みしっく今日のひとこと - 2004年2月


■2004/ 2/29(日)

こあらさん・しばさんと六本木ヒルズ周辺へ.

海南鶏飯食堂でチキンライス.麻布十番の浪花家総本店でテイクアウトした鯛焼きは,ひなびた粒あんの風味が格別で,皮が薄くてパリパリなのもよかった.

いったん広尾方面に出て,麻布ナショナルマーケットへ.二子玉川の明治屋よりもいっそう欧米的な品揃えで,レンズ豆水煮缶,いんげん豆水煮缶,びん詰めの黒オリーブ(種抜き),タイ米 2kg を購入.広尾駅至近にこれほど異国情緒あふれる食料品スーパーがあったとは!

六本木ヒルズは,石で覆われたような街区.いたるところアジア的でごちゃ混ぜな景観が支配している東京都心部の中に,西欧的な空間が誕生したというかっこうで,恵比寿ガーデンプレイス再来といった感がある.それだけでなく,アップダウンがあるのが変化をつけていておもしろい.クリスタルガラスの店,バカラでは,きらめくドラえもんを鑑賞.相応のお値段だけれど,これって実物のクリスタルガラスの品を手に入れる必要はなくて,最近は CPU も速くなっていることだし,Shade などの 3D レンダリングソフトで適当に形状を作ってレンダリングしたらそっくりなのが作れるのではないかなどと思ってしまう.

Toraya Café で,白あんのカステラ.隠し味に白味噌が入っているものの,味噌松風のようなものかと思うとそうではなくて,あくまで洋菓子に和風のフレーバーをプラスしたという仕上がりになっている.とても現代的な,話題を呼ぶために作ったようなお菓子だ.ここのあんパンは中のこしあんがとても上品な味でおいしかった.

森都市未来研究所で都市模型を見る.ニューヨークと東京と上海.建物はみなマッチ箱のような小ささではあるけれど,上面だけでなく横面もていねいに再現しているし,戸建住宅までも作り込まれている.上海の都市模型は,サイズの点からいっても完成度の面から見てもつけたりのようなもので,これがあえて付け加えられていることには強いメッセージ性を感じずにはいられないし,「高い視点から立体的な模型を見比べることで、各都市の特徴や街づくりの手法の違いを実感できるという」(Yomiuri On-Line)などといった生やさしいものではない.しかしそういった重いイシューは脇において,行ったことのあるビルや公園,ランドマークといったものを見つけてははしゃぐという楽しみ方がおすすめなのかもしれない.

49階のライブラリーへ.広い窓から外を眺めつつ,武蔵野は月の入るべき峰もなし 尾花が末にかかる白雲,と言うけれど,そのだだっ広い平原を埋めつくした人間の営為に思いをはせる.永坂更科 布屋太兵衛でそば.


■2004/ 2/28(土)

BSE 問題で牛丼の販売をほぼ休止した吉野家に行ってみた.牛丼の代わりに,カレー丼をはじめ,麻婆丼,いくら鮭丼などの丼ものを提供している.米国からの牛肉の輸入が再開になったらこれらの商品は販売取りやめになるのだろうから,いまのうちに食べてみるに越したことはない,と,麻婆丼と生野菜サラダを注文.

来月の Diskuto の会のテーマについて調べる.鉄道運賃制度に関する問題と改善方策−大都市圏を対象として−が一番議論が整理されていてわかりやすかった.ほかに共通運賃制度の導入による所要時間短縮効果に関する研究も.


■2004/ 2/27(金)

出張で作業.97年発行の千葉県区分地図を持っていく.97年の Interop にはるばるムーンライトながらで来たときに買って持ってきたもので,そろそろ新しい地図を買った方がよいのかも.

