みしっく今日のひとこと - 2000年2月


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★ひとこと目次 ◎ほーむ


■2000/ 2/26(土)

トリュフはオムレツにして食べた.卵6個を使っていろいろ. 卵白を別立てにしたスフレオムレツにしたのがいちばんおいしかった. 独特の香りがよい.ただ,オムレツを本当に上手に作ろうと思ったら, 修行が必要なようだ.なかなかうまく形を作れない.火の通し具合も難しい.

夕食は久しぶりにまりこうじ.私は普通のトマトソースのスパゲッティを食べたのだけれど, 和風スパゲッティを頼んだ友人たちのを見ると,器と盛り付けが凝っていて, これもおいしそうだった.うにのソースのスパゲッティは, いかの刺身風のが載っていたが,食べてみると, 酒かすか何かに軽く漬けてあって,驚かせる.

明日から3月2日まで,更新を休みます.


■2000/ 2/25(金)

昼まで,温かい雪がよく降った.

法哲学とかいわれる分野に興味を持って,棚瀬先生の著書などを何冊か見てみた. 法と道徳の関係,権力と法の関係,など,難しいテーマだ.

それにしても,権力というのは国家と国民の間だけにあるものではないよね, 人間同士のいろいろな関係は権力を生む危険性を持っている(し, 現にしばしばそうなっている),というのは私の以前からの主張だが, 同旨の主張がきちんと展開してあって,何かうれしい.

この春卒業する人がおととい持ってきたフォアグラのパテとトリュフ. どう料理しようか.特にトリュフは悩む.

研究はあまり進まなかった.

明日から3月2日まで,更新を休みます.


■2000/ 2/24(木)

学校では,明日から入試.下見の受験生が訪れていて, 生協や一般の不動産仲介業者の人たちがマンションの宣伝冊子を配布していた. サークルビラも一部配布されていた.

今日は研究室でいろいろなごみを捨てた.それで,電気機器に内蔵されていて, 不要になった鉛蓄電池・ニッケルカドミウム電池の正しい捨て方について, 関心があったので,調べてみた. 民生用は主に電器店で回収している(GISPRI ニュースレター「リサイクルの現状と課題(1)−蓄電池−」という.

一方,都市廃棄物の焼却炉から排出される灰には高濃度の鉛が含まれている. このうち 2/3 程度は鉛蓄電池によるものと推定されている(鈴木靖文ほか「焼却灰の鉛濃度分布を用いた鉛の由来の推定」).したがって, 回収ルートに乗らないものも多いようである.

廃棄された電池が清掃工場でショートして発煙した事例がある.

なお,ボタン電池は電器店で回収している. 乾電池は京都市では区役所等で回収していて,野村興産に送られているはずである.

消費者にとって,電器店というのは電気機器を売る店であり, 不要になった電池の回収は任意のサービスという位置づけになると思う. どこで購入したかわからなくなった機器に含まれている電池の回収を, その電器店で代替機器を購入するわけでもないのに依頼するというのは気後れがすることでもあり, 引き取ってもらえるかどうかも不明である. また,回収された後,適正処理されているかどうかは,わからなかった.

プラスチック(合成繊維を含む.以下同様),金属, プラスチックと金属の混ざった物品の適正処理方法, 正しい捨て方にも関心があったのだが,こちらはわからないままだった.


■2000/ 2/23(水)

午前・夕方,無給の仕事.

15日のひとこと記載の, 市民生活センターのリーフレット「敷金返して」が学生部で配布されているのを発見. 内容は私の考えよりちょっと借主側に有利に書いてあるが,使えそうだ.

パーティー.私が持参したワインのうち一本はカリフォルニアワインの Anthology(赤). 麻婆豆腐に合う味で,これはこれで柔らかくておいしいのだが,後から来た人が Haut-Medoc の Ch. Beaumont というところのワインを持ってきて,それを飲んでみると, すごくフランス風の充実した味わいで懐かしさを感じさせた. 私は Anthology よりこっちの方が好きだと思った. 私の持参したワインのうちもう一本は,Bourgogne の Les Setilles と書いてある白.これはやや甘口で香りがよくておいしかった.


■2000/ 2/22(火)

今日は,仕事の日.作っているプログラムにいろいろバグが見つかっていて, 直した.調べものをしたりして,朝から夕方までまるまる8時間かかってしまった. 意外と手間がかかったが,いくつか成果があげられたので,気分がよい.

sendmail から起動されてメールを読み込むスクリプトと,httpd から起動される CGI-bin のスクリプトが,同じファイルを読み書きできなければいけないので,setuid されたラッパーを使うことにした.なぜスクリプト自体を setuid してはいけないのかということもわかった.

