みしっく今日のひとこと - 2010年6月


■2010/ 6/27(日)  新聞に「ICT面」が欲しい.

一般の新聞に,ICT(情報通信技術)に関するニュースを基盤技術・ハードウェア・ソフトウェア・アプリの全方面にわたって広く薄く,国内・海外問わず収集して掲載するページを1面作ってもらえたら,とても嬉しいと思う.なお,ここで新聞というのは朝刊を意図している(以下同様).

たとえば,「インテルがパソコン用次世代プロセッサ『Core i5』を発表.Core i7の廉価版であり,GPUを統合したのが特徴」などというニュースは,最近PC関連のニュースを読んでいなかったので,つい数か月前まで知らなかったのだけれど,一般新聞に載せてもよい程度のニュースバリューを持つと思う.「データセンター 熱対策の新潮流 自然冷熱の活用が進む」といったニュースも望まれる.「Facebookの会員数が5億人を超えた」といったニュースを報じる際は,表層だけを伝えるのではなく,過去の会員数の伸びや新機能追加の履歴,それへのユーザーサイドの意見といった部分までの深掘りを望みたいところ.

新聞の紙面構成というと,1面・総合面・国際面・オピニオン面・特集面・経済面・証券面・読書面・生活面・テレビ娯楽面・スポーツ面・地域面・社会面・テレビ面というようなのが一般的.

もし自分好みにカスタマイズすることが許されるのだとしたら,1面・政策面2ページ・国際面2ページ半・オピニオン面半ページ・特報/特集面2ページ・経済面2ページ半・ICT面1ページ・読書面0〜1ページ・生活面1ページ・地域面1ページ・社会面2ページというようにしたい.全面広告が2ページほど入るとして,18ページ程度になる.

総合面は,政局報道ではなく政策を伝えてほしい.国際面は,新聞社によっては1ページしか置かないところがあるけれど,何しろいまの新聞は1部当たり25ページ〜39ページもあって,その9割程を国内のニュースで占めているのだから,せめて2ページ半か3ページぐらいを取って,信頼の置ける通信社の記事を積極的に載せていってほしいところ.経済面も2ページか2ページ半欲しい.東京新聞の「特報」面は他に例を見ないもので,このような試みは評価したいところ.

オピニオン面のうち,投書欄は削ってもいいのではないか.証券面は,ネットが普及した今日には縮小・廃止を免れないと思う.テレビ面なども,テレビ自体で番組表が配信されるようになったので,重要度が低下したと思う.読書面は,ときには科学面に替えるとよいかと思う.個人的にはスポーツ面は不要だけれど,これには異論も多いかと.野球などはともかく,競馬などを取り上げるのは違和感がある.

社会面や生活面では,1回限りの報道で終わるのではなく,社会的に・生活の上で重要性のあるテーマについて掘り下げる連載も望みたいし,福祉・医療・教育・住居に関するニュースを丹念に拾っていくことも望みたい.いまのマスコミでは,一般の市民団体や職能別団体などの非営利団体の動きはほとんどネグレクトされている感がある.ライオンズクラブのようなものでさえ扱いは小さい.もちろん,一部に頻繁に報道の対象となる団体が存在するものの,全体からみればごくわずかで,その選び方は恣意的としか見えない.均衡のとれた報道姿勢を望みたい.一方,1面・社会面で事件や犯罪のニュースの扱いが大きいのは欧米の高級紙にはみられないもの.ニュースとして必要なものではあるけれど,もう少し扱いを小さくするとちょうどよいと思う.

もちろん,紙媒体の新聞は,最大公約数的な紙面構成をとらざるを得ず,自分好みに改変することなどは,電子媒体を使用しなければ不可能.でも,「ICT面」を加えるといった程度の改変であれば,読者大多数にとっては納得感が得られるのでは…と思う.

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■2010/ 6/26(土)  金融・為替体制の未来を占う.

副島隆彦『ドル亡き後の世界』(祥伝社,2009年)を読んだ.

今日の金融・為替体制はたかだか20年〜30年しか続いていないので,影響の大きな事象が発生すれば,それに伴って体制が変わるのは当然想定されるところ.

この記述はおそらく根拠がないのではないかとか,この部分は荒唐無稽な話だ(著者も半分冗談で書いている?)とか,これは本当だけれど,私ならこんな品のない表現はしないとか,いろいろ思うところもあるのだけれど.これは著者の作風なのかもしれない.

私も含め一般の人たちの間では共通認識なのに,マスコミでもほとんど報道されないし,政財界でも目をそらされている(有識者の一部が根気強く指摘を続けている)けれど,大筋間違っていないと思われる事柄も載っているので,一読の価値はある.

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■2010/ 6/20(日)  文字コードの話 - 圳とか芩とかを使うには.

うちのPCはWindows Vistaなので,JIS X 0213:2004に対応している(JIS X 0208に含まれていないがJIS X 0213:2004に含まれている文字を扱える)のだけれど,オフィスソフト以外でこれらの文字(「圳」とか「芩」とか)を使おうとすると,一筋縄ではいかない.

日本語のウェブページでは,ISO-2022-JP, Shift_JIS, ときにはEUC-JPと,多様な文字コードが使用されている.最近ではUTF-8を使うことも多くなってきたようだ.私のサイトでもそうした文字を使えるようにしたいと考えて,いつも使っているNoEditorでこれらの文字を入力しようとすると,文字化けしてしまう.私はNoEditorを使っているのだけれど,UTF-8などでのファイルの読み書きができるだけで,Shift_JIS範囲外の文字は扱えないのだとわかり,Unicode本格対応のエディタ(Shift_JISで表せない文字を扱えるもの)が欲しくなってきた.