今週の Time の旅行欄に,イギリスの運河観光の話が載っていた.以前イギリス運河旅行記を読んだときには,運河をリノベートして観光客に使ってもらおうというアイディアは理解できたものの,水がよどんでいるんじゃないかとか,ロック(水をせき止めるための水門.これのおかげで,傾斜に左右されずに航行することができる)を越えるのは大変そうだし,周りに見るものもあまりなさそうだし,とか思っていたけれど,この Time の記事の写真を目にして,印象ががらりと変わった.ロックが続く場所をやや上から見下ろしつつはるか遠くまで視野に取り込んだ写真を撮って,色調を鮮やかにしただけなのに,急に運河旅行が魅力的な選択肢に思えてくるから不思議なものだ.

ちなみにこの記事の題名に Canal Plus とあるのは,フランスのテレビ局の名前とかけたもの.


■2004/ 2/24(火)

韓国のチョンセ制度というのは,敷金保証金に当たるものをかなりの額無利息で預けることにより契約期間中の家賃の支払いに代えるという取引方法.チョンセの一部を割り引いて,毎月家賃を支払うこともあるものの,いずれにしても,敷金保証金が相当多額であるという関西地方に比べてもさらに多額であることが特徴である.チョンセは契約終了時に返還され,敷引きに当たるものがあるという話でもないので,家賃の一部が前払いされているというのではない.そうすると,将来の不動産価格が平均的には現在と同水準であるという期待のもとでは,売買価格よりチョンセ価格の方が,経年減価・市場全体の変動リスクによるプレミアム・メンテナンスコストの分,高くなるはずなのだけれど,実際はチョンセ価格は売買価格の5割〜7割程度なので,そんなに不動産価格が右肩上がりするという期待が強いのか,と,不動産価格が名目ベース・実質ベースともに下落している日本から見ると途方もないことのように思っていた.それで一昨日 A に聞いてみたところ,アクセスがよくて古い物件の場合はチョンセが売買価格より高いことがある,とのこと.変な話だけれど,少し安心した(ただ,チョンセは一定の手続きを取れば目的物の上に物権的効力が生じるのだけれど,売買価格より差入れチョンセ金が多額であれば,たとえ優先する抵当権などが設定されていなくても担保割れ状態になるので,他に担保や保証人を徴求しなければ返還に不安が残ってしまう.どう対処しているのかは謎).

発展途上国では貯蓄が少なく,特に長期融資の額が少ないので投資が阻害されるという(日本だってつい数十年前まではずっとそうだったのだ)けれど,それを補う一つの方法としてチョンセ制度が歴史的な役割を果たしていたのだと思うけれど,不動産価格が速いペースで右肩上がりするという前提が崩れれば,役割を終えるということになるのかもしれない.


■2004/ 2/22(日)

千駄ヶ谷・信濃町駅近くに佐藤美術館という小さい美術館があって,招待券2枚組の1枚を譲ってくださる方がいたので,今日が最終日の展覧会を見に行く.現代日本画の旗手展と名づけられた展示で,品数は少ないものの,北田克己「水辺のロッジア」の,実物でないと表現できない微妙な色合いなどを気に入った.

早稲田へは電車だと遠回りになってしまうので,都バスを利用.東京っていまさらながらペンシルビルが多すぎだ,と嘆く.

Diskuto の会.韓国から引っ越してきた paro も参加.会場を後にして外に出たとき,A が「Mi sentas odoron de pluvo.」とつぶやいていたのが妙に印象的だった.


■2004/ 2/21(土)

私のサイトから3ホップの,文月ひなた氏のサイトが閉鎖されていることを知った.むう.

ねぎや.職場の PC の壁紙に使ってみようかしらん.

道路標識の「止まれ」,逆三角形の赤い標識や,停止線の手前に白いペンキででかでかと書かれている,あの,「止まれ」について,ケンタロウ氏(イラストもこなす料理研究家)が,エッセーで苦言を呈していた.止まれとはなんだ,と.

で,ケンタロウ氏提唱の代替案は,「止まる」に書き換えようというもの.思えば,ドアだって「押せ」「引け」ではなく「押す」「引く」ではないか,と.