夕方は家に寄らず学校にまっすぐ帰って,とあるミーティングに出席. うまくいっているようで,ほっとした.その後,某が買ってきた, 宇多田ヒカルのビデオ(って,よくわからないけど, たぶん1本しかないんですよね)を鑑賞.手が込んだ映像だと思った. 動画はもっとも私の苦手とする分野だけれど, このビデオは映像的にもなかなかおもしろくておすすめだ.


■2000/ 2/21(月)

今日はすごくうれしかったことがたくさんあった一日だった.

朝起きると,ささめ雪が朝日にきらきらと輝いて,「たぬきの嫁入り」. 夕方までだいたい外にいたけれど,ずっと晴れていて,なおかつ雪も降っていて, 風情があった.

そういえばダイヤモンドダストっていうのも見てみたいなあ.

学校にスーツを着ていったら,最近ずっと会っていない友人に会えて, 「みしみし,かっこいいよー」とほめられた.ほめるのが上手な人だなあと思った. 私もかくありたいものだ.「でもそのバッグはちょっとね」と指摘されてしまったけれども, それは確かに黄色のナップザックが似合わないのはわかる. そこまで気が回らなかったんだよ.

今年も花粉が舞い始めたようなので,学校の保健診療所で抗アレルギー剤のニポラジンを出してもらった. 3mg の錠剤で28日分56錠.これでひと春越せそうだ.一度民間の病院に行ったら, 「健康保険ではぜん息以外の病名では14日分しか出せない」と言われてしまったことがある. 学校の保健診療所ではたくさん出してもらえてよいですね.

そういえばこの冬全然ビーフシチュー作ってなかったな,と思ったから, 今日はシチューの日.牛肉を生鮮館でふたパック 640g も買ってしまった. 大さじ8杯の薄力粉で作ったブラウンルーも時間がかからずにちゃんとできて, 量もちょうどよくって,すごくよかった.牛肉以外にはにんじん,じゃがいも, セロリ.もちろんトマトの水煮缶.あっ,たまねぎを入れるのを忘れてしまった. でもまあ,よしとしよう.

それで Ginestet 社の Dame de France という赤ワイン (vin de table) のハーフボトルを開けた.家でワインを飲むのは久しぶり. 値段の割にけっこういける.

今日の fortune:

"A raccoon tangled with a 23,000 volt line today. The results blacked
out 1400 homes and, of course, one raccoon."
-- Steel City News
raccoon というのはアライグマのこと.


■2000/ 2/20(日)

提出した卒論と同じものを倉庫に置いた. 実はすでに不具合が二つほど発見されているのだけれど,まあそれはそれ.

時間があったので,洗濯を2回した.でも結局雨が降ったりやんだりで, 干したのは家の中.雨が降るなんて数日前には予想できなかった. それだけ暖かくなったということか.

夕方,散歩がてら北山(下鴨本通北山付近に広がる街のこと. 桟敷ヶ岳とかじゃないよ)へ.BREE で名刺入れを買った. BREE は最近気になっていたお店. 生協で割引証を発行してもらっていたのでちょっとだけ安くなったし.

それから,clientele(訳すと「お得意様」?)でケーキ. この店は,確かな技術を持っていそうだ. 生菓子は割と一般的な品揃えながら,なぜかガレット・デ・ロワがあったりして, 焼き菓子は独特なものが並ぶ.普通のカットのケーキのほか, 3人くらいで食べるとちょうどよさそうな量のケーキが充実しているのが特徴. 焼き菓子のポムパイユ(「りんごの麦わら」?)は, バターをたっぷり入れたアーモンドの生地を直径 7cm ほどの丸型に敷き, 甘く煮たりんごを詰め,マッチ棒ほどに刻んだりんご(ポムパイユ)で覆って焼いてある. 一見素朴な構造なのに,中のりんごにはリキュールを加えてあるなど, ポイントはきちんと押さえている. 店主とおぼしき人がこてこての関西弁なのはちょっと似つかわしくないが(ごめんなさい), 小さな調理場なのにすごいと思う. この店の向かいにも新しいケーキ屋さんが明日オープンするらしく, ますます楽しみだ.

うちの近くは歩くとなかなか風情があって落ち着いた街で, 定住するにはよさそうなところだ.ミニ開発の建売り住宅とかもあるけれど, そんなんじゃなくって,古くから大切にされてきた家を買い求めて, この街に住んでみたい気がする.


