みしっく今日のひとこと - 2003年5月


■2003/ 5/31(土・日勤)

あーあ,また失敗しちゃったよ,とため息をついていても仕方ない.ゆでたそら豆の皮をむいては口に運びつつ,私にとってのリアリティといえば,私がいまここにこうして生きているということ以外にはなくて,それ以外のあらゆる物事は時間の function でしかないのだ,などと思い返す.

(x(t), y(t)) = (cos t, sin t)
ではないとしても,一般に,T が存在して
(x(t + T), y(t + T)) = (x(t), y(t))
だったらとても残念だ.

プリンタ到着.マニュアルの書きぶりに目が行ってしまったり,サポート窓口側の体制はどうなっているのだろうと思いをはせてしまったりするのは,職業柄だろうか.やっぱりいままで販売したプリンタは全部動かせる状態で検証用に取ってあるのかな.


■2003/ 5/30(金・特休)

海外旅行保険をバラ掛けしようと思っていろいろホームページを見てみたところ,なかなか思うようなものがない.電話で問い合わせたところ,どうも私の欲しい契約は対面販売でないと手に入らないらしいことが判明したので,近くの代理店へ.低層の小ぎれいなビルの1階に入居する代理店で,貨物保険の話なんか聞きつつ手続きを行う.地域密着を標榜する代理店で,契約の件数はそこそこあるというけれど,考えてみれば割に合わないコストがたくさんかかっているに違いない.自動車保険とか火災保険をこういったところで契約するだろうかと考えてみると,いまはディスカウント商品がいろいろ出ているので,自分の親類にそういった代理店があるというのでなければ頼みはしないのだと思う.損保代理店というビジネスモデルの将来性には,やはり疑問符がついてしまいそうだ,と感じることしきり.

夕方に出た渋谷で.「10分1,000円」をスローガンに展開中の,新しいビジネスモデルのカットハウスに入る.髪を切ってくれる店員さんが4人.店内に待っている客が5人.思わず,学校で勉強した待ち行列理論で待ち時間を計算してしまった.平均が10分なのはわかったけれど,σはどのくらいなんだろうなどと考えているうちに,計算より7分ほども早く私の番がやってきた.なぜ予想が当たらなかったのだろう…….


■2003/ 5/29(木・宿明)

4時20分ごろから仮眠をとって,寝坊してしまった.寝すぎです.何も起こらなかったのが幸いだけど,I さん T さんごめんなさい.腕時計のアラームが鳴るようにしておいたものの,腕が掛け布団の下に入っていたため鳴っても気づかなかった模様.腕時計は頭の近くに置いておかなければ.

本棚から,パリで発行されていた日本語情報誌 bisou が出てきて,懐かしむ.取ってある号は no. 18「パリのサロン・ド・テ」と no. 20「美食の国フランス」だけで,いずれも 2001 年発行と古いので,もう発行していないだろうかと思ってホームページを久しぶりに見たら,やっぱり3年で最終号を迎えたとのこと.残念だ.代わりに,「フランスで子育て中の日日家族,日仏家族に役立つ情報を提供する」 bisou famille というのを出しているらしいけれど,要りませぬ…….でも表紙がカラーになったのはすごい.

プリンタ買ってフランスの週刊誌の記事をダウンロードしてプリントして通勤電車の中で読む計画を再始動.プリンタとの付き合いは長く,昔はシートフィーダなんて別売りと決まっていたものだっけ,と懐かしんでしまうものの,ここ4年ほどはプリンタを手放してしまったこともあり,最近のこの世界の長足の進歩にはまったくついていけてない.HP とかレックスマークって,全然なじみがないメーカーの商品なども眺めつつ,そう再認識させられる.

メーカーは,とりあえず有名なので・前使ってたプリンタが割とよかったので,エプソンにして,「普通紙くっきり」というのにひかれて,PX-V700 を注文.解像度は低いものの,顔料インクなのでにじみにくいし耐光性もよいという.


