みしっく今日のひとこと - 2009年5月


■2009/ 5/15(金)  物権法メモ - 共有物の利用権について

共有持分を有する者はその物を賃借したり地上権者となることができない.その理由は,自己の持分について賃借権ないし地上権が混同によって消滅してしまうから,かつ,物の一部持分に関する賃貸借や地上権というものは観念できないから,だそう.

共有持分を有する者が自己以外の共有者の持分を賃借することができない(一部持分に関する賃貸借というものは観念できないから),というのはわかるのだけれど.

共有者は共有物の全部について持分に応じて使用をすることができるから,賃貸借等によらず,共有者間の約定によって特定の者が利用権を得て利用することはできるというものの,かかる約定には債権的効力しかないという原則のもと,通常の賃貸借に比べて利用者の地位が不安定になりそう.

A,B,Cが共有している物について第三者Dを賃借人とする賃貸借契約が締結され,賃借人が後に共有者共同賃貸人のうち1名Aの一般承継人となり,その後Bの有する持分がEに譲渡されたりBが破産してEが破産管財人に就任した場合,Eはどのような主張ができるのだろうか.Eが分割を請求することができるのはともかく,Dの利用権の帰趨が気になるところ.Dの賃借人としての地位は影響を受けないという結論になるとして,どのような構成になるのだろうか.また,DがAの一般承継人となるのではなくてAの持分を売買や競売で取得した場合はどうだろうか.

さらに,土地建物のうち一方が競売された場合,一定の要件を満たすと法定地上権というものが成立する(民388条・民執81条)のはつとに知られているところ,判例によれば,建物がA単独所有,土地がAB共有で,B持分に約定利用権が設定されている場合は,土地持分または建物が競売されると,Bの同意がない限り法定地上権は成立しないとされる(最判昭和29年12月23日・同44年11月4日)というのもあって,頭が混乱してしまいそう(だからといってBが当然に明渡しを請求することができるわけでもなさそう.最判昭和41年5月19日参照).

借地権設定者は,他の者と共に借地権を有することになるときに限り,自ら借地権を有することができる(借地借家法15条,自己借地権).これと逆に,他の者と共に借地権を設定するときの自己借地権も認められていれば,すっきりするのだけれど.

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■2009/ 5/ 9(土)  チロシン.

たけのこ水煮を買い求めると,節間に白い結晶・砂状のものが付着していて取り除くのに苦労することが多い.これはチロシンというアミノ酸の一種だということだけれど,ときどきこの白い結晶が含まれていないものに遭遇するので調べてみたところ,手作業によらずにチロシンを除去する方法が開発されているらしい.

具体的には,「タケノコに析出したチロシンの除去方法」という特許出願がなされていることを知った(特願平8−315434,特開平10−136927).出願人は東洋製罐株式会社.内容は,「チロシンが析出したタケノコを40〜75℃の0.2〜1.0%アルカリ水溶液に2〜20分間浸漬する。」というもの.従来法も併せて記載があるので,それに比べて進歩性があるのだろうかと疑問を抱くところもあるけれど.審査請求が行われなかったため,進歩性の有無を判断するまでもなく特許として成立しないことになっている.

水煮を買い求める際,この方法によるチロシン除去処理を経たものかどうか外から見てもわからないのがいまいちだ.

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■2009/ 5/ 5(火)  購入指南.

建築家 碓井民朗の良識あるマンション指南を興味深く読む.

私はマンションの購入指南はできないけれど,パソコンや周辺機器,デジカメや照明器具についてなら,技術トレンドを読みつつ要件をヒアリングして,選び方の方向性を提案することができそう.同じ情報・電気電子系ではあっても携帯電話市場の動向には疎いと言ったら驚かれるだろうか.

とはいっても,マンションはもとより,パソコンやデジカメなどの購入予定も当面ないのだけれど.

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