「日本は反省しる!」というプラカードを一瞬思い出すけれど,「しる」と違って「止まる」は文法的には正しい.韓国ではどうだろう,と思うと,そのどちらでもなく,「停止」なのだった.「ゆずれ」が「譲歩」になるのと同様か.その一方で「徐行」は「ゆっくり」(천천히)になるので,漢字語が一般的に好まれるのでもない.ドアの標示は「미시오」「당기시오」,どちらも尊敬の補助語幹をはさんで中称の命令の終結語尾が付いた形.よほど動詞を原形のままで使うことを避けたいのだろうかとも思うけれど,日本語に直すと文字数が多くなってしまう敬意のレベル(略待上称と同じくらいになるのだろうか)を簡潔に表現する形があるからそれを使ったのだという考え方もできる.「止まれ」を「止まる」に書き換えたら,標識を無視する車が増えてしまいそうな気もするけれど,威圧的だとかいう議論は脇に置いても,簡潔性を重んじるなら日本語でも何語でも原形を使うのがよいという結論になるに違いないことは確かだ.

蛇足ながら,フランス語では,ドアは「Poussez」「Tirez」なので命令形.道路標識はどうだったっけ.製品の警告表示などは不定形をそのまま使うことが多い模様だ.


■2004/ 2/20(金)

洗濯をして,ぼんやりと RFC の翻訳の読み比べなど.

Takahashi さんが1月23日の日記でいみじくも指摘していること,すなわち,「とほうもなく広大なウェブスペースは、人ひとりぶんの気まぐれな妄想すらカバーできない」「人々の奥深い妄想が書き込まれるのは、日々増殖する無数のhtmlファイルでなく、数個の検索窓であり、書き込まれた妄想は──ログの中に残ることはあっても──検索エンジンを通過して消える」に触発されて思ったこと,いくつか.

民法,商法のような基本法に関する用語は,検索NGワードに近い存在.あえて検索しても,この日記も含めてほとんど参考にならない文章しか見つからない.例外となるのは,松岡先生のレジュメのサイトぐらいだろう.何かお金が動くような実務に関する用語とか,最新の制度に関する用語については,これと反対で,ウェブ上の情報が実に充実していて貴重なのだけれど.

企業というのはあらかたホームページを持っていて,いろいろな情報を載せているのか,と思うと,これがけっこうそうでもない.町の八百屋さんなどでなくても,ドメイン名は取ってあるけれど使えるのはメールだけとか,ホームページはあるものの,会社概要しか載せてないということが意外に多いのに気づく.

アクセス制限をかけているのではないのに検索に引っかからないサイトというのもある.つてで広がるのだろうか.つてで広がらないサイトもあるというもの.

ウェブサイトが生まれては消えるのは不思議なことで,その過程に込められているいろいろな願いのことを思う.


■2004/ 2/18(水)

志をしっかりと持っていれば,つらいことがあっても耐えることができるというのが普通の考えだけれど,志を共有する仲間がないとやはりしんどいものだと思う.アジアの国々をフィールドにする NGO の事務局員を始めて2年か3年になるはずの某や某などを,その点ではうらやんでしまう.仕事を通じて自らを成長させてこそ夢も一歩実現に近づくと,頭ではわかっているのだけれど.

理屈や指揮系統だけでは人は動かない.心で何を言おうとするのか,どれだけ仲間意識を持って理解し,それを人にどう伝えるのか.と言ってみても,なかなか難しいものである.


■2004/ 2/16(月)

週初めなので,思い立って,出社時にひと駅手前で降りて歩いてみた.風が強いものの,見慣れない街並みを眺めながら歩くのは興が乗るものだ.


■2004/ 2/15(日)

DNS 関連2題.

「.museum」が国際化ドメイン名の登録を開始.トップレベルドメインが増えれば増えるだけ,欲しいドメイン名がすでに他の組織に取得されていて取れず,末尾に「inc」とか「-j」などの余分な文字を付け加えたり組織名そのものを変更することを余儀なくされることが少なくなることが期待できるので,どんどん増やしてほしいものだ.ちなみに,乱暴な比較ではあるけれど,日本の会社名は最小行政区画ごとに一意であるなどの条件を満たせばよいので,同一の社名を持つ会社は数千社ほども存在し得ることになる.