■2000/ 2/19(土)

この春,こくいち,つまり国家公務員試験 I 種を(情報の区分で)受けることに決めた.

うちの研究室では国Iを受けることがすすめられている. そんなに勉強しなくてもよいらしいし,進学したり, ほかで就職しようと思っていても,受けておかないと気が変わったときの選択肢が減ってしまうからだそうだ.

最近,司法試験を受けろというアドバイスもしばしばいただくのだが,これは, 気が変わって法曹になりたくなったらそのとき勉強を始めればいいと思うし, とりあえずパス.


■2000/ 2/18(金)

卒論の発表会があった.発表はまあまあのでき.つつがなく終わってほっとした.

18時から,木屋町通三条下ルのイタリア風居酒屋「たんとくわんと」で研究室の打ち上げパーティー. 料理の内容からみるとそれほど値打ちではないが,居酒屋としては普通なのだろう. 数人のグループならまだしも,これだけ人数が大きくなると使える店が限られてくるという, 規模の不経済がはたらいているのかもしれない.

今日はいろいろと動いたので,いつも会わないような好きな人何人かに出会えた. 好きな人と接するときと,それ以外の人と接するときとは, 心の動きがずいぶん違うなあということにいまさらながら気づいた. その違いはやっぱり他人にもわかるのだろうか.

恋愛対象というわけでなくても,好きな人といるときは,何か primitive な, 冷静になれない部分が残る.ほかの人も同じように感じているのだろうか. それにしても,きらいな人は一人か二人しかいないのに, 好きな人はたくさんいるというのは,幸せなことだと思う.


■2000/ 2/17(木)

今日は,うなぎのかば焼き.それと菜の花のからし和え, 湯豆腐に粟ご飯(米・粟の量: 0.85合)で,王道ですね.

部屋の片隅から救出した,ソテジワアイドゥルのテープを聞きつつ, この曲どういうタイトルだったっけ,とか考えつつ,ひとことを書いている.

清水義範という作家がいる.パスティーシュ(文体模写)で書く小説が秀逸. さるかに合戦を,司馬遼太郎かだれかの文体で書いたりしている. 本人のスタイルというのももちろんちゃんとしたものを持っているので, 読んでいるともとの作家との個性の競演を思わせて楽しい.

それで,私も他人の文体を取り入れたりしてみようかなと思う. いくつかスタイルを持っていると楽しいことがあるかも. もちろん自分の文体が模倣されるのを好まない人がいるかもしれないので, その辺は慎重にやっていきたい. 手始めに全部かな・わかち書きで書いてみるとかも,おもしろそう.

ちなみに,いまかかっている曲は「チュグメ ヌプ」というタイトルのはず. この曲,タイトル・歌詞の暗さとは裏腹に,どことなく軽快な感じがするのがけっこう好きだ.

部屋の片隅といえば,植物標本が整理されていないままになってる. このままだと芦生の標本と吉田山の標本がごっちゃになっちゃう. 早く台紙に固定しなければ.


■2000/ 2/16(水)

夜の間に雪が降ったようで,比叡山とその北の山々が冠雪していた. いつも雪が降っているときは雲が低くたれ込めているので, 冠雪している比叡山を見ることは少ない. 今朝は寒いながらもよく晴れていた.

朝食に,りんごのコンポートをパンにのせて食べた. りんごは紅玉.りんごジャムと違って,フレッシュなりんごの香りが残っている. りんごは鍋のふたをしないで強火で火を通すのがよいようだ.

雑誌「ジュリスト」の2月15日号では,このほど国会で成立した法律による新しい成年後見制度が特集されている.

高齢化によって,財産管理のために必要な判断能力を欠くようになった人たちの財産を, 本人のために適切に管理することの必要性が増してきている. いままでもこのような人たちをサポートする制度としては家庭裁判所の審判による禁治産・準禁治産制度があったが,

などの問題点があった.

そこで民法の改正により,禁治産・準禁治産制度を引き継ぐ後見・保佐・補助の三類型の法定後見制度と, 任意後見制度の二本立てで対応することになった. 後見・保佐は現行法の禁治産・準禁治産制度に対応するもので, 補助はそれより痴呆や知的障害の程度が軽い人のために新しく設けられたもの. どのような行為についてどのような補助をしてもらうかについて補助を受けたい人の意思が尊重される仕組みになっている.

従来も「判断能力がなくなったときに財産管理をしてもらう」旨の委任契約は可能だったが, 法律上の規定がないため,その受任者の監督をするような制度がなかったし, 禁治産者の後見人,未成年者の親権者などに存在するような取消権を付与することはできなかった. 任意後見制度は,これらを解決しようとしたもの. 任意後見契約は公証人の認証する公正証書によってしなければならないこととなっているなど, 手続き的な面も細かい規定がされていて,明快なシステムになっている.

