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★2005年夏カナダ旅行記 - 目次 | ◎ほーむ |
宿に戻り,8時に例のクロワッサンの食事をすませ,すぐまた外出.ジャルダン通り rue des Jardins,アンヌ通り rue Ste-Anne,ドーフィヌ通り rue Dauphine を経て,カン門 porte Kent(写真 62)の前を通り過ぎ,サンジャン門 porte St-Jean から城壁外に出て,パレ駅 Gare du Palais(写真 63)へ.バスターミナルなのだろうか,その隣の公共施設も堂々とした格調の高いファサードだ(写真 64).旧港市場は,生鮮食品や食料品(ソーセージとか)を並べる.ウッドデッキのヨットハーバーであるところの旧港を経て,ロウワータウン(写真 65).勝利のノートルダム教会 Église Notre-Dame-des-Victoires を観覧(写真 66,写真 67).由緒書きが妙に長いのが気になる(写真 68.これ全部一文なんですよ.はい,主語と動詞はどれでしょう(笑)).ロワイヤル広場 place Royal(写真 69)を経てフュニキュレールでアッパータウンに戻る.宿を出てから1時間半足らずで旧市街を一周してしまったことになる. |
宿でしばらく休み,チェックアウトして駅へ.駅は,ファサードもロビーも壮大な美しさを誇るものの,列車の数は少なく,通勤列車はない模様なのが少々もったいない(写真 70).市民の足はバスのみということだろうか.日本で予約してあったきっぷを自動機で引き取る. 列車はファーストクラス première classe の席を予約したので食事のサービスがあるのだけれど,朝食が軽いので小腹が空く.豪華な内装を施したレストランがいくつも入っていて,そのうち1軒(写真 71)に握りずしのカウンターがあって,まぐろ thon,ティラピア tilapia を握ってもらう.まぐろはおいしかった.ティラピアは,ローマ字で tai,鯛と併記してあったのだけれど,何か別の魚のような味がした.すし職人さんは1人で,すし以外に東南アジア料理なども出している店のようだ. ファーストクラス乗客用待合室へ.温室風の採光のよい部屋で,コーヒーマシンがあって,ソフトドリンクや新聞のサービスがある.Le Devoir(写真 72)に目を通すなどしてしばらく列車を待つ. 12時43分ごろ列車に案内された.客室は 2-1 の座席配列で,シートが床より高くなっていてその下に荷物を入れることができる.頭上にも荷物入れが用意されている(写真 73).窓は2列分通しの大きなガラス窓で,シートの大きさはたぶん日本のグリーン車と同じくらいなのだと思う.慣れてしまえばこんなものかと思えるぐらいの大きさだ. |
発車前にポテトチップスのサービスがあって,定刻より1分早い13時09分に発車.程なくソフトドリンクのサービスがあって,食事の注文を取りにくる.メニューはフランス語・英語・日本語の表記で,メインは鶏または鮭,ベジタリアンの人のためにかぼちゃのラザーニャ(写真 74,写真 75).鮭を頼む.列車は日本と同じく複線の左側を走行していたが(写真 76),やがて単線になる.立体交差も多い. 13時30分,Sainte-Foy 駅停車.単線の本線の脇に待避線が1本あって,ホームが付いている.赤レンガ造りの小さな駅舎がフランス国鉄を思わせる.かなり大勢の乗客が乗り込んできた. その後も単線が続く.電化されていないこともあり,ローカル線の風情である.しかし速度は意外に出ていて,併走する自動車道 autoroute の車よりやや速いくらいだ.単線といっても,ところどころに行き違いのために線路を増やしてある個所があり,しばしば長編成の貨物列車と行き違ったりする.要は信号場なのだけれど,しかしやたらと長く,1個所が 1km はある. おしぼりのサービスがあって,14時過ぎに食事となった.まずオードブルとパン,ワインが出される.ワインは白を選んだ.Chablis のような上等なワイン.カトラリーが金属製なのもよい.チーズは干しいちじく・干しあんず・くるみ・ハーブ(パセリの一種だろうか)とともに3種が供された. 続いてサービスされたメインディッシュの鮭は,行きの機内食と違って美味であった.香草の風味が効いている.列車の中で上質のワインで心地よく酔えるというのは至上の幸福に相違ない.ワインのお代わりもして,ずいぶんと酔ってしまった.農場と林の中を走りながら,コーヒー・チョコレートが出される. |