ルートネームサーバ(B.root-servers.net)のIPアドレスの変更について.J のアドレス変更はおととし11月のことだったから,1年3か月ぶりか.


■2004/ 2/14(土)

財団法人省エネルギーセンター主催の,ENEX2004 第28回 地球環境とエネルギーの調和展へ.渋谷から埼京線に乗り,直通のりんかい線国際展示場駅で降りて東京ビッグサイトへ向かう(りんかい線は大崎始発の列車が多いため,渋谷から山手線で大崎まで行って乗り換えた方が賢いことに後に気づく).

東京ガスのスペースでは,販売開始がいよいよで期待が持てる家庭用燃料電池コージェネシステムと,すでに販売中の潜熱回収型湯沸かし器を見る.潜熱回収型湯沸かし器というのは,普通の湯沸かし器に比べて排気ガスの温度が低い湯沸かし器ということで,従来のものに比べて仕組みが大幅に変わったわけではないけれど,燃焼ガス中の水蒸気が結露するときに周囲に熱を与えるのを利用するので,だいぶエネルギー効率が違うらしい.

東京電力のスペースでは,IH クッキングヒーターを使った調理実演を首を傾げつつ見る.火力,清潔,便利,安心というのが売りだけれど,火力は十分としても電力の最大消費が 3.0kW というのはいかにも大きすぎるし,清潔・便利という点は最新のガスコンロと比べてまさっているとはいえない.唯一合点がいくのは,炎を使わないのでお年寄りなどに安心という点のみである.

電力系では,一人乗り電気自動車はなかなかよいかもと思った.CO2 の排出量が原付に比べて 1/4 となるのが唯一最大の売り.弱点はいろいろある.鉛蓄電池を搭載しているので車両自体が 300kg 程度の重さになり,その割には1回の充電で 40km 程度しか走れず,充電には8時間かかるらしい.加えて,CO2 の排出量はともかく,燃料費で比べるとガソリンエンジンの原付の方が割安になる計算.近場への小口荷物の配達などには適していそうだ.個人なら,自転車で行くにはちょっと遠い郊外立地のショッピングセンターに買い物に行くといった用途に使ってはどうか.

鉄道貨物のブースでは,日本通運が2トンコンテナのサービスを宣伝していた.普通の鉄道コンテナには5トン積めるらしいのだけれど,もう少し小口の貨物を運びたいときにはよい選択かもしれない.

三菱電機が,高効率の変圧器を展示していた.変圧器といえばごく古典的な機器で,改善の余地などほとんど残されていないのではないかと想像していたものの,磁区制御電磁鋼帯を使用することで無負荷損と騒音を低減し,高圧巻線導体を細分化し転位(ツイストペア化することをこう呼ぶらしい……)することで渦電流損を低減し,これらにより現行標準シリーズの製品に比べて損失を約半分にしたという.さっぱり訳がわからないながら,すごそう.

JFE エンジニアリングが,水和物スラリを展示していた.水和物スラリというのは,水和物の微粒子と水溶液の固液混相流体で,冷水の倍以上の熱密度を持つので,冷凍機から冷熱利用場所までの冷熱搬送媒体としてどうですか,と.搬送用動力が軽減できるから省エネになるというものの,あまり見慣れない有機化合物を大量に使うことになるので,廃棄時にはきちんと無害化処理できるのかどうか,漏出した際の対処はどうすればよいのか,気になるところではある.

