7月13日(水)


写真 8

7時過ぎ起床.普通のヨーロッパ風の造りの小さなホテルで,客室にシャワーがある.防音はよくない.旧市街の中心に立地しているのが何よりのメリットだ.客室のテレビは40チャンネル以上を見ることができた.ニュースによれば,モントリオールの16のホテルでは,先週金曜から無期限ストライキ中とのこと.france 2 と思われるニュースが見られるチャンネルもあって,バグダッドの映像などを見る.8時過ぎ,カフェオレ・オレンジジュース・クロワッサンの朝食(写真 8).フロントで申し出て,渡されたトレーを自室に持っていって食べる方式だ.一見典型的な大陸式朝食と思われるけれど,調査によればフランスの家庭ではこういった朝食をとるのは少数派であると以前どこかで読んだことがある.

写真 11
写真 14
写真 10
写真 13
写真 9
写真 12

宿を出て(写真 9),旧市街を観光する.風が強くやや肌寒かったが,じきに暖かくなった.アルム広場 Place d'Armes(写真 10.銅像は Jean Dolbeau 1586-1652,ケベック初の神父であるらしい)を通ってノートルダム大聖堂 Basilique-Cathédrale Notre-Dame-de-Québec へ(写真 11).白を基調とした内装で,壮麗である(写真 12写真 13写真 14).奥にある金の祭壇と,その上の彫刻の構造物は超華麗だ.なんといっても高い天井が開放感を与えるのがよい.ステンドグラスも多用されている.

写真 17
写真 16
写真 15

次は,ホーリー・トリニティ教会 Cathedral of the Holy Trinity(写真 15).歴史的な場所らしい(写真 16).ファサード(写真 17),内装とも簡素.英国教会のカテドラルであり,堂内の数々の表記も英語ばかりなのもノートルダムとの差異だ.ステンドグラスが美しい.壁には「○○氏を悼む」との趣旨のプレートがたくさんはめ込まれている.

写真 20
写真 23
写真 26
写真 19
写真 22
写真 25
写真 18
写真 21
写真 24

カレーシュ calèche(小型の観光馬車.写真 18)と行き交いつつ,サンルイ通り rue St-Louis(写真 19)を歩く.カレーシュといえば,「一方通行 カレーシュを除く」なんて標識もあるのだった(写真 20).サンルイ通りは旧市街いちの目抜き通りのようで,飲食店,ブティックなどが並ぶ.旧市街を囲む城壁の門の一つ,サンルイ門 porte St-Louis を出て(写真 21)新市街へ.州議事堂 Hôtel du Parlement を眺める(写真 22).州の旗が翻る大きな建物で,京都市役所を思い出させる.

サンルイ通りを戻り,狭いわき道に入ると,簡素なゴシック様式の教会堂(写真 23)とロマネスク様式の教会堂(写真 24)が通りをはさんで両側にそれぞれ建っていた.前者はプロテスタントで,後者はカトリックの修道会のものらしい.観光の対象ではないものの,建築様式が対照的なのがおもしろい.

ウルスリンヌチャペル Chapelle des Ursulines(写真 25)へ.内陣はぺたっとした平面的な感じ(写真 26)で,木を彫ったものに彩色を施して壁一面に飾ってあるらしい.Marie d'Incarnation という人の墓が側廊にある.17世紀にフランスから渡ってきた,ウルスラ会の修道女であるとのこと(ウルスラ会といえば,この夏宮崎県から甲子園に出場した高校も同じ経営主体に属するのだろうか?).付属の博物館も見学する.

写真 29
写真 28
写真 27

宿でしばらく休み,サンルイ通りのオー・ザンシアン・カナディアン Aux Anciens Canadiens へ.じゃがいものスープ(写真 27),ジビエのトゥルト(英語ではミートパイ.写真 28),メープルパイ(写真 29).トゥルトは,ボリュームがあり熱々で供されるのがさすがだし,立ちのぼる肉の香りがとても快いものだった.何の肉を使っているのかは聞きそびれてしまったのだけれど(肉の名前の単語はほとんど知らないし),牛肉とか鶏肉といったいつも食べている種類の動物ではない.

写真 32
写真 31
写真 30

レストランを出て,モンモランシー公園 parc Montmorency からの眺めを写真に収める.旧市街の中でも東側の城壁の外側はロウワー・タウン Basse-Ville といって,セントローレンス川 fleuve St-Laurence の川岸に位置する.その建物と,セントローレンス川,それに対岸のレヴィ Levis の景色までを収めることができた(写真 30写真 31写真 32).

写真 35
写真 37
写真 34
写真 36
写真 33

ロウワー・タウンに向かう.プチ・シャンプラン地区 Quartier du Petit Champlain はまるで銀閣寺道のような賑わいだと思いつつ通り過ぎ,シュヴァリエ邸 Maison Chevalier へ(写真 33).建物自体が1752年に建てられた歴史的なものであり,中には昔の生活がわかる家具などを展示している.付近も観光客で賑わっている(写真 34).

ロウワー・タウンを観光した後,レヴィ行きフェリーに乗船(写真 35写真 36),船上からの眺めとレヴィからのケベックの眺めを楽しんでそのまま戻る.レヴィは,がけの上に小さな市街があるらしいのだけれど,足を伸ばす気になれなかった.フュニキュレール Funiculaire(写真 37)でアッパータウン Hausse-Ville へ.フュニキュレールというのはケーブルカーを意味する普通名詞だけれど(フニクリ・フニクラというイタリアの歌謡が日本でも少し有名ですね),これだけ距離が短いとエレベーターが斜めになったもののように思われる.宿に戻ると眠くなって2時間ほど寝入った.

写真 39
写真 41
写真 38
写真 40

夕方の旧市街を歩いて,新市街へ.グランダレ通り Grande-Allée E. を歩く.欧米のテラスハウスというと,壁が歩道に接している建て方と,壁が歩道から後退していてその間に外階段があるタイプに分けられると思うのだけれど,後者のタイプの共同住宅が並んでいたりする(写真 38).飲食店街に足を踏み入れると,夏祭り Festival d'Été のさなかだからだろうか,大きなミラーボールなんかも吊り下げられていて(写真 39)賑やかだ.程なくバイオリンとシロホンの生演奏なども始まったり.プーティーン poutine の看板のあるファストフード店に入って,ミニプーティーン,グリーンサラダ salade vert など注文(写真 40写真 41).単品で組み合わせたらファストフード店なのにけっこうの出費になってしまったけれど,プーティーンはすごくおいしいかった.ポテトがかりかりに揚げてあって,グレービーソース・チーズとの相性が絶妙だ.日本の Becker's のとは全然違う.ただ量が多くて,サラダもかなりの量で,少し残してしまった.たくさん食べるものではなさそうだ.

宿に戻って21時すぎ就寝.時差のせいかあまりよく眠れない.夜遅くまでロックなどが聞こえてくる.これも夏祭りだからだろうか.