■2003/ 5/28(水・宿直)

遅く起きて,2000年度分の教務関連の書類をシュレッダーにて処分する.まだネットバブルがはじける前の時期.アドバイザの一人が水産学出身の先生で,「国土の狭いわが国でインターネットによるオークションが普及するか疑問である.むしろ鮮魚の取引のような分野で利用されるのではないか」などとユニークなコメントをいただいたのを,書類を眺めて懐かしく思い出す.だからというわけではないけれど,「Poisson 終了オークション」なんてのを一時期調べていたこともあった.単に,終了時刻があらかじめ決まっていなくて,終了の発生が Poisson 過程に従うようなオークションという話なのだけれど.poisson というのはもちろん魚のことだけど,そういう名前の数学者がいたのでそういう名前になっているというもの.Poisson の伝記を読むと,ほかにも Poisson 積分,Poisson 方程式,Poisson かっこ,Poisson 比,Poisson 定数といったものがあるらしい.


■2003/ 5/27(火・日勤)

東急の広報誌に,まもなく閉館となる東急文化会館を惜しみつつその先進性をたたえ,いかに東急沿線の住民に貢献したかを誇る趣旨の記事が載っていた.オープン当時のビル管理スタッフは,電気保守係,ボイラー係,守衛各10名に,電話交換手8名,駐車場係2名だったという.電気保守係とかが各10名というのは,3交替制の運用班が4班あって,各班2名ずつ,保全工事班が2名で,合計10名という感じだろうか,それにしても贅沢な人員配置だ,と感心.いまはもちろん外部委託でリモートオペレーションになっているのだろうと想像するけれど.古きよき時代である.


■2003/ 5/26(月・日勤)

地下の食堂にちょっと遅く食べに行った昼食は,さんまの竜田揚げ.小骨がのどに引っかかってしまった.

退社しばらく前に,地震.でも私の仕事には特段影響がなかったので,予定通り退社.

無印良品のタオルをおろす.普通タオルというと,やたらと毛羽立っていて,雰囲気は豪華だけど実際の使い心地はいまいちだったりするもの.このタオルは,まるっきり起毛はしていなくて,代わりに生地自体が厚手でベルギーワッフルみたいな模様が織り込んである(「蜂巣織」というらしい)のがほどよいアクセントになっている.無地なのもいい.


■2003/ 5/25(日・週休)

友人たちとケーブルカーに乗り,奥多摩の御岳へ.奥の院・鍋割山まで行くと,観光客の姿もなく,静かでいい感じ.戻ってなごむ.御岳ビジターセンターに行ってみると,予想に反してとてもアクティブな展示ばかりでおもしろかった.解説員の人がたぶん意欲的なのだと思う.立川で晩ごはん.


■2003/ 5/24(土・週休)

遺言書を作成.遺言といっても,単に死後に備えて残す言葉というのではなくて,死後の財産上・身分上の法律関係を定める法的な文書のことで,法化社会に生きる個人には必須のアイテムではないかと思うけれど,なぜか一般にはあまり普及していないもの.法律上いろいろと難しいこともあるので,多額の資産を持っていたり事情がややこしい人は専門家に相談した方がよいようだけれど,私はどちらにも当てはまらないので,自作することに.とはいっても,定型文があらかじめ印刷されているもの以外の法的文書を作成するのはほとんど経験のないことだし,文書の性質上書き間違えたりすると取り返しがつかないし,厳格に方式が定められているものなので,わずか数行とはいえなかなか緊張してしまった.この文書が効力を発生しないことを祈りつつ,封をして表書きをする.

午後は,早稲田で議論の会.夕食は沖縄料理.


■2003/ 5/23(金・宿明)

この業務では英語を使うことも多い.その割に部署全体では英語の得意な人が少ないのは,やはり考えて人を配置しているのだと思うけれど,周りで英語英語と言い出したら,語学が不得手な人は自分の全能力と将来を否定されたように感じるだろうし,疎外感が強まるのだろうな,と.社会全体の動きとして,これから数十年で国境を越えた経済的・社会的交流がさらに盛んになるだろうというのは容易に予想がつくし,英語ができない方が楽しいということはないので,英語ができなくたってかまわないと開き直るのはかなりの勇気を要するし,語学というのは,それ以外の技能に比べて,わかる人には何の苦労もなく,「何で読んでわからないんだろう,だってそう書いてあるじゃん」といった感じで,わからない人の立場を理解することが難しいものだから.

英語ができないと悩んでいる人に「努力すればいつかは上達するよ」と励ますのは,全然相手の気持ちを理解してはいないのだ,と遅ればせながら気づく.


