが,今回の観察会で, 菌類が好きな人たち,木本植物が好きな人たち, 爬虫類・両生類・淡水魚類が好きな人たち,小型哺乳類に興味がある人たちなど, いろいろな分野の人たちと知り合いになれて,うれしい.

芦生は,ブナ科の森林など,自然がたくさん残っていて,人も多くなく, いいところだ.来春あたり,しばらく芦生にこもってひたすら自然とたわむれたいと思った.

今日は同所で採ってきたナラタケ・スギヒラタケを知人といっしょに調理して食べた. いまのところ何ともない.


■1999/10/14(木)

自動車の運転免許を取ろうと思いつつ,でも取っても乗らないだろうし, また今度でいいか,とか迷いつつ,今日まで取っていない. 今月も教習所に入るチャンスではあったのだが, 途中から急に忙しさが押し寄せてきて,結局見送ることにした. まだ2年間は学生なわけだし,そうあせることもないかと.

とりあえず保険として免許を取ってはおきたいが, 「マイカーを持たない人生」というのがどんなものなのか, 試してみたいという気持ちがある.

社会に出て,京阪奈とかつくばとか北陸とかそんなところに行くと, 自動車を使う以外の選択肢はないのかもしれないけれど, そういう必要に迫られなければ自動車はなしですむのかも. 結婚するとまた変わるのかなあ.

でも,たまのドライブはけっこう好きだったりする:-)

土曜日まで,この欄の更新を休みます.


■1999/10/12(火)

学校の近くのある大衆食堂で夕食.座敷の先客のグループが, 身近な死や神の恩寵といった,宗教的なことについて語っていた. 学生にしては多少年配の人たちで,外国人も交ざっていた. どういった宗派・グループなのか気になったし,こういう話には関心はあるので, 話しかけようかとも思ったが,せっかく議論が熱中しているところだったし,第一, 礼儀正しくないと思ったので,やめた.

なお,会話の内容や表情からみると, 統一協会や原理研の人たちではなさそうだ.


■1999/10/11(月)

友人(♂)が,その友人(♀)の誕生日にフランス料理をおごると約束したので, どこがいいだろうかと助言を求めてきた.御蔭通りのベルクールを勧めたが, ちょっと遠いので,中京区付近の方がよいという. それで,これから食べに行こうと考えていた店のリストを手渡した. フランス料理をこうして食べに行くのは初めてという彼は, 「ナイフで音をさせちゃいけないのかなあ」などと,少し緊張していた.

銀座に,資生堂パーラーというレストランがある.資生堂の系列の店のようだ. 相当古くからある店らしく,増田れい子さんの随筆にも出てくる. 「ミートクロケット」など,独特のジャンルの料理を提供しているこの洋食店は, 時代や流行とは一線を画しているという点,値打ちがあると思う.

韓国旅行記の番外編をアップロードした.


■1999/10/10(日)

芋煮会.さといも,牛薄切り肉,玉こんにゃく,ねぎなどを, 主にしょうゆ味で煮た芋煮だった.よく煮ると,スープに牛肉のうまみが出て, さといもがちょっと溶けてとろみもついて,おいしい.

普通の2倍の大きさ,1.5リットルのびんのワインが登場した. この大きさは「マグナム」という.初めて見るタイプだ. びん自体は2倍の大きさなのだけど,コルクの大きさは普通のと変わらないようだ.

デジタルカメラで写真をたくさん撮った.写真をこれだけたくさん撮るのは, 銀塩写真も含め,初めてのことだ.ただ, 背面に付いているファインダーではピントがどのくらい合っているのかわからず, ちょっと不安だった.うまく撮れているとよいのだが.


■1999/10/ 9(土)

買い出し.

ワインは,Macon-Villages AC 97年の白,Cotes du Roussillon-Villages AC 97年の赤,Liebfraumilch (Marienkloster) 98年のを購入. Saint-Emilion や Alsace のなんかも買いたいなあ.


■1999/10/ 8(金)

連絡を取って会いたいとはいまのところ思わないし,そうしたこともないけれど, ときたま学校で偶然顔を合わせるのは楽しい人って,いるじゃないですか.

最近はそういった人と出会うことが多くて,ハッピーだ.

これまでの経験では, 私と同じ建物にいるといった特別の事情がない人はだいたい3か月に1回くらい学校で見かけることが多い. ある友人は,なぜか1年に1回くらいしか見かけないので, 見かけたついでに問いただしてみた:-)ところ, あまり授業には出ていないということがわかった.

今日はファジー理論の勉強.全体集合 U のファジー部分集合 S とは,U の任意の要素の S への帰属度が [0,1] の範囲の実数で示されるような数学的対象をいうようだ. 普通の集合の自然な拡張になっていて, 美しい(しかも比較的とっつきやすい)理論が展開している.

それはさておき,ファジー集合と対比させたとき, 普通の集合は「クリスプ (crisp)」集合ということになっているらしい. 「パリパリ」集合,「しゃきしゃき」集合とでも訳せるだろうか. この記述を読んで感動した. ある要素が「7割ぐらいその集合に所属している」という表現を許すファジー集合に比べると, 普通の集合は実にパリパリしゃきしゃきだ.