戸籍への記載は廃止された.一方, 取引の相手方がこれらの後見制度によって保護されているかどうかを知るため, 新たな登記制度が作られた.登記は基本的に家庭裁判所, 公証人の嘱託によって行われる. 親族等以外の他人は登記事項証明書の交付を求めることができないとしていて, 戸籍以上にプライバシーを重視した作りになっている.

高齢者の財産を守り,本人のために正しく使うためには, 制度を充実させるだけでなく,個別の事例についての監督が十分に行われる必要があり, しばらくは実際の運用状況を見守りたい.

新しい成年後見制度は4月1日から施行される.

記事では,星野英一が「学生を含め,法解釈だけでなく, 立法に対する一層の関心が必要だ」という意味のコメントをしていたのが印象的だった.

民法に関する立法では個人的に必要だと思うのが,非営利法人の法制化. いまの法律では営利を目的とする団体は有限会社等の制度によって簡単に法人化できるのに, 営利を目的としない団体は公益法人,生協,マンションの管理組合,社会福祉法人, 労働組合,宗教法人,特定非営利活動法人(NPO 法人),……を除き法人格を取得することができない. そのため,そういう法人格を持たない団体がたとえば携帯電話の契約をしようとしたとき, 代表等の個人契約を求められるといった不利益がある. 必ずしも公益を目的としないような団体まで公益法人となっているのはこの欠陥の現れだと思う.

多少極端な意見かもしれないが,こと法人格の付与については,

を満たす規約があれば, ひとまず自動的に付与されるものとするのがいいのではないかと思う.


■2000/ 2/15(火)

卒論提出.肩の荷が降りた感じで,すごくうれしい.

今日のお題は,研究室の備品の「ディスクカッター」.この機械は, 紙をまっすぐ裁断するのに使うもので,水平な台の端の上にレールが付いていて, 直径 2cm ほどの丸い刃の付いた部品がそのレールに沿って動かせるようになっている. レールは台と平行なままで上下に動かせるようになっている. 紙をそのレールと台の間にはさんで,レールを台に押しつけて, 刃の付いた部品をレールに沿って動かすと,紙が切れるという仕組み. 同じような機械で,刃の付いたレバーを押し下げることでてこの原理で裁断するという機械はよくあるけれど, この「ディスクカッター」は,

という点がいいなと思う.

京都市の機関,市民生活センターがリーフレット「敷金返して」を作り, 市民生活センター・地下鉄主要駅などで配布している,と, 同センターの広報誌「マイシティーライフ」に載っていた. 同センターのウェブページによれば, 毎年100件前後,敷金返還をめぐるトラブルが同センターに寄せられているという. 読者のみなさんには賃貸住宅にお住まいの方が多いと思いますが, くれぐれもお気をつけられますよう. マンションなんかだと敷金が月の生活費の何倍もしたりするので, 不当に取られてしまっては大変ですよね.


■2000/ 2/14(月)

卒論は提出を明日に控えて,いよいよ大詰め.

卒論は英語でも abstract を書くことになっていて, なかなか大変な面もあるようだ.

私はまず英語で書いてから,日本語版はそれを訳すという方法で書いた. 私の悩みは,適当に書いているとついつい文章がやわらかくなってしまうことだが, いくつかの論文的表現を覚えて何とかクリアした.get の代わりに obtain を使った方がいいらしいし,applicable とか adopt とか inevitable とか conduct とかを使うとなんとなくそれっぽい.observe とか correlation とか deal with とかは日本語の表現と一対一に対応するけれど, きちんとその訳語を思い出せる必要はありそうだ.

でも,冠詞を付けるか付けないか・定不定のどちらにすべきか・単数複数のどちらにすべきかといった点はけっこうわからないままだ. とりあえずなんとなく書いてしまったけれど, 本当はもっときちんと勉強するとわかるようになるのだろう. フランス語でも以前,en la ... という変なフレーズを書いてしまったことがあるし(本当は普通 en の後に冠詞は来ない.冠詞を付けたければ dans を使う.もちろん例外もある. son とか certain とかの「冠詞に代わるもの」は付く).

あとは,明日いきなりプリンタとかサーバが故障することがないことを願うのみだ. もっともいまの時点で一式出力してあるので, 万一のときもとりあえずそれで提出は可能.