北海道のある団体が,アイスシェルターの模型などを展示していた.冬の間の外気を取り込んで貯氷室で氷を製造し,夏場はその氷で空気を冷やして隣の部屋のじゃがいもを温度0℃・湿度90%の状態に保つという単純な仕組み(じゃがいも以外の農産物を冷やして貯蔵しておくことももちろん可能).貯氷室とじゃがいも室の容積比を 1:1 〜 1:2 にすれば,ひと夏もつらしい.貯氷室といっても,体育館みたいな大きな部屋に大きな水槽をすき間を空けて高く積み上げただけなので,雪を利用するのに比べてさらに手軽なのだという.それで,ブースに貼られていた説明書きに「明治時代に函館から氷を輸出していました」とあるのがなんだかおかしかった.幕末から明治の初めの間,氷はボストンからの輸入で非常に高価だったので,1871年夏から五稜郭産の氷が京浜市場に登場し,ボストン氷を駆逐してしまい,以来40年余り函館から本州へ氷が「輸出」されていたのだという.

昔話はともかく,いつも冷やしていないといけないものは涼しい地方に設置するのが吉,ということは,何十年か先,エネルギーの需給が逼迫して電力料金が跳ね上がったりしたときのために覚えておくといいことかもしれない.

東京ビッグサイトでの開催は今日までで,19日からは大阪会場に場所を移して21日まで開催される.


■2004/ 2/11(水)

宇奈月温泉事件のページ.権利濫用禁止の原則といえば宇奈月温泉.峡谷に刻まれた歴史ある温泉なのだそうで,判例を作る元となった引湯管の写真も掲載.

洋食器というと,規格化され大量生産される商品なのに対して,和食器は,和服と同様,むしろ趣味の対象となることを求めているかのような商品になってしまっているので,その独特の風合いを買うにしても,使いにくい存在である.とかく手入れが面倒だったり,品種が多すぎるため,壊してしまっても買い増すのが難しかったり,概して高価だったり,色や模様があるので料理と合う合わないがあって,同じサイズの皿を色違いで揃えないと不調法になってしまったり.それで無印良品に行ってみたところ,カラーは白と黒の確か2種類だけで,飾りは何もなくて,決まったサイズの陶磁器が大量に売り場に積まれているのを見つけ,これは和食器のテイストを保ちつつ洋食器のように合理的な使いやすさを追求しようとしたものなのだと気づく.古きよきもの,日本の伝統的なものを保つといっても,いままでと同じ商品を作り続けたり,一部の趣味人にのみアピールするものを作って狭いセグメントに逃げ込むというのではなくて,もっと広い市場で競争できるように意を凝らすことが必要なのではないかと.


■2004/ 2/ 9(月)

代休.

表参道のペルティエでケーキを購入.かりっとしてふわっとしていて,チョコレートの味に,甘くて酸っぱくて,スパイスやココナッツの香りがして,物を思わせる味.最近ケーキは外から見ただけで味がわかるような気がしていまいち買う気になれなかったのだけれど,このお店のはそうではないのだと.

昨日のまぐろの漬けたのは,おいしくできた.いつも作っていたのに比べてしょうゆの割合が少ないので,長く漬けていたのに塩辛くなりすぎなかった.霜降りにしたのもよかった.昆布は入れなくてもよさそうだった.

七戸克彦「民法2」(政治・秋集中) 2002年度試験問題(2003年2月4日(火)) 模範解答(?).ある学校の試験について,学生の誤答・珍答を集めたページ.2問だけ引用すると,以下の通り(引用に当たり一部を省略した).

次の各問の空欄を埋めなさい。(赤字は学生諸氏の解答例)
  1. パソコンを生協で注文したところ,約束の期日に配達されてはきたが,それが欠陥品で動作不良であったような場合は,債務不履行の中でも( かなり悪質 )といわれる類型にあたる。
  2. わが民法典の典型契約の中で( 異端 )とされているのは,消費貸借・使用貸借・寄託の3つのみである。

ひさびさに笑わせてもらった.

ちなみに問題文の方についていうと,学校の試験なので,たとえばビジネス実務法務検定では問われないような,学説・判例上の概念などについても出題されている反面,難易度は授業に出ているかノートを読んでいれば足りる程度のもので,100点満点が32名出るというのも理解できる.


■2004/ 2/ 8(日)

作業明け.

