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★2003年夏フランス旅行記 - 目次 | ◎ほーむ |
宿に置いてあったテレビ雑誌を読んでいたら,フランスのクルーズ会社の広告に目が留まった.1週間とか2週間といった日数のもので,アムステルダム発着でノルウェーとかシェトランド諸島とかフェロー諸島とかアイスランドとかに行くようなのもあって,そんなに費用もかからない模様.
今日も祝日で休みの日につき,ニースの外に出ようと思い,駅の窓口に出向く.電光掲示板によれば,マントン Menton ・モナコ Monaco 間が事故のため不通とのことで,イタリア方面に行こうとしていたら困っていたに違いない.窓口でフォンタン・サオルジュ駅 Fontan - Saorge 行きのきっぷを購入.ついでに,昨日駅の自販機では手に入れられなかったマルセイユ行きのきっぷもあわせて窓口で入手することができた.こちらのきっぷは日本で支払い済みのもの.プチトラン petit train (小型のオープンバスによる,市内の定期観光バス.大型バスに比べて町に溶け込むことができるのがいい)に乗ろうとジャン・メドサン通りを南へ.ノートルダム・バシリカ聖堂 Basilique Notre Dame の鐘が10時を告げて,さらに下ってマセナ広場に出ると,ちょうど革命記念式典が行われていた(写真 17).レジオンドヌール勲章 Légion d'honneur なんかの伝達式も兼ねていて,功成り名遂げたようなお年寄りが晴れがましそうに三色旗を手に並ぶ(写真 18).共和国の式典なんて,なんか怖い感じだけれど,辺境の小都市だからだろうか,割とアットホームな感じでよい.軍の車両を主体とする軍事パレードは小ぶりで,パトカーばかりか自治体の消防車まで参加しているのがほほえましい. |
式典は場所を移してまだまだ続くようだけれど,プチトランにも乗りたいので,広場を離れてケ・デゼタジュニ通り Quai des Etats-Unis へ.11時発のプチトランに乗り込む.アナウンスは仏英独語で,市庁,県庁(写真 19.由緒ある建物らしい)など,旧市街の見どころを回って,城山に登る(写真 20).12時にプチトラン乗り場へ戻る. |
駅に戻って,フォンタンへと歩く.途中に日本では見かけないタイプの電柱があって,興味を引く.はしご状になった側面に注目(写真 23).15分ほどでロワイヤ河岸の小さな村,フォンタンに着く(写真 24).通りにある教会は南仏ならではの様式のもので,オークル ocre という塗料なのだろうか,強い日差しに映えて美しい(写真 25).カフェ(看板にはバーと書かれているが,いわゆるバーではない)に入り,ミント水 menthe à l'eau を頼む.店のマダムは当然フランス語を解するのだけれど,ほかの客とはネイティブ並みに流暢なイタリア語で会話していたのは,土地柄だろうか.何も言わなかったら,出されたミント水には氷が入っていなかった.そのままだとすぐぬるくなってしまうので,日本のアイスコーヒーみたいな感じに氷を入れてもらおうと思って,はたと気づいたのは,氷を意味する一般的な単語である glace は料理用語ではアイスクリームを指してしまうということ.辞書で引いてみると,glaçon という別の名詞があるらしい.そういえば flunch で飲み物に入れるための氷を置いてある場所の上にも「GLAÇONS」という札がかけてあったっけ,と思い出して,この名詞を使って,氷ください,と言ってみたところ,ちゃんと通じた.うれしいものだ(glace は女性だけれど glaçon は男性なので注意しよう). |
駅へ戻り,16時36分発,日祝日だけの運転の列車に乗車する.この列車は1両編成の電車だった.たった1両なのに1等と2等が仕切りで分けられているのは少々違和感があるものだ.18時10分ニース駅に着き,今日も休みのレストランが多いので,3度目の flunch.韓国人の団体の若者が来て,まったく勝手がわからなそうにしていた.こういうお店は従業員が丁寧に説明してくれないので,慣れないと逆に利用しにくいかもしれない.サーロインステーキ Faux-fillet grillé などで,ごく庶民的な,しかし少々贅沢な夕食をとる(写真 26).これにチーズと食後のコーヒーをつければ標準的なコースになりそうだ.ワインは料理との相性を考えると赤だけれど,赤は昨日飲んだし,せっかく南仏に来たので,あえてロゼを選んでみる.牛肉をたっぷり食べられたし,ワインはごく普段使いのクラスのものだけれど,しっかりした味でよい.セルフ店ながらタルトのレベルも相当高く,満足. 90分ほどかけて食べて,帰ってシャワーを浴びてうとうとしていたら,そのまま眠り込んでしまった. |
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