あれれ,kyoto-inet につながらないや.TA のランプの点滅がなんか怪しい. まだテレホタイムまでは1時間近くあるし,さっきまではつながったのに. 障害だろうか.でもお風呂屋さん行って帰ってきた後はたぶんどっちみちつながらないでしょう.


■2000/ 2/13(日)

昼に,合鴨・白菜・ねぎ・焼き豆腐の煮物を作った.

合鴨は見るからに脂っぽいけれど,その脂の香りがほかの肉と違って独特だ. それに,だしが溶け込んだスープの味といったら!

指輪物語 ("The Lord of the Rings")を amazon.com で検索してみた. 図書館にある翻訳版は高いけれど,原書はそれほど高くなくて,20ドルちょっとらしい. 買ってみてもいいかも.

某所への関わり方をいままでより疎遠にすることにした. ここ1週間の経験から,「ある人といっしょにいると楽しくないことが多かったり, 自分がいつもよりひとを傷つけたりしてしまいそうなときは, 少なくとも自分が元気でないときにはその人に近づかないようにしよう」ということにしたため. 具体的に何があったのかはちょっと書きたくないけれど.


■2000/ 2/12(土)

ここ10日ほどは,どうやら何をやってもだめらしい. ささいなことですぐに悲しくなったりすることが多い. 夜寝るときはもちろん,朝,目がさめても,何となく気力が充実していない. 漠然とお腹はすいているのに,ご飯を食べてもおいしくない. それほど寒くもないのに,手なんかすごく冷たくなってしまって,困ってしまう.

将来のことが何も見えてこないから不安になっているのかもしれない.

こういうときは出歩かない方がいいし, たぶん「何かをしなきゃ」とか「有意義な一日を送ろう」とかは考えずに, ぼうっとしているのがいいんだろうと思う.

ということで,非礼の節はご容赦ください > 関係者各位


■2000/ 2/11(金)

久しぶりに包丁を研いだ.左手で研ぐ方の面がほとんどなまってしまっていたので, 研ぐと新鮮な触感がよみがえって指に心地よい.

Yahoo! オークションをのぞいてみた. NetNews の fj.fleamarket.* より使い勝手がよさそうだ.しょせん Web だという話はあるけれど. 最近学内各所で出回っている都ホテル宿泊優待券なんかは,ここで売るといいのかも, と思った.相当たくさん出回っているから,みんなが売ったら限りなく価格がゼロに近づくはずだ.

でも見知らぬ人と取引関係に入るのには,一抹の不安がつきまとう. 相手がどんな人かわからないから.

世の中に本当に悪い人はほとんどいないのだということは知っているけれど, 困った人はときどき,いや,しばしば,いると思う. こんなふうに思う私は商人にはなれないのかもしれない.私は, 中古パソコンを買おうと思ったら, オークションより多少高くてもソフマップに行くと思う.

逆にいうと,商人というのは,「この人なら契約を確実に履行してくれる, この人の売っている商品なら品質に問題はない, この人なら私の利益をきちんと考えてくれる」という信頼を受ける対象であり, それが商人の本質なのかもしれない.

そういう信頼に基づくシステムが機能する条件はたぶん二つあって, 一つは「評判の共有」,すなわちその商人の取引の相手になる人の間でその商人の信頼性についての情報交換が行われているか, または,取引を今後何回も行う予定になっていること, もう一つは,その商人が他の商人と競争していて, だれと取り引きすればいいのか選ぶのが面倒でないことだと思う.

世の中を見渡してみると,この二つの条件が両方とも満たされていないところでは, 怪しいことがよくあると思う.

それから,Yahoo! オークションでもひょっとすると, 多数の取引をこなすことで信頼をかち取っていく「転売者」が現れるのかもしれない. そうなったらおもしろいと思う.

上の話はまだけっこう練れていないところがある(きちんと参考文献を拾って書いたわけではない)ので, これを読んでいるあなたのコメントが欲しいです.


■2000/ 2/10(木)

卒論の発表練習.いろいろつっこまれて,直すところはいっぱい出てきたけれど, 週末にかけて,ちょっとだけ時間の余裕ができた. 明るいうちに家に帰れたのがうれしい.さっそく洗濯にかかった. ここのところ寒かったので,洗濯物がたまってしまって困ってたんだよね.