■2003/ 5/22(木・宿直)

泊まりの日は,ちょっと憂鬱.カーテンを閉めて,寝る.ときどき起きてご飯を食べたり.


■2003/ 5/21(水・日勤)

派遣元の部署の決起集会 & 新入社員歓迎会と銘打った飲み会.正直,品がなかった.居酒屋だとどうしてこうなってしまうのだろう.

某旅行会社から,「【仙台発】<1ヶ月FIX>アシアナ航空で行くイスタンブール」という航空券が出たことを知る.アシアナってかつての日本の全日空と同じような位置づけなので,アジア域内は国際線も多いけれど,アメリカへは限られた目的地のみだし,ヨーロッパへの国際旅客線は絶無.だと思っていたけれど,イスタンブール・フランクフルトへのフライトができたようだ.大韓航空は私の基準に引っかかっていて利用を自粛しているけれど,北回りだし,アシアナなら条件次第で使えそう.


■2003/ 5/20(火・日勤)

昼食後は,地下にもぐって,

ドアの向うに人がいる
静かにあけよう……ヨシ!!

なんて貼り札のあるドアを通ったりしつつ,軽やかなリズムとともに定例作業を進めるのは,まるでもぐらの気分.もぐらって地面の下でほかのもぐらとぶつかったりしないんだろうか,もしそうなったときにはどうするんだろうか,などと余計なことを考えてしまった.


■2003/ 5/19(月・日勤)

通常のサイクルでは週休になる日なのだけれど,そうすると6週間=7サイクルの間に週休が 2日 × 7回 = 14日 入ってしまうため,それを避けるための日勤の日.2時間年休を取得して11時30分に出社するものの,あらかじめ割り当てられている仕事はなく,打ち合わせその他いろいろで優雅な日を送って,19時ごろ退社.

夕食には,あさり・豆腐・レタス・ねぎ・にんにくのスープを作る.ごま油が入っているので,ちょっとこってりしていて充実した味わい.


■2003/ 5/18(日・週休)

世間が休みの日の休日は,1か月ぶり.街は活気があるというか,混雑しているというか.新鮮なものだ.

溝の口に出かけて,チコリコーヒーとベニエ.輸入食料品店で,知名度はあるが高級感のないジャムのシリーズを出しているスイスのメーカー(日本でいえば明治屋のようなものか)が,差別化を図った高級ジャムを出していることを知り,2個ほど購入してみる.

岩波新書で,森 清という人の『仕事術』という本を読む.比較的最近の,99年に出た本.著者は「公私融合」をキーワードに,組織に従属せず個人のスキルを高めることの大切さ,個性を生かした仕事が必要とされていることを説くものの,多くの仕事は組織的なサポートがあってこそなし得るものだったりチームで取り組むことが不可欠だったりするので,なかなか.最近は弁護士さんとかでも組織的に大規模な仕事を進める人が出てきているようだし.SRA 近藤博次氏ほどの人であれば苦もないのかもしれないものの,私にはいまのところ具体化できない話ではある.ひとまず心の片隅にとどめておこう.後半部分の各論は,「手の技術」「縁の技術」「知の技術」「育む技術」として仕事上の技術を分類考察するもので,中小企業の工場で長年勤めた経験を生かしつつ著者独自の洞察を加えてまとめられていて,なかなか参考になる.

エスペラントの studio という語には,「ワンルームマンション」という意味はないんですね.moderna unuĉambra apartamento といったところでお茶を濁す.unuĉambra という語で Google を引くと数例見つかって,「(議会が)一院制の」とか,「(比喩的に)(心が)一部屋しかない(=ひとつの考えに心を奪われると他のことを考える余裕がなくなる)」という意味でも使われるらしい.うーん.


■2003/ 5/17(土・宿明)

カーテンを新調してから初めての明け.カーテンは,さすがのひとことに尽きる.布地自体から漏れ出る光はごくわずかで,真昼でも夕暮れ時のように暗くなる.ぐっすり眠ることができた.


■2003/ 5/16(金・宿直)

12日に発覚して以来懸案となっていたクレジットカード問題は,バックアップ用に別の会社で申し込んでいたカードが届いたので,無事解決.