100円ショップで販売されていると思われる中国製デジタル時計を入手したので,さっそく分解してみた.外装はすべてプラスチックで,バンドの上側と下側が分離しておらず時計本体の上を通ってつながっている.部品点数を数えてみると,バンド1本,本体ケース1個,ばね棒2本,操作ボタン2個,液晶文字盤1個,文字盤レンズ(透明プラスチック製の凸円筒レンズで,文字盤の上下を引き伸ばして見せる効果がある),文字盤を囲む紙製の窓開き円盤,ここまでが外から見える部品で,計9点.内部に隠れた部品は,まず最初にプリント基板,この中央には半導体チップが1個載っていて,セラミックなどのパッケージングはされていなくて,接着剤のようなもので分厚く覆われている.縦10mm×直径2mmくらいの電子部品が1個だけはんだ付けされている.時計を裏返すと,液晶文字盤とボタン電池が円形のプラスチック製構造体に載っていて,その上に基板が4本のプラスねじで止められている.液晶文字盤の端にゴムのような弾力のある物体が1個付いていて,これが液晶文字盤の端子となっている模様.文字盤と接続されていると推測されるパターンは基板側には14本存在するけれども,これ1個で接続できてしまうのには少し驚く.一番上にアルミ製と思われるぺらぺらな板が乗っかっていて,操作ボタンの一方の端子がすべてこの部品でまかなわれていて,基板との間は先ほどのねじのうち1本によって電気的に接続されている.操作ボタンの他方の端子と電池の端子はどれも金属製の爪状の部品で,計5点.

外装も内側の電気的なところも,すべて部品点数や組み立ての手間が省けるよう,いろいろ考えて作られている様子が伺える反面,プラスチックレンズで文字盤を拡大して見せるというのは安価な時計なのに手が込んだ細工だと感心.

夕食のまぐろ刺身の残りでづけ丼を作ることに.いままでの作り方よりちょっと手をかけてみようと思い,酒・みりん・しょうゆ = 1 : 1 : 1.5 で,酒・みりんを合わせて煮切ったのにしょうゆとだし昆布を加えて,霜降りにしたまぐろを漬け込む.明日食べた上でどの工程が実際に味に反映しているのか見極め,省いても味が落ちないと思われる工程は今後は省くことにしよう.


■2004/ 2/ 7(土)

朝食に Smucker's のジャムを食べたので,メーカーのサイトを訪れてみる.

Smucker's といえば日本ではアヲハタジャムと明治屋のジャムの中間ぐらいのポジショニングかと思われるジャム屋さん(i.e. 輸入品だけど高級感はない).2003FY の連結損益計算書を見ると,売上高が13億ドル(四捨五入,以下同様),売上総利益が4.6億ドル.税引前当期利益が1.6億ドルと,それほど品揃えが広いわけでもない食料品メーカーにしてはかなり大きな企業なのだと判明した.これは,ピーナツバターの Jif,食用油の Crisco という2つのブランドを合併により手に入れたことにより数字が増えたのだけれど,2002FY でも売上高6.9億ドル.このほとんどがジャムやそれに類するものの売り上げなのだと思うと,くらくらする.


■2004/ 2/ 6(金)

代休.

2年前まで家で使っていた FreeBSD 環境では,シャットダウンせずに電源が落ちても書き込み中のファイル数個の内容が消え,サイズが0バイトになってしまう以外の不具合を経験したことがない.これはもちろん FreeBSD がデフォルトでメタデータを同期書き込みするからで,それに対して,Linux ではメタデータについてもデフォルトで非同期書き込みなので,しばしばファイルシステムが壊れてしまうらしいと聞いていて,Linux は一ユーザーとして大学で使ったことがあるぐらいなのであまり知識がないのだけれど,デフォルトが非同期な以上,おそらく同期にすると性能劣化が著しいのではないか,何か解決策はあるのだろうかと,@IT のLinuxファイルシステム技術解説などを読んでみる.結論としては,ジャーナル付きのファイルシステムとして ext3 と ReiserFS が実用レベルに達しており,ext3 はジャーナルがあるのに落とすと壊れることがある一方,ReiserFS に比べて特殊なシチュエーションでも使用可能なので,リカバリ用のフロッピーなどから読める必要がある必要最小限のファイルシステムは ext3,データを収めるファイルシステムは ReiserFS にするのが最適ということだろうか.