1月6日の疑問を解決しようと, 後漢書を借りてきて,班超伝を読んだ. 班超が西域の[善邑]善(もとの名は楼蘭)という国に使いしたとき, この国の王,広が,最初はすごく礼儀正しくしてくれたのに, 急に待遇が悪くなってしまった.班超が部下に
「匈奴からの使いが来たので,どちらに従ったらいいのか決めかねているんだろう」
と言ったところ,
「まだ匈奴からの使いが来てから数日しかたっていないですよ」
と部下が嘘を言う.班超は激怒して
「わずか数日で態度が変わるということは, きっと我々を捕らえて匈奴への贈物にしてしまうのだろう.どうしよう?」
と問うと,部下はみな
「司馬(班超のついていた官職の名)に従います」
と言う.そこで班超が
「虎の住んでいる穴に入らなければ虎の子を手に入れられないではないか. 夜にまぎれて匈奴からの使いを火攻めにし,こちらの人数を悟られないようにすれば, きっと驚いているうちに撃滅できるだろう.そうしたら[善邑]善は肝を抜かすだろうから, ばっちしだ:-)」
と言ったところからきたものらしい.

でも,やっぱり疑問は解決しない.別に虎の子どもなんかいらないじゃないですか. ひょっとして虎を飼って楽しむのだろうか.それはいいけど, ちゃんとした設備で飼ってくださいね.逃げたりすると迷惑だから.

懸案だった,アンカーを追加.このファイルの URL が
http://www.misick.org/diary/200002.html
だったとすると(いまのところそうなのですが),例えば
http://www.misick.org/diary/200002.html#9
とすると昨日の日記に飛べます.

夕食は,久しぶりの自炊で,牛すじ・大根・たまねぎ・わかめの煮物. この前の牛テールは3時間半煮込んだのだけれど, 牛すじは1時間ちょっとで煮えた. 大根は皮つきでも味は変わらないということを教えてもらったので, 今日は初めて皮つきで料理してみた.牛すじは脂身が交じっていて健康にはよくないかもしれないが, 柔らかく煮えておいしかった.


■2000/ 2/ 9(水)

今日も,雪.

瓦屋根に積もった雪が,きれいだ.軒の部分のコントラストも美しい. 塀の上に降り積もった雪の輪郭の曲線も. 街路樹の幹や看板にまだらにうっすらとかかった雪も,また趣がある.

雪は,あらゆるものの形を反映した形になって,でもその形そのものじゃなくて, 全部やわらかい味わいの独特の形に変わって上に積もっていくところが, すごいと思う.凹凸があれば積もった雪にも小さな凹凸が現れるけれど, あれを CG でシミュレートしようと思ったら大変そうだ.

道路の雪は,車がたくさん通るので,解けてしまっているけれど, 高野川にかかる歩道橋は,踏み固められていて,スキー場のコースのようだ.

農場は一面雪に覆われているし,アシウスギには雪がよく似合う. 私よりもずっと年上のスギも,葉を落としたアオギリも,シュロでさえも, 何度もこういう雪を経験してきたんだなあと,感慨深い.

夜も,やはり雪.

街路灯の光に照らされた真っ白な雪が,夜闇とのコントラストできれいだ. 石田波郷は「プラタナス 夜もみどりなる夏は来ぬ」とうたったが, 冬も同じような情景が楽しめるなんて.

夕食を食べにいった生協の食堂では,最近連絡をとっていない M2 の知り合いに二人も会ってしまった.みんな追い込みなんだろうか…….


■2000/ 2/ 8(火)

省農薬みかんで有名な京大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の石田先生から「この春休みに外国旅行する人にお願い」と題したメールが回ってきた. 石田紀郎先生はいま水質分析で飲料水のデーターベースを作成する仕事をしていて, 世界各地の飲料水を集めているのだそうだ.それで, 海外で飲料水を採取してきてほしいという内容だった.

京都市の方面の某メーリングリストで京大の某助教授から京大の某教授あてに「昨日,○×君の卒論を受け取ったが, 一部ページが抜けていたので,添付ファイルで送ってください」とのメールが流れた. 確かに某教授がそのメーリングリストに入っていることは確実なのだけれど, メーリングリストに送らなくてもいいのに.もっとも, しばらくしてお詫びメールが流れてきた.

ちなみに私がいままで聞いた中でいちばんおもしろい(けど笑えない)誤送信メールは, 某地域 IX(インターネットのプロバイダの間の相互接続をするための施設・その運営をする団体)の関係者多数に配送されたという, 「離婚の協議書」.関係者の一人が離婚するに当たって財産分与とかについて決めたことが書いてあったというが, ことがことだけに,笑えない.

卒論はとりあえずページ数はクリアしたものの, 指導教官から辛いコメントがついて,さらに書き直す必要が出てきた.ふう.