フランスの民宿なんかを予約しようとすると,いまではインターネットでできるところが多くて便利ではあるのだけれど,鉄道の駅とかバス停とかに十分近いかどうかが明記されていないものが多いので,おいそれと予約できない.この前アイスランドで町の中心部から 5 km 離れた場所に宿を取ってしまって難儀した経験もあるので,慎重になってしまう.

ラジオフランス語講座では,フランス語の地域言語のひとつ,ブルターニュ語の録音が流れた.ちょっと聞いた感じではフランス語にそっくりなのだけれど,よく聞くと一語一句まるで理解できない全然別のことば.ブルターニュ語で教える学校もあるらしく,その辺は日本の地方言語とはちょっと状況が違うのですね.


■2003/ 5/15(木・週休)

予定では日勤だったところ,勤務の変更があって,週休に.このところ自信喪失気味につき,あまり出歩く気がせず,雨でもあるので,部屋でひっそり.どこかでボタンをかけ違ってしまったに違いないけれど,背伸びしすぎない方が.

バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳.コンセプトは,「にわか法律家の真紀奈が法律関係のニュースについて紹介、およびわかりやすく解説……できればいいなあというもの」.ネット関連の知的財産法についてはけっこう詳しく,参考になる.ただ,バーチャルネットアイドル何某のパロディにする必然性はいまひとつ不明.

近頃 KOKIA がネット上で評判.なかなかいい歌声の人らしく,ぜひアルバムを手に入れたい,とこの間 CD ショップを探していたのだけれど,何軒か回っても見つからず.少し前に出たアルバムなので新品だと手に入らないのだろうかと考えてブックオフに出向いたものの,やはり見当たらない.万策尽きて入手を断念しようかと思っていたところ,]ふと amazon.co.jp という手があることに気づき,検索してみると確かに注文は可能な模様.ブックオフでは別の本を買ってしまったし,このところ買い物続きなので,心理的に買い物は控えたい気分だけれど,しばらくしたら注文してみよう.

夕食は,あじの塩焼き.ちょっと小さくて「から揚げ用」として売られていたものだけれど,とても新鮮で,おいしい.


■2003/ 5/14(水・日勤)

さいたま市浦和区常盤かいわいの高層マンション乱立についてのアサヒ・コムの記事.この地域は実態としては住宅地なのだけれど,何十年も商業地域に指定されていて規制が少ないため,マンションが乱立してしまって住環境の悪化を招いているのだという.「商業地域でマンションを購入するのは非常にリスクが高いということの認識が一般に足りない。すぐ南にまた高層ビルが建つ可能性があることが納得できなければ、本来は購入するべきではない。その土地のブランドイメージや間取りだけで選ぶのは危険だ」と自己責任原則を強調するコメントを読んで,いろいろ考える.本当は,不動産の取引を行う際は売主が買主に対して物件に内在するリスクをいま以上にきちんと説明するようにするべきなのだと思う.「敷地の用途地域は,商業地域です」ではなくて,「敷地の用途地域は商業地域であるため,以下のリスクが存在します.1)本物件は住居地域であれば建築が許されない設計で建築されているものの,周辺の現況は住宅地であるため,本物件が周辺環境の悪化を招いたと主張する,特にすぐ北側の周辺住民との間でトラブルが発生するリスクが存在します. 2)周辺,特にすぐ南側に高層マンションが建設された場合,日照が阻害されるなど住環境が悪化します. 3)将来用途地域が変更された場合は本物件に比べて床面積の小さい建物しか新築が許されないこととなるため,同じ床面積での建て替えができなくなります. 4)これらの結果,本物件の売却価格が下落するリスクがあります」と説明してもらわないと.最近は工業地域のマンションというのも売られているみたいだけれど,あれってどうなんだろう.


■2003/ 5/13(火・週休)

週休が平日であることを生かして,久しぶりに学生気分に戻って裁判の傍聴などしようと思い立ち,東京地裁へ.

午前は民事を何件かと,刑事を2件.裁判所というものは,午前中はあまり時間がかからない手続きばかり扱うもので,民事ならだいたい準備書面,書証,陳述書,などなど書類のやり取りと,決まりきった口頭での手続き進行,あとは日程決めなどが主なもの.1件などは,第一回期日なのに,いきなり原告代理人が欠席するというのまであった.訴状は擬制陳述になるのでかまわないけれど,次回期日を決めるのに自分の都合が反映されないのは欠席当事者にとって不利益なのかもしれない.

