みしっく今日のひとこと - 2010年1月


■2010/ 1/24(日)  土地区画整理の賦課金の立替払い

土地区画整理事業は,公共事業の中では微妙な存在.結構な額の税金が投入されるとはいえ,大都市などで実施される場合には,都市環境の整備のため必要な事業だと思うので,税金の無駄づかいとまではいえないと思う.

ところで土地区画整理事業というのは,高速道路やダムの建設などと異なり,国や地方自治体が実施するのではなく,土地所有者などが結成する土地区画整理組合が施行する場合が結構ある.

組合施行の場合,自治体から補助金が交付されるものの,事業の中で収支を合わせなければならず,地権者から費用を徴収する必要が生じることもある.これを賦課金という.賦課金は地方税の滞納処分の例によって市町村長が徴収することになっている(土地区画整理法41条)が,事実上なかなか徴収してくれないことがあるという.でもこの規定があるので民事上の差押えなどもできない.

そこで,組合をAとし,賦課金の滞納者をBとすると,AはBに対して強制執行できないけれど,関係者(組合の理事等)をCとして,BのAに対する債務をCが立替払いをすると,CのBに対する立替金債権は普通の民事債権になるので,差押命令も転付命令も申し立てることができて,結構そういうテクニックが駆使されることがあるらしい.

ちなみに,私個人は土地区画整理にかかわったことはない.人生の8割ほどを整備された市街地で過ごしていたし,5年半の間は,畑や果樹園に交じってマンションや戸建て住宅が建ち,その間を細い道路が蛇行する土地に住んでいたのだけれど,傾斜がちなこともあるためか,区画整理が行われる気配はなかったのだ.

昼食に敷き味噌豆腐を作ってみた.

敷き味噌豆腐というのは,1782年に刊行され好評をよんだ料理本『豆腐百珍』(Wikisourceや青空文庫にまだ収録されていないので,原文に目を通してはいない)に取り上げられている料理の一つ.器に味噌を敷き,花かつおをかけて,温めた豆腐を載せるというもの.味噌に練りごまとわさびが入っているのが特徴.

普通に作るととてもしょっぱい料理になってしまいそうなので(江戸時代の料理は概してしょっぱいものが多いような気がする),減塩の白味噌を使って,酒と水でのばして火にかけて練って,練りごまを加えた.最後にわさびを少々.

練りごまもおろしわさびも既製品を使ったので,とても簡単にできてしまった.豆腐はゆでてからゆで汁を捨てて,水気を切っておいた.わさびの風味がアクセントになって,花かつおが味噌と豆腐をつないでくれて,ご飯のおかずにぴったりだった.

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■2010/ 1/17(日)  しがみつかない生き方

香山リカ『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書,2009年)を読んだ.

香山リカ氏といえば,新聞雑誌等でおなじみの評論家.もう20年にわたって文筆活動を続けてきたのだそうで,さすが時代のトレンドをよく読んでいる,と思えるところがある.一方,私が言うのは何だけれど,論の進め方が強引なところがある.幻冬舎新書だからなのだろうか,それとも著者の個性なのだろうか.

「しがみつかない」という提案は,人生に少々疲れてしまっている人にとっては救いに違いない.努力すれば成功できる,成果をつかんだ人は努力が実ったから,という考えが支配的だと,ことに競争社会では,しばしば「ふつうの幸せ」を感じるのは難しくなってしまう.そこで,「仕事に夢をもとめない」(第6章)とか「お金にしがみつかない」(第8章)という考え方が見直されるわけだ.

さらに最終章で著者は「〈勝間和代〉を目指さない」ことを勧めている.勝間氏といえば,香山氏とは段違いの成功を収めている経済評論家で,最近は成功のための法則を次々と著作で紹介しているらしい.日本では「成功者」という用語もこれまであまり一般的でなく,「成功のための法則」を解説する書籍といえば,米国からの翻訳本が多く,日本人には少々なじみにくかったところ,勝間氏の著書はどれも実践的であり熱心な読者も多いらしい.

「〈勝間和代〉を目指す」というのは確かに過酷なことだと思うけれど,「しがみつかない」というのを生き方の根本に据えるのは,いささか消極的であるように思う.「しがみつかない,だけど学びあう」とか,「しがみつかない,だけど支えあう」というのが,個人の生き方としても,もっと広い社会全体の方向性としても,必要になってくるのではないか.

ここ2年ほど多忙のためほとんど衣服を買っていなかったものの,冬の寒さが厳しく,また次第に服がすり切れてきたため,久しぶりにユニクロへ.日経ビジネスでも紹介されていた「ヒートテック」という保温肌着を求めたのだけれど,残念ながらほぼ完売状態.かろうじて店頭に残っていた商品を2枚ほど購入したものの,体型に合うかどうか.

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■2010/ 1/ 5(火)  磁気式メモボード

明けましておめでとうございます.本年もよろしくお願い申し上げます.

白いボードに,付属の専用のペンを走らせることで,磁気を使って黒い線で絵がかけて,レバーなどの操作で一括消去できるという磁気式メモボードといえば,小さいころおもちゃとして遊んだりしたもの.

この磁気式メモボードが,最近は進化して,黒と赤の2色が使えるようになったものがあるのだと知った.開発元のページのほか,ITmediaのページに仕組みが載っていて興味深い.

少人数で図を描きながらディスカッションするときなど,ホワイトボードの設置されていない環境も多いので,紙とペンを使ったりするのだけれど,磁気式メモボードという選択肢もスマートかもしれないと思った.

蛇足ながら,磁気を使用する限り,原理的に3色以上は無理そう.3色のメモボードを考案した人がいたら,売れるかどうかはともかく,特許になりそうだ.

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