気づいたら,雪.京都ではこの冬一番の大雪のようで, 道までが雪で覆われた.踏みしめるときゅっきゅっという音がするのが, 心地よい.雪合戦にはしゃぐ学生たち.

ひとの心が読めるのがいいのかどうかはわからないものだと思った. もちろんだんだん,ひとがどう思っているのかがわかるようになってくるけれど, 自分にとって不愉快なこともすべて見えてしまうのだから. それに,自分の心はひとに読まれているのだという事実を認めなければならないので, けっこう恥ずかしくもある.


■2000/ 2/ 7(月)

夕食は北白川の「スジャータ」に行った. このレストランは卵・乳製品を除いて動物性の材料を使わないというベジタリアンレストランで, 野菜も無農薬のものを使っているという.料理の系統はインド料理で, カレーなど.白川今出川の北東の住宅地の奥まったところにあって, 見つけにくいが,友人がここでアルバイトをしている関係で知ったもの.

カレー3種類(ほんとは2種類らしい)と,ご飯と, かぼちゃなどに衣を付けて揚げたものなどが盛り合わせて出てきて, それとチャパティと食後のチャイ.

(ここから先は9日に書いたものです)
ほうれん草カレーとか,肉とか魚を使っていないのに, すごい濃厚な味がする.今度そのバイトしている友人に作ってほしいなあ.

ヨーグルトの水分を飛ばして,砂糖・カルダモンを混ぜて, ローストして砕いたナッツをトッピングしたデザート(名前は忘れた)も頼んで, これもおいしかった.簡単に作れそう.このデザートなんか特に, ベジタリアンとはいっても,精進料理のようなあっさり系の料理とは全然別の世界が広がっているのだということを改めて感じさせるものだった.


■2000/ 2/ 6(日)

リンク・ブックマークを更新.

あいにくの雨のため,ほとんど家で過ごした. 卒論の提出はまだ先だと思っていたら, 教授から「あさってまでに完成させて私に見せてください」とのメール. 明日以降,急いで書かなければ.

いろいろな言語を知るようになって,なんとなく普通の言語にあきたらなくなってきた. 私の習ったことのある言語の中で,中国語は, 漢字の存在が語法に対して大きな影響を与えている(ようだ)という点が変わっているけれど, それ以外の言語には大きな差がないように思える. それで,一般には文字で書かれることのない言語を覚えてみたいというのがここ 2, 3 日の関心だ.アイヌ語はしばしば文字で書かれるけれど, もっとマイナーな少数民族の言語は文字を持たないことが多い. そういう言語を知ってみたい.

文字(というか,十分な表記法や体系的な解説書)を持たないという点では, 方言もおもしろいけれど,テレビなどの影響か, 体系的に方言を話せる人は少なくて,ちゃんぽんにしてしゃべっている人が多いので, なかなか難しそうだ.

1年くらい読んでいなかった『戦争と平和』を久しぶりに読み進めた.

あのころの(上流階級の)人は街でデートするという習慣がなかったのかもしれないというのが今日の発見. なんか,恋に陥ってから結婚を申し込むまでに, だれかの家で開かれるパーティーとか, 相手の家に招かれたりしたとき以外で会っている描写がないのだ. そもそも,レストランというのが出てこなくて, パーティーがいつも家で開かれるというのも,いまからすれば不思議だ.それから, ジャムを食べつつではなく角砂糖をかじりながら紅茶を飲む場面が出てきた. うちは氷砂糖があるから,今度,それをかじりつつ紅茶を飲んでみようかな.


■2000/ 2/ 5(土)

最近,友人から提供されたしそジュースをときどき飲んでいる. 赤じそのジュースで,すごく甘い.水で割って飲むと, ライチのようなさわやかな香りがして,おいしい.

1月30日付日経新聞朝刊で, 森永製菓の「シェフこだわりの生チョコレート」が「とろける食感 風味と両立」「日持ち確保へ工夫」「好調な販売を続けている」「高価格, 敬遠の可能性」などとと紹介されていたので,試しに買ってみた.

この商品は,ココアパウダーでコートされたチョコレートの小さな立方体の中に, 柔らかいチョコレートが入っているという構造.18粒入って,250円(希望小売価格). 生チョコという名前だが,食べてみると普通のチョコレートに近い味だった. 多少期待はずれ.


■2000/ 2/ 4(金)

いよいよあさっては京都市長選.京都市民のみなさんはぜひ投票に行きましょう.