刑事は被告人がだいたいあまり同情できそうにない人たちなのでブルーなのだけれど.今日は事件を選んで,12年間という長期間にわたって日本に不法在留したとして起訴されたバングラデシュ国籍被告人の公判を聴いてみた.不法残留は犯罪であるとはいえ,窃盗とか詐欺とか,いわゆる悪事を働いたわけではないらしい.法廷通訳者さんのいる公判を見るのは初めて.今日は第一回公判だけれど,特に事実関係の争点もなく,嘆願書も上申書も何も出ず,ものの10分もたたずに終結.3週間ぐらいして判決を言い渡すのかと思っていたら,その場で言渡しがあったのが興味深い.そうそう,京都では被告人が裁判官と対面する形だったけれど,こちらでは弁護人の前の場所に腰かける形式なのはいい点だと思う.

昼休みには地下の食堂でご飯を食べて,売店では京都にいたころから欲しかった本の続編を手に入れる.午後はまず,ラウンドテーブル法廷での口頭弁論.ラウンドテーブルって,話にはよく聞くのだけれど実際に見るのは初めて.雰囲気が打ち解けるし,当事者がいちいち立ち上がらなくても発言できるのがいい.次は,某証券会社が被告になっている事件の証人尋問.株の信用取引で大きな株数建てて損を出した顧客が,無断売買や断定的判断の提供による違法な勧誘があったとして証券会社を訴えたもの.委託保証金代用有価証券として他人所有の株券を差し入れていたり,バブル崩壊前の事件につき営業担当者も当初原告も死去していて,当初原告の夫が承継人として当事者になっていたり,被告も当時とは社名が変わっていたりと複雑な話だった.

北側に赤レンガの建物があって,何だろう,と興味をひかれて行ってみると,法務省の建物だとのこと.ネオ・バロック様式というらしい.中の法務資料展示室に行く途中の階段や廊下から内部も観覧することができて,京大の時計台とか学生部のことを思い出す.展示室では,ボアソナードの講義ノートを読む.筆者は明治の初めの日本人の学生だけれど,フランス語はずいぶん達者そうだし,おまけに達筆なのに感心.

注文していたカーテンが届く.さっそく取り付けてみると,窓のサイズにぴったり.丈は床から 2 cm ほどを残したちょうどいい具合に仕上がっていて,遮光性能のよいものを頼んだので,昼間でも熟睡できそうだし,とてもいい感じ.ただ,最近は本や雑貨もしきりにいろいろ買っていて,出費がちょっとかさんでしまっている.自由な時間が増えた分だけ買い物が増えるというのは,よしあしかもしれない.


■2003/ 5/12(月・週休)

8月に中国は吉林省延吉で開催される KS.そのウェブページを訳していたのだけれど,延吉までの交通機関の予約方法は,ekskurso では羅津・先峰へ行ったりウラジオストックまで行ったりするらしいところ,交通機関や宿泊などに関してトラブルがあった場合に旅程のコントロールをしてくれるのか,参加者の国内法によって参加が違法になる場合はないのか,そもそも主催者はどこなのか,などなど,訳していて不明な点がたくさん.現地に問い合わせて解決せずに掲載してしまうことにためらいはあるものの,とりあえずいま手に入れている情報だけ掲載することに.

言語的な話題としては,ekskurso をどう訳すかに少々悩む.エスペラントの世界では「遠足」と呼ぶのがならわしなのだけれど,congress に付属する小規模なツアーのことは,一般の世界では「エクスカーション」と呼ぶはずで,遠足なんて語感が合わない.なので,折衷案として「エクスカーション(遠足)」と表記することに.

夜に夏の旅行の宿を予約しようとしたところ,向こうのホームページで「あなたのカードはすでに期限切れです」と表示されて予約できない.もともと1年前に作ったクレジットカードで,1年間の有効期間が来月で切れてしまうので,旅行時点での保証にはならないというもの.といっても6月末になって予約したのでは満室になっている可能性もありそうなので,何か手を打たなければ.

で,もっと笑えない話があって.行こうと思っていたフランスの村に民宿が1軒しか見当たらない模様で,その民宿にはウェブページもメールアドレスもなさそうなので,どうしようか,と.

