2000/ 7/ 8(土)

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あまり熟睡できなかったが,5時ごろから活動開始.もう外は明るかった. ロビーのラウンジで約 $8 のコンチネンタルブレックファストを食べた. 大陸式朝食というのは,(もちろん本場の大陸ではそういう言い方はしないのだと思うけれど), クロワッサンとカフェオレぐらいなのかと思っていたら,ここでは違うようだ. まずシリアルのヨーグルトパフェ.カクテルグラスに入っている. 上にブルーベリーとラズベリーといちごが載っていて, ぜいたくだなあと思った.パンはベーグルとかもあるけれど, スポンジケーキとパウンドケーキのどっちともつかないフルーツケーキ(ベーキングパウダーで膨らませないとたぶん作れない種類のもの)とか, 甘いドーナツとかが,がたくさん机に載っている. それで,すごいと思ったのがオレンジジュース. いままでオレンジジュースにはいい思い出がなかったのだけれど, ここのはぜんぜん違って,いままで飲んだオレンジジュースが取るに足らないものに思えてしまった. すごく自然でフレッシュな味わい.香料が添加してないというのがいいんだと思う. たぶん濃縮果汁還元じゃなくてストレートだし. 果肉をいくぶんつぶして加えてあるのだろうか,微妙な舌触りがする. すごくまろやか.いくらでも飲みたいような感じがした.

中2階の Stambro Room に行ってみると,もう会場は開いていて,ネットワークにつないで動作を確認. 海を越えた京都で動いているこちらのエージェントは順調に動作しているようだった.

各チームが,自チームの開発した入札エージェントに載せた戦略について発表をする中, オークションの対戦は粛々と進んでいった. 時にサーバのバグでゲームがぽしゃったりもしつつ. 私たちのチームのエージェントはここ2週間ほどぜんぜん手がつけられていなくて, 不安だったが,最初に出場する試合で実際に困った結果になってしまった.約 -1200 点という非常に低い得点をとってしまったのだ. それで,急きょパラメータを二つ変更して,何とか残りの試合ではそこそこの成績を収めたのだが, やはりきちんとチューニングしているチームにはかなわず決勝戦には出場できなかった. 7位までの上位エージェントとそれ以下の二番手とで得点に大きな開きが出たのはおもしろい. 私たちのチームのエージェントの得点が低かった原因につき, 私は予選中・予選後のチューニング不足,Y 先生は戦略の構造の不備を指摘した. たぶんどちらも原因としてあるのだろう.

TAC はソフトウェアエージェントがオークションでフライト・ホテルなどのチケットを購入し, 旅行のパッケージとして顧客に売り,得点を競うというコンテスト. 各チケットが1枚だけでは使用できず,組み合わせないと得点が得られないというのがポイント. この問題は,チケットの購入する問題, 与えられたチケットをもとにパッケージを構成する問題の二つに分けることができる.

各エージェントの戦略の説明は大略以下のとおりだった.

発表を聴いていて思ったのは,どのチームの人も同じようなことしか言わないなということ. オークションにはミクロ経済学に裏づけられた美しい理論があるのだけれど, このコンペティションはそれと特に関係が見つからない. かといって人工知能の研究課題があるわけでもない.

人工知能や電子商取引の授業で TAC を応用したという報告があった. これはなかなかおもしろい取り組みだと思う.ただ, もう少しルールを簡単にした方が教育効果は上がるのかも. 参加者にはランチが提供されたが,どうもおいしくなかった. とりわけサラダが変にしょっぱくて甘くて苦くて変な味だった.そして午後は今後の TAC をどうするかなどをめぐって議論.やはり時差ぼけはつらくて, それにもうわがチームの参加する試合はないので,中座して,部屋で眠り込んだ.

18時すぎ,日本人参加者(日本からの方と,マレーシアからの方)計2名と Y 先生とで,近くの Legal Seafoods へ.このシーフードチェーン店はボストン市内にいくつも店がある. 私はメイン単品を頼んだら,めかじき,まぐろ,鮭,ほたて, 中くらいの大きさのえびがグリエされて出てきた. めかじきは京都では見かけないので懐かしい味. 付け合わせの炒めご飯がまたボリュームがあっておなかいっぱい. 前菜を頼まなかったのは賢明だと思った.デザートにライムパイ(約 $4). 大味なフィリングのパイだったが,それがアメリカだと思えばそれはそれでおいしい. 合わせてチップ込み一人 $35 程度.ちなみに Y 先生の頼んだ舌びらめソテーはすごく油っこかったらしい.

食事で,Boxed Economy の話を聞いた. いままでのマクロ経済学では経済をブラックボックスとして扱っていたが, マルチエージェント技術を使い,企業・銀行・消費者などの主体が財のやりとりや生産・消費をするのを実際にシミュレートしよう, そのためのフレームワークを作ろう,という話. 名前は,

といった条件から考えて,簡単な単語二つぐらいからなる名前がいいだろうと思ってつけたのだという. 名前をつけるというのは私たちにはしばしば必要となってくる仕事なので, おぼえておくと便利な条件だと思った.

T1 の作者もそうだが,この国際会議にはスウェーデンの人たちが比較的多い.Y 先生に聞いたところ,フランスの人たちが制約充足問題が好きなのと同様, スウェーデンの人たちはこっち(マルチエージェント)が好きなのだという. ちなみにエージェント「T1」は当然,スウェーデン語で tee ett と発音する:-)


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