京都市の市政については,いろいろな分野で意見があるところで, 私もいろいろな分野で注文をつけたいことがある.2年ほど前,出身地にはあったのに, 京都にはなくて不便なものをまとめ, 「京都市四大ハコモノ要求」という要求リストにしてみたので, 議論の材料になればと思い,ここで公開してみる.
みしっくの京都市四大ハコモノ要求:

  1. 便利な場所にあり,十分な大きさの公共駐輪場(たとえば各地下鉄駅に増設)
  2. 大阪市立中央図書館なみの大きさの公共図書館(建て替え)
  3. 料理室などがあり,一般市民の生涯学習のために利用でき, 主催講座も開いている生涯学習センター(京都アスニーの小型版を各行政区に設置)
  4. 展示内容が最先端の研究成果を反映していて,交通の便のよい, 青少年科学センター(伏見区藤森の同センターを移転)
京都市は,市民生活を豊かにするような施設の整備が全般的に遅れていると思う. 財政が苦しい中で,すぐにできることでもないと思うが, きちんと取り組んでほしいところだ.


■2000/ 2/ 3(木)

京(みやこ)のアジェンダ 21 フォーラム 環境にやさしい交通体系の創出ワーキンググループの会議に参加した.

京のアジェンダ 21 フォーラムとは, 京都市での環境と共生する持続型社会づくりに向けた, 市民・事業者・行政のパートナーシップによる連携した活動をするための組織. 分野別にワーキンググループ (WG) を作って活動している. 交通 WG の会議が開かれるのは久しぶりで, 具体的な成果をつくるための全体的な取り組みの場としては初めてだ.

今日の議題はゴールの設定で,「中心市街地(四条河原町あたり)における, 人と環境に配慮した交通のあり方」に取り組もうという提案がなされたが, 初めての場だけに,いろいろな意見が出され,設定は保留となった. 次回以降での具体化に期待したい.

合意形成は大切なことで,自分の意見をうまく場に寄与させることは必要なのだろうけれど, こういう場での政治的なはたらきかけには,私はまだ苦手意識がある.

合意形成のための会議というのは,フォーマルな議事だけがすべてではなくて, 何か非公式な面も含めてのプロトコルというか,進め方のテクニックがあるようだ, と,ここ 4 年間に学んだ.それを意識せずにこなせる人はいいけれど, 私のような人はきちんと意識化してそれを使いこなせるようになる必要がありそうだ.


■2000/ 2/ 2(水)

卒論提出まであと2週間を切った.それで,時間を確保するため, 思いきって「自炊断ち」をしてみることにした.つまり, 卒論が完成するまで自炊はやめるということに.

じゃあ他炊はどうするのかと,友人に質問されたが, もちろん他炊も時間がかかるのでやめることにしている.

ご飯を毎食,食べにいくというのも,気分が変わってよいのかもしれない.

ただ,やめる自炊の範囲に朝食は入っていない. 朝食だったらそれほど時間が取られることもないし.


■2000/ 2/ 1(火)

ここ数日,マニ教がマイブーム.キリスト教については歴史的にカタリ派など, さまざまな「異端」が存在しているものの, それとは別にマニ教というのが当時すごい勢力を誇っていたらしい. マニ教って,世界史履修者にとってはいちおうキーワードの一つなんだろうと思う. 中国とかでもマニ教寺院が建立されていたし,世界的な広がりをもつ宗教だったということは覚えている. でも,ヨーロッパでいうと中世ぐらいの時代に滅亡してしまったらしい. 不思議だよね.

それで,多少わくわくしながら百科事典で調べてみたのだけれど,残念ながら, それほど楽しそうな宗教ではなかった.

3世紀にペルシアのマニが創始したこの宗教は,ゾロアスター教から派生していて, この世を光と闇の戦いの場ととらえ, 最終的に光の側が勝つのを助けるために,戒律が設けられている. それでその厳しい戒律を守ることができる人たちだけが救いを得ることができるという. よくある話だ.

ところがその戒律というものが半端でない厳しさで, 宗教的に最上位の地位にある人に適用されるものは,肉食・農耕などはもちろん, 家事労働さえ禁止している.そういう人たちがどうやって生活するのかというと, その次の地位にある人たちからの奉仕を受けて生活するのだという.

こういう一般の社会のしくみとの親和性が足りないところがあると, 普遍的にみんなが信仰する宗教としてはなかなかつらいものがあるかも,と思った.

それと同時に,私はやっぱり現世的な欲望は強いのだなあとも. 宗教的な戒律には,それが相当緩やかな,たとえば肉を食べないといったものでも, 耐えられないかもしれない.

かといって,現世的なご利益を神仏に祈って手に入れようとか思うこともないのですね,私は.


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