私は京都にいたころ知り合いだったフランス語学習者の中でもかなりの口下手なので,電話をかけるのにはとても勇気が必要だったけれど,ともかくかけてみないと話が進まないのでかけてみたのが夜の21時.ところが,ダイヤルしてもつながらない.かけ方が悪いのかと思ってかけなおしてみても,日本語で「お客様のおかけになった番号では正しくおつなぎすることができません」と,意味深長なトーキが流れるばかり.これでは全然原因切り分けができないじゃないか,IP 電話の障害という可能性もゼロではないけれど,と困りつつ,もう少し深くウェブを検索してみると,携帯か何かと思われる番号があったので,さらに勇気を振り絞ってかけてみたところ,出たおばさんに「あんたがどこでこの携帯の番号を見たのかわからないけど,うちは引っ越してしまって,いまはあの村には民宿はないよ.Au revoir!」と応じられてしまった.

こういうシチュエーションでも "Au revoir." って使うんだな,とか感心している場合ではなくて,こちらも何か手を打ちたいもの.

でもでも.フランス語を初めて教室の外で使って,曲がりなりにもコミュニケーションがとれた,というのは達成感のあるものでした.にこにこ.


■2003/ 5/11(日・宿明)

平和な一晩を過ごし,日勤者に引き継いで退社.梶が谷はくぼ地の中を東西に走る線路の上に駅舎があって,駅前の商店街は駅舎と同じ高さで線路を横切る陸橋の並びなので,線路方向には青空が広がり,日光が十分に差し込む.11時ごろに駅前に降り立つと,休日の昼前とあって家族連れなども多く,和める雰囲気.

帰宅してからは5時間ほどぐっすり寝て,簡単な夕食.最近はお茶漬けに凝っていて,買ってきた白菜のゆず浅漬けともみのりを,黒米を混ぜ込んで炊いたご飯に載せ,ほうじ茶でお茶漬けにする.


■2003/ 5/10(土・宿直)

清水義範『普及版日本文学全集第一集』を読了.清水義範といえば,名古屋市出身で他人の作風を真似て面白おかしく書くことで知られる作家.古事記や源氏物語といった古典文学をもとにこしらえられた作品をおもしろく読む.笑ったのが,「月報 解説」と称する短い付録が巻末に付いているということ.文学全集って,なぜか裏見返しあたりに別刷りになった解説記事がくっついていて,採録した作品に関連して,概して毒にも薬にもならないような文章が書いてあるのだけれど,それも忠実にシミュレートしてあるのですね.

昼食に,めだいあら・さといも・白ねぎの煮物を作る.めだいというのは,真鯛に見た目も味も似た魚.その刺身部分はもう売れてしまったのか売り場には見当たらず,あらのみが並んでいたので,買い求めて,強火でさっとあぶってからさといもなどと一緒に煮る.


■2003/ 5/ 9(金・日勤)

ずいぶんいろいろあって騒がしかった1日.夜は海外系を担当していた人の送別会が20人ほどの参加で開かれる.

帰りの電車では,うとうとしてしまって目を覚まして気づけば降りる駅のひとつ先の駅.反対方向の列車に乗り換え,見慣れない車窓の風景を眺めつつ帰宅.帰りの電車を乗り過ごしたのは初めてで,それほど遅い時間ではなかったのだけれど,油断したのだろうか.


■2003/ 5/ 8(木・日勤)

営業日に仕事をするのは久しぶり.

のんびり山などに登っていた間に職場ではいろいろあったようで.給茶機のメンテナンス手順書なるものができていて,これがずいぶんていねいに書かれていて,感動.

給茶機というのは,中に緑茶の粉とウーロン茶の粉がセットされていて,お湯と冷水が貯めてあって,ボタンを押すと,緑茶またはウーロン茶の熱いのか冷たいのが紙コップ1杯分出てきたり,お湯か冷水がボタンを押している時間に比例する分量出てきたりする仕組みの機械.機械というものの常として,何も世話をしなくても動作するということはありえない.この機械でいうと,ボタンを押してもお茶等が出てこなくなってしまうという事象が想定されるので,そういったときの原因切り分け手順,原因が判明したときの対処手順を述べたのがこの手順書.

