8月12日(日)

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★2001年夏アイスランドなど旅行記 - 目次 ◎ほーむ


朝食後は分科会.「日本の新しい歴史教科書に関する分科会」に出て,いろいろ話す.まず呼びかけ人が日本の教科書制度を説明した後,扶桑社版教科書の「日本は植民地化した朝鮮に鉄道・潅漑施設を整備する等の開発を行い……」とあるページを全文エス訳したものと合わせて配布し,解説の後,「つくる会」と「自由主義史観」についても簡単に説明があった.

次に各国からの報告者から「最近,教科書問題などのため,日韓両政府の関係が悪くなっているのは遺憾.歴史教科書問題については近隣諸国と共同編集を行ったドイツの例が参考になる」,「この教科書には近隣諸国関連以外にも誤りや矛盾が多いという問題がある.教科書は『歴史は科学ではなく物語である』と主張するが『おれの歌を聴け!!』ばりの独善に陥っている」,「このような教科書にどのように対処していけばいいのかが課題だ」との指摘があった.

報告を受けての討論は,「各国民は他国の歴史観を知ることが大切だ」「しかしこのような片面的な教科書に対抗するために,どのような宣伝戦術を用いればよいか.相手側には資金や政治力が豊富だ」などと盛り上がったものの,結論は出ずじまい.日本だけでなく韓国・中国の教科書にもいかがなものかと思われる記述が見受けられるということもあり,本当は3国で仲よくやっていくためには国内的にも国際的にもきちんと取り組んだ方がいいのだけれど,論点が政治化してしまってなかなか冷静な議論にならないし,歴史教育とはどうあるべきかとかいう議論になると収拾がつかなくなる.やはりちょっと私たちには荷が重いテーマだったのかも.

釜山からの参加者 Suno さんからノリゲ(女性がチマチョゴリを着るときにつける装飾品[小学館朝鮮語辞典])を模したキーホルダーをいただいて,KEJ 役員の Kristalo さんからは,表面に合宿マスコットのクロコダイルくん(彼女好みなコミカルなキャラクターだ),裏面には「Kristalo」とニックネームが刺繍されたキーホルダーをいただいて,とてもうれしかった.

昼食後記念撮影,閉会式.2泊3日間はあっという間だった.もっといろいろ話したかったという思いを残しつつ会場を後にしたのは私だけではないようだ.もっとも韓国側のスタッフのみんなはけっこう大変だったようで,こんなところなのかも.

プログラムが目白押しでみやげものを買う時間がとれなかったので,閉会式後のわずかな空き時間を利用してみやげものを買いに回る.言語学研究者 F さんには,永豊文庫で本たちを買って,韓国文化に関心のある Y さんには,竜山電子商街でゲームソフトを買う.永豊文庫では『星の王子さま』のフランス語原著の韓国語注釈入りのを買うことができたのもとてもよかった.

日本からの参加者のうち私を含む4人で市内の安宿に投宿して,夕食時に韓国の Kristalo と会うことに.驚くべきことにVigla もいっしょに来て,6人で焼肉店(写真 91)へ.写真 92 みたいな感じで,みんな満足.


写真 91


写真 92

食堂からの帰り,童謡「故郷の春」の冒頭の一節をそのまま店名にした民俗酒場を発見(写真 93).


写真 93


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