この fuzzy という単語, 韓国語では「ポジ (p'eoji)」と書いてそのように発音するのだが, 韓日辞典には載っていなくて,意味の見当もつかず,困ったことがある. わかってしまえば簡単なことなのだが.


■1999/10/ 7(木)

授業が始まると,用事で帰りが夜遅くなることが多くなって, なかなか食べるものが買えない.それで, 今朝はとうとう「ご飯と,お麩の煮たの」というさびしいメニューになってしまった. わかめも煮るはずだったが,切らしていた.

その埋め合わせではないが,夕食は,つばすの刺身に,白菜の煮たのに,きゅうり, 栗の甘煮といった豪華なメニュー. けっこう大きいつばすの半身を刺身にしたので,満足感があった.

お造りは,いろいろ取り合わせて食べたいものだが, 一人ではままならない.規模の経済を働かせなければ.

韓国旅行記を最終日分までアップロードした.


■1999/10/ 6(水)

学校で2000年問題について議論. ロシア・中近東などの諸国で広範な対応の遅れが生じている問題が指摘された. 2000年問題が発生したときどうするかという点では, 社会が電力の供給にあまりにも依存しすぎていることがネックだと思う. 電力以外では,万一,石油の供給が止まると混乱が発生する危険性が高いのも問題だ. そして,この2点は2000年以降も引き続き問題の原因となりうる.

ちなみに,私は食料・水をとりあえず3日分備蓄することを考えている. 対策をしている人の中ではかなり量が少ないようだ.

今日の言い間違い: cadeau 「プレゼント」→ gateau(最初の a の上に ^)「菓子」.


■1999/10/ 5(火)

ある人たちは,自分の近く遠くで起こるできごとを, 主に「自分にとって許せるか,許せないか」でとらえようとする. そうすると,どの方針がだれに利益をもたらすかといった細かい分析や, 政策のバランス,定量的分析といった視点は表に出てこない.彼らの具体的な主張が, 「法の支配」とか「法の下の平等」とかいった考え方に合っているかどうかも怪しい. ひょっとしたら「基本的人権」さえも…….

だから,彼らの主張は感情的なものになってしまい,説得力が薄いこともある.

その代わり,彼らはおそらくスローガンにからめ取られることはないし, 生活実感に根ざした判断ができるのかもしれない.

私は彼らとは対照的な方法をとろうとしているが, ときどき彼らのような能力もほしくなる.


■1999/10/ 4(月)

後期の授業が始まったばかり.授業が始まると,キャンパスが若やぐ. やっぱり学校は学生がいてこそのものだ.

フランス語は全然勉強していなくて,すっかり忘れてしまったかと思っていたが, ネイティブの先生が話しているのを聞いているうちに感覚が戻ってくる. とはいっても,あと何年かは勉強しなければ.

クラスの中には夏,フランスに行ってきた人も何人かいる. 中の一人はアルザスに行ってきたという.先生が「何を食べた」と聞くと, アルザスのスペシャリテを食べてきたというので, 私は不思議だった.アルザスといえばりんごのお菓子ぐらいしか思い浮かばなかったからだ. シュークルートを食べてきたという言葉を聞いて,なるほど,と思った. シュークルートとは,発酵させたキャベツの塩漬け, つまりザウアークラウトのことだからだ(私は食べたことはないが). ドイツと国境を接するアルザスの名物としては納得がいく. でもちょっと塩辛かったそうだ.


■1999/10/ 3(日)

朝から,どんより.

けれど,昼ごろになって, 自分は自分をとりまくもの,世の中を受動的にただ受け入れるのではなく, それに対して働きかけていき,自分の望むように変えていくことができる存在なのだ(もちろんだれだって基本的にはそうなのだが), ということに考えがたどりついて,気が楽になった.

世の中に働きかけることができるのは, 私が自由で恵まれているということの反映なのかもしれない.

外に出てみると,肌に空気が冷たく感じる.秋になったのだなあ,と. けれど,風が心の中にまで吹き込んでくるという感じはせず, 肌が冷たいのが快いのみだ.夏以後初めて長袖の服を着て学校へ.

ジュリスト(10月1日号)の特集は,信託. 信託は,英米法のもっとも大きな発明のうちの一つと言っても過言ではないと思う. 法制度について好き嫌いを表すというのは奇妙に思われるかもしれないが, 私は信託という法制度が好きだ.信託を使えば,他人に, 金銭,債権,物権を含むさまざまな財産を,時間を超えて, 管理させたり,処分させたりすることができて,しかも自由自在(契約によって内容を決められるから)・簡単(法人の設立の手続きがいらないから)・安全(信託によって新たに加わる信用リスクがないから)だからだ. 自由すぎて妖しい魅力すらある.

ただ,信託業務の免許制とか,税制上の問題があって, 現状ではそのメリットが十分に生かせていないのが残念ではある.

このあいだの日曜日に取ってきた栗なのだけれど,数日置いておいたら, 1/3 ほどが虫に食われてしまった.無傷の栗の鬼皮・渋皮を取ったら, 結局わずか 35g になってしまった. スーパーで売っているのと比べて実が小さいので,しょうがない. ゆでて甘く煮ようとしたところ,うっかりこげ付かせてしまったが, 何とか救出して現在に至っている.


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