この機械は水道に直結することもできるようなのだけれど,ここではタンクに汲み置いた水を利用することになっているので,水タンクが空になると当然動作が停止してしまう.親切にできている点は,水タンク空ランプが付いていて,水タンクが空になった場合は点灯するようになっていること.一方,いったん水タンク空状態を認識した後は,手動で水を補ってもそのままでは通常動作には戻らず,所定のボタンを2秒以上押し続けて初めて復旧するというのが非常に不親切な点で,この知識の共有化を図るという意味でこの手順書には大きな意義があるのだと思う.何しろボタンはたくさんあって標示も不親切なので,手当たり次第に押そうという気にはならない.

とはいっても,ボタンを押すことを知らずに翌日勤帯まで対応を延ばしてしまっても,確か電気ポットも用意されているので,多少手間はかかるとはいえお湯の供給がストップしてしまうということはないのだけれど.


■2003/ 5/ 7(水・週休)

半年ぶりに,山に登る.JR 青梅線に揺られて,軍畑(いくさばた)駅で下車.無人駅なのに,したがってもちろん自動改札でもないのに,非接触型 IC カードの Suica が使えるようにしてあるというのは,さすが.

奥多摩の入門コースであるらしい,標高的にも全然しんどくないと思われるコースをたどって,たっぷり時間をかけて高水山,岩茸石山,惣岳山を回る.おかげですっかりリフレッシュできました.

ところで,このコースのあたりは東京電力の送電線が3本ばかし交錯している地帯であることに気づいたのだけれど,そのうち新秩父線と名づけられているらしい送電線はものすごい規模で,くらくらしてしまう.無骨な金属色の鉄塔を下から見上げるだけで,足がすくんでしまいそうなぐらいの高さ.ぽつんと設置されている昇降機(「バーチカ」と呼ぶらしい)を使うなり,なんとなれば普通の電柱と同じく足をかける場所はあるので,ロッククライミングの要領で登るなりできるはず,と頭では理解できるものの,100 m はゆうにありそうな吹きっさらしの場所を登るというのは,想像しただけで怖くなってしまう話.しかも,送電線は鉄塔本体の構造物から離れているじゃないですか.あれってやはり鉄塔の上の横向きの鋼材の上を歩いてたどり着くのかと思うと…….

帰りは立川でいったん改札を出る.若い人たちでごった返す駅前のデッキを歩いて,駅前の伊勢丹に入っている京都のお菓子屋さん,マールブランシュの売り場へ.府立植物園の前の本店に比べれば品揃えは少ないけれど,懐かしいお菓子の数々が並ぶ.モンブランを購入.


■2003/ 5/ 6(火・週休)

お休みにつき,会社から届いていた CD-ROM の教材を視聴したり.

La Junuloj が届く.はっさく氏の「Akumakun -- La laboro de Diabla Bonzo」と題する4コマ漫画が秀逸.キャラクターはきわめて単純な要素を組み合わせて描かれているものの,表情やディテールに注意が払われている.線画なので印刷も簡単そうだし,お寺の世界というのは私には目新しいもの.お坊さんの日常というのは,お経を読んでいるだけでもなくて,檀家まわりとか心霊相談(?)とか,さまざまな仕事に彩られているんですね.ふむふむ.

更新ついでに JEJ ホームページのアクセスログをちょこっと読んでみた.Pasporta Servo のページの訪問者が圧倒的に多いのは,単に本家 Pasporta Servo ページからリンクが張られているからということなのでしょうね.あまり見慣れない,海外の IP アドレスと思われる場所から読みに来ていることからしても,そうっぽい.あと,robots.txt が実は大人気のコンテンツなのです(笑).そんなファイル置いてませんってのに.

25ってもう若くないよね,といった意味のことを言われてしまい,戸惑う.関東に来てからの1年の早かったこと! 時間の使い方が下手なのかもしれないけれど,このまま年老いてゆくのかと思うと,つい不安になってしまう.


■2003/ 5/ 5(月・宿明)

いつもに比べていろいろあった一晩.

おとといの欄のダイヤの話が一部違っていたので,訂正.田園都市線の列車はどれも10両編成だけれど,大井町線は5両までしかホームとかがないので,この連休臨時に走っている大井町行き急行も当然5両編成まで.5両編成の急行って……と違和感はぬぐえないのだけれど.

夕食は,豆腐・青梗菜・昆布のゆでたのと,ノルウェー産塩さば切り身をこんがりと焼いたの.なんともお金のかからない献立だけれど,おいしい.