長編小説『チグリスとユーフラテス』の文庫版を読了.1日で700ページも読んでしまったのは,少しおろかなことだったかもしれない.表層的な部分では,「ひとめあなたに…」を長くしたような錯覚にとらわれる.小道具にわにのぬいぐるみが出てくるのも一緒.情緒的な描写が多く,最初のうちは SF の衣をまとった甘ったるい小説かと思っていたものの,読み進めるにつれて,作中の出来事の再解釈が何回も繰り返される,立体的な構造を持った作であることに気づく.同著者の他の作品と比較すると,ストーリー展開上の都合か,少し設定に強引なところがある反面,登場人物はみな違和感のない精神状態であるので読みやすい.


■2004/ 2/ 4(水)

山あり谷あり.世の中にまだまだ経験が足りないのだと思い知らされる.

最近,新生銀行ってどうよ?と聞かれることが二度ほどあった.一つは,株式の売出しをしているということで,投資先としてどうなのか,と.銀行という業種は製造業とか普通のサービス業に比べていろいろと難しいので,なんとも言えないとコメントしてみたけれど,考えてみると,「宝くじを買うのに比べれば新生銀行の株を買う方が経済合理的だと思う」と付け加えてもよかったかなと.ただ,これはたいていの企業について言えてしまう気がする.

もう一つは,預金先としてどうなのか,という質問.これは微妙.公的資金が入ったので経営体力に不安はないのかもしれないけれど,サービスは都銀などの画一的なメニューとは異なり,いろいろ特色がある模様で,人によってそれがいいという人とそうでない人がいるのだと思う.ただ,ネット振込手数料が無料というけれど,他行宛振込の場合には振込先の銀行から手数料を取られて新生銀行側が赤字になってしまうはずで,いつまで続くのだろうという率直な疑問がある.


■2004/ 2/ 3(火)

少し暖かくなった気がしたので,いつもと違う服を着てみようと思い,明るい色のズボンを押入れから取り出して着てみた.アイロンをかけていなかったことに気がついたものの,時間もないのでそのまま着用.やる気ないなあ.


■2004/ 2/ 1(日)

入相の鐘の音を聞きつつ,日本における航空政策について考えてみた.

航空業といえば,規模の経済が働く一方で,事業に不可欠な設備である空港が主に国など公共セクターによって整備・運営されているという特徴がある.ここ10年ほどの間の日本の航空行政を振り返ってみると,運賃規制・参入退出規制を大きく緩和するとともに,羽田空港の発着枠を新規参入企業へ優先的に割り当てることによって,新規参入企業を育成し,航空運賃の引き下げを実現したということができる.地方空港間を結ぶ不採算路線の廃止が相次ぐという問題が発生し,また,既存航空会社には痛みを強いたものの,いままでのところ利用者の利益を達成できており評価できる結果となった.

安全や弱者保護のための規制,商品内容を説明するよう義務づける規制まで取り払ってしまえという主張は是認することができないけれど,既存企業の高コスト体質を維持するのみの規制を緩和し,新たな政策的な措置(見ようによっては規制強化である)をタイムリーに実施することにより所与の目標を達成することに異論は少なかろう.

ただ,熱心に地方空港の整備を進めつつ,ボトルネックとなっている羽田空港の拡張に早期に着手しなかったのは,おそらく政治的な利害に誘導された結果であろうが,利用者の利益からはかけ離れた態度となった.

また,新規参入企業にも倒産が相次いでおり,今後,米国で起こったように,使いにくい割引運賃の水準のみが低下し普通運賃が高騰してしまうことになれば,政策転換を求める声も出てきそうである.