みしっく今日のひとこと - 2008年6月


■2008/ 6/ 7(土)  羽田空港国際化に思う

国土交通省の新しい方針により,2010年秋以降,羽田空港が国際化されることになりそう.5月20日の経済財政諮問会議で表明されたもので,昼間に年間3万回の発着回数で北京・台北・香港まで就航,深夜早朝は欧米も含む世界各地向けに,同じく年間3万回の発着回数を設定するという.

出張や観光に便利になりそうで,まずはめでたい.騒音問題への配慮は必要だけれど,羽田空港は主に海上からのアプローチをとるため成田空港に比べて騒音の問題は少なさそうで,騒音の低い機体であれば地域住民が安眠を妨げられるということはないものと期待したい.

ところで,羽田空港はこれまで原則国内線用に利用されていて,今回の方針見直しでも昼間は増枠分を近距離アジア・ビジネス路線に振り向けることとしているが,さらに踏み込んだ施策を求めたいところ.

具体的には,国際旅客需要に応えるため,国内線の減便にも踏み込むべきではないか.

日本の交通政策には,道路,空港,鉄道,港湾と,縦割りによる弊害がみられる.この話もまさにそれで,首都圏空港の容量が慢性的に不足しているのだから,鉄道で代替不可能な需要から優先的に空港の容量を使用し,伊丹・岡山・神戸行き路線など,鉄道で代替可能な需要は鉄道に転移させるといった方向に持っていってほしい.発着枠の分配を裁量的・行政的に実施しようとすると関係者にしこりが残るし,政治的圧力などにより効率的な割り当てが行われないことがあるから,たとえば「混雑空港発着税」(仮称)のような制度を設けるなどの経済メカニズムを導入することで達成する.それほど難しくないはずだし,そうするのが望ましいと思う.

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