7月14日(木)


昨日同様,8時過ぎに朝食をとって外出.サンルイ通りは路面への散水と,至る所の鉢植えへの水やりでしっとりと濡れ,閑散としている.旧市街の朝は遅い.というか,観光客の朝は遅いということだろう.この通りには L'Omelette というカフェがあって,7時から営業していて,卵などの付いた朝食,complete breakfast を提供しているのだけれど,活気があるのはその辺りぐらいだった.

写真 44
写真 47
写真 43
写真 46
写真 42
写真 45

シタデル Citadelle へ(写真 42).9時に開場.イギリス統治下において米国の攻撃への防備のために建設されたフランス式の要塞で,函館の五稜郭と同様,星形をしている.この要塞は現在も陸軍の駐屯地として使用されているため,見学はガイドツアーのみで可能.ちなみにここに駐屯している連隊は,歩兵連隊としては唯一フランス語を公用語とする部隊なのだとのこと.中庭にはケベック州の標語,Je me souviens(私は忘れない)をかたどった植え込みがあることに気づく(写真 43).9時10分から英語とフランス語によるガイドツアーがあり,私は英語の方に参加することにした.写真 44の建物は,現在は小さな展示場として使われているのだけれど,不整形の石をモルタルの目地でつないだ壁が目を引く.シタデルが作られる前のフランス統治時代の建物なのだという.それから,総督(女王の代理人)の公邸(写真 45.もう1か所はオタワにある)もシタデルの中にあるのだった.展望台からの眺めを楽しんだ後,10時からの衛兵交替を観覧する(写真 46の白い子ヤギは連隊の象徴なのだという).音楽隊によるドリル演奏も入ってにぎやかだ(写真 47音声).式の進行はフランス語のみで,正直いってほとんど聞き取れなかったけれど,解説アナウンスは仏英両言語で行われた.

写真 48

一度宿で休み,新市街のグランダレ通りに出て,昨日プーティーンを食べた店の隣のカフェ,オー・ヴュー・カノン Aux vieux canons へ.キッシュロレーヌを頼む.食事は期待したほどではなかったけれど,メープルシロップ・アイスクリーム・クレープを組み合わせたデザート(写真 48)は秀逸だった.

写真 51
写真 54
写真 50
写真 53
写真 49
写真 52

州議事堂 Hôtel du Parlement へ(写真 49).こちらもガイドツアーでの見学になり,英語ツアーと仏語ツアーが両方あるのだけれど,英語ツアーの時間を逃してしまったので仏語ツアーに参加.ほとんど理解不能だった.まだまだ勉強が必要なのだと痛感する.ちなみに最初にガイドさんが参加者の出身を聞いたところ,モントリオールとかケベックとかいう人ばかりで,外国人は私一人だった.ステンドグラス(写真 50),壁が一面青塗りで,シャンデリアや絵画,彫刻飾りで絢爛豪華な議事堂(写真 51),赤を基調とする議事堂(写真 52.こちらは上院 Conseil législatif の議事堂だけれど,現在は上院は廃止されて一院制となっているとのこと.州議事堂の外にはどことなく和風な庭園(写真 53)があって目を引くのと,正面の彫刻群(写真 54.紋章の下のリボンのところにケベック州の標語が彫り込まれている)を中心として,壁龕にさまざまなブロンズの彫像が置かれていて見ごたえがある.これは,郷土の偉人を揃えてみましたという感じなのだと思う.

写真 56
写真 57
写真 55

昼食中から雨が降り出し,一時激しく降る.朝から雲行きが怪しく,シタデルのガイドさんも折り畳み傘を持っていたことを思い出す.しばらく議事堂で雨宿りをした後,隣のビルの32階(31階と表示されている――1階は rez-de-chaussée と呼んで階数に算入しないので)の展望台へ.シタデル(写真 55),州議事堂(写真 56),旧市街方面(写真 57)などぐるりと一周見て回る.

旧市街に戻り,食料品店 épicerie(不勉強なもので,香辛料 épice しか売っていないのだと勘違いしていた)でサンドイッチを購入.宿に戻って旅行記の原稿を書いたりガイドブックを眺めているうちに眠くなり,18時30分過ぎ就寝.