JMM 月曜号の話題は,ソニーショック.山崎元氏が「私はソニー製のパソコンを3台持っており、この回答はそのうちの一台で書いていますが、ソニーの株式は持っていません」と書いていた.ソニーの株式を持つのがいいかどうかはいろいろ議論のあるところだけれど,ソニー製のパソコンを3台も持つのはあまり普通でない.

ところでうちは,と見渡してみると,ソニー製品は1台もなさそうなことに気づく.パソコンはソーテック,電話機はサンヨーで,PHS は京セラ.ちなみに洗濯機は日立,炊飯器は東芝である.アイワ製品なら,1台ポケットラジオがあるのだけれど.


■2003/ 5/ 4(日・宿直)

Revuo Orienta で,Akcizo altiĝos? というタイトルの記事を読む.akcizo っていう単語があるんだ,と.akcio といえば「株式」という意味なのだけれど.消費税のことを akcizo というのですね.で,記事に出てきた用語を中心に,いろいろフランス語と比較してみた.

フランス語エスペラント意味
un impôtimposto税金
(la taxe sur la valeur ajoutée)akcizo消費税,付加価値税
une actionakcio株式
une valeur (mobilière)valorpapero(フランス語では,多く複数で)有価証券
une obligation d'Etat
un emprunt d'Etat
ŝtata obligacio
ŝtata deprunto, ŝtata ŝuldo
国債
emettre des obligationsemisii obligacio(j?)n債券を発行する
une banqueroutebankroto(フランス語では,大企業や国家財政の)破産
une compagnie d'assurancesasekura kompanio保険会社

結局,akcizo の語源はわからずじまい.

気になるのが,「証券」.フランス語では un titre,エスペラントでは bilo という表現があることになっているのだけれど,どちらもきわめて多様な意味を持つ語なので,前後の文脈がないと理解してもらえなさそう.それと,「有価証券」は辞書を引くと,英語では securities と常に複数形にすることになっていて,単数で表したいときにはどうすればいいのか,と気になっていて,調べてみると単数の用例もないではないらしい.そのまま Google で引くともちろん「安全保障」とか「(コンピュータの)セキュリティ」という意味の用例ばかりがヒットするのだけれど,クエリーを "the security is sold" などとすればいくらかのページがヒットする.単数で扱えることが確認できて,ほっとした.


■2003/ 5/ 3(土・日勤)

ゴールデンウィークということで,田園都市線は臨時のダイヤで運行.通常,データイムは1時間当たり12本の列車が運行されるところ,大井町行きの臨時列車が設定されるため,毎時14〜15本となる.連休なので昼間にどこかに出かけようという向きが多いのだろうか.臨時ダイヤは,5日まで.

いつもと同様に,仕事.


■2003/ 5/ 2(金・日勤)

今日から仕事.この仕事に長く就いている人から,ある作業の方法を教わる.部内では3つか4つぐらい方法が周知されていて,うち2つほどがいい方法のように思われたので,そのうち先に書かれていた方法でやっていたのだけれど,もう片方の方法の方がよくて,かかる時間が数分の一になることを教えてもらい,さっそく実践.「力技の仕事はパワーのあるマシンで実行した方がいい」という,これはノウハウですね.

「同じ仕事を何度もやるなら,前もって1回実行して保存した結果を使った方がいい」というアイディアを適用すると,さらに数分の一に時間短縮できそうなので,時間ができたらこっそりやってみたいもの.


■2003/ 5/ 1(木・週休)

メーデーのためお休みというこあら氏と,渋谷へ.宇田川町のねぎ系創作和食屋さんで,金目鯛と豆腐のおろし煮定食.おいしい.

Bunkamura ザ・ミュージアムで開かれている,「落穂拾い」などミレー3大名画の展覧会へ.気に入った絵(の印刷物)を3枚ほど購入.ただ,古典的な油彩画がうちのワンルームに似合うかというと微妙で,とりあえずポストカードサイズと A4 サイズのを買ってみたのだけれど,メインで壁に掛ける気になる絵は,まだ見つかっていないというステータス.今後も続けて探していきたいもの.

青山通りのカジュアルワインバー「decfive」.たくさんの種類のワインが 50 ml から頼めるのがうれしい.ワイン通な人と夜に来て,気の利いた料理を頼んで赤ワインを味わいたい.