電化はされていないながら,線路の脇に電柱が立っていて,電線が渡してある(写真 77).信号などの通信のためのもののようだ. リクライニングは,座面が前にスライドし,背もたれはほとんど後ろに動かないタイプ.それほど極端には倒れないが,3時間ほどの乗車ならこれで十分だろう.一見無骨に見えるものの,実は足も伸ばせて快適なシートである.ただ,線路の整備の水準によるものだろうか,やや動揺があるので,書き物をするのはややしんどい. 思ったより行き違いが多く,ポイントが開通するのを待つ時間のロスは馬鹿にならない.交通量の多い線区だけでも複線化すればいいのにと思う. 15時02分ごろ Drummondville に停車(写真 78).引き続いて車窓には農地が広がるのだけれど,興味深いこととして,働いている人を誰一人として見かけないのだ.まれに家畜の姿が見えるぐらい.日本なら必ずお年寄りがなにやら作物の手入れをしているところだ.あまり手のかからないものばかり作っているのだろうか? 謎である. 続いて駅を5つほど通過.Corridor 号ですら1日3〜4便だというのに,こうした駅には何が停まるのだろう? 謎である.また,そもそも日本に比べて駅の数が圧倒的に少ないのも不思議だ.ケベックを出てから Drummondville までの2時間ほど,駅はほとんど皆無だった. |
15時53分,Saint- |
地下鉄の駅まではそれほど離れていないけれど,行き方は少しわかりにくい.地下鉄に乗って,サンテュベール通り rue St-Hubert の宿に到着.ここでは,アールデコ風?の卓上ランプに目が留まる(写真 82).その他は普通の,ヨーロッパによくあるビジネスタイプのエコノミーの宿で,特筆すべきことはない. 荷物を整理していて,ケベックの宿にニッケル水素電池2本と充電器を忘れてきてしまったことに気づく.残りの旅程をカバーできる乾電池を持ってきているので支障はないものの,帰国したら新しい電池・充電器のセットを購入しなければならない. 外はケベック以上に日差しが強いので,しばらく休んでから,30分ほど歩いて Bistro Duluth(121 Duluth E.)へ.サンテュベール通りは住宅街で,いわゆるテラスハウスというか,長屋が続くのだけれど,3階建てで,一つのユニットにドアが大体3つぐらいあって,それぞれに番地が振られているところを見ると,おそらく3戸からなる集合住宅が複数切れ目なしに連続して続いているということなのだろう.日本の長屋とはだいぶ違う.av. Duluth E. は東京でいえば学芸大学とか戸越銀座の駅前を思わせる飾らない商店街で,飲食店が多い.ムール貝を頼む.トマトソースの,クリームの,白ワインの,マスタードのなどが選べるらしいけれど,クリーム仕立てで玉ねぎ・グリーンペッパーなどの入ったのを頼んだ.前菜のシーザーサラダの後に出てきた量にびっくり! 熱々のムール貝がボウルいっぱい出てきた(写真 83).写真では比較対象がなくてわかりにくいかもしれないけれど,ムール貝はもともと大きな貝なので,すごい量なのだ.曜日によっては食べ放題をやっているというけれど,とてもそんな必要はなかった.ムール貝をこんなにたくさん食べるのは初めてで,これだけで満腹になってしまって,貝殻も,一人で貝塚ができそうなぐらい山盛りになってしまった.読者の皆さんにも機会があればぜひムール貝山盛りをおすすめしたい.フランスやカナダに行く機会があれば,次回はトマトソースにして,白ワインを頼もうと決めたのだった. モントリオールは人口321万.ケベックの約5倍だ.帰りはサンドニ通り rue St-Denis をシャーブルック通り rue Sherbrooke まで歩いたのだけれど,いわゆる繁華街で,店の名前などインパクトの強い表示がしてあって,サンフランシスコ的というかアジア的というか,あまり品のいいものではなかった.車の運転も荒っぽいし,道ばたにホームレスの人もちらほら. 宿に戻って,21時就寝. |
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