Windows付属のメモ帳は実は対応しているのだけれど,あまりにも機能不足.最近諸方で評判のよさそうなMeryでも使ってみるか.それとも,Alphaの方がよいだろうか.

もっと複雑なのは,メール.相手が読めるかどうかわからないのにUTF-8でBase64エンコーディングされたメールを送るのはまずいし,プレーンテキストを使う以上,数値文字参照(「♪」のようなの)で逃げることもできない.ISO-2022-JPとほぼ上位互換な文字コードで該当の文字を使えるものとしてISO-2022-JP-3とかISO-2022-JP-2004というのがある(IANAにはまだ登録されていない)ものの,Becky!ではサポートしていない.「Becky! JIS X 0213 プラグイン」というのがあることを知ったものの,開発が停止しており,Vista上ではそのままでは動かない模様(いくらか試してみたけれど,私には無理だった).JIS X 0213 Wikiには,Mewと超漢字メールのみが紹介されているところをみると,Windows Vistaで,ISO-2022-JPベースの文字コードのメールでJIS X 0213:2004の文字を使おうとすると,Mewしか選択肢がない模様.

難しいものだ.

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■2010/ 6/13(日)  旅に出ます. / 居住の貧困

今晩,上野駅から列車で旅に出ます.

同じ東北新幹線に乗るといっても,東京から乗るより上野から乗る方が旅情を味わえるような気がする.

ただ,車内で食べる夕食が崎陽軒のシウマイ弁当になる予定だったり,翌朝の新幹線で帰京する予定なのは,北の玄関口だった往時の上野駅のイメージとはだいぶ開きのある行動に違いない.

本間義人『居住の貧困』(岩波新書,2009年)を読んだ.

著者は住宅政策について長年研究されているらしく,日本の住宅政策の推移についてよくまとめられている.最近都営住宅が,入居申し込みに関する競争倍率がきわめて高いのにもかかわらずさっぱり建設されないのは,国からの補助金が出なくなったことが主因なのだと知った.ただ,記述はやや散漫であり,望ましい住宅政策のあり方に関する論旨も読者にとって読みやすい形でまとめられてはいない(と指摘するのははばかられるけれど)のが残念.

公営住宅が対象とするような低中所得者層向けの住宅政策は,福祉の一環として公費投入が欠かせないものだと思う(著者の論旨通り)けれど,公団・公社住宅のような中高所得者層向けの住宅政策については,民間市場における取引条件の適正化・透明化や投機の抑制を主眼としつつ,公的主体による経営においては採算性にも配意すべきなのではないかと思った(著者の論旨とやや異なる).

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■2010/ 6/ 5(土)  生食用の肉は存在しない(馬肉以外には) / 生命保険のからくり

生食用の肉は存在しない(出荷されていない)ということを,広報東京都6月号で読んで知った.正確には,生食用の牛肉・豚肉・鶏肉は流通しておらず,馬肉だけが生食用として流通しているとのこと(2009年度実績).

レバ刺しとかユッケといった料理は,食中毒のリスクが高いということだ.加熱をした場合でも,昨年のペッパーランチでの食中毒事件もあるし,いわゆる「鳥わさ」も中心部まで火が通っていないので食中毒事例がある.これらに限らず,夏にかけて食中毒には注意していたいもの.

岩瀬大輔『生命保険のカラクリ』(文春新書,2009年)を読んだ.

生保各社が高コスト体質であるとか,販売手法や開示に問題があるという指摘自体は,この業界について多少なりとも書籍や辛口系の経済誌で調べてみたことのある人にとっては共通の知識であり,特に目新しいものではない.

私が面白いと思ったのは,新しい生命保険会社を旗揚げするに至った著者の経歴.弁護士になりたいと思って勉強をしていたものの,大卒後は外資系戦略系大手コンサルティングファームに就職.転職した先のベンチャー企業はITバブル崩壊に伴い廃業.社会人4年目にして数か月間雇用保険の失業手当を受給することとなり,セーフティネットの大切さを痛感.投資ファンド運営会社のリップルウッドに就職し,次いでハーバード大学に留学してMBAを取得.米国には著者のような者に適用される公的医療保険が存在しないことから,マサチューセッツ州では留学生の入学の際に医療保険への加入を義務づけており,一括年払いで数十万円の保険料を払い込んだものの,留学中に生まれた子どもの出産費用もまかなわれたほか,夜の韓国料理屋で(おそらく飲みすぎて?)救急車で病院に運ばれ,搬送費用だけで数十万円の請求書が届いて驚いたものの,すべて保険で支払われてほっとした,というエピソードも.

著者が経営に携わるライフネット生命保険では,付加保険料(保険料のうち,保険金の支払ではなく運営経費にあてられる部分)が純保険料の15%+αであり,他社に比べて割安であるということだけれど,まだまだ引き下げの余地はありそう.職域の共済生協の方が保険料が安かったりすることもあるし,親族の間に金融資産を多く保有する人がいる場合は,保険料相当額をやり取りすることで,親族間の相互扶助の一環として死亡保障を提供するという方法もとり得るのかもしれない.

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