みしっく今日のひとこと - 2011年11月


■2011/11/23(水)  久しぶりのKBS

本当に久しぶりにKBSを見た.

YouTubeなどの動画投稿サイトや動画ストリーミングサイトが世に出るずっと前から,KBSなど韓国のテレビ局は動画配信を手がけてきた.一つには権利処理が容易だということもあるのだろうし,日本のNHKと違って民放の反発がない(?)ということもあるのだと思う.

本当に久しぶりだったので,いろいろ視聴方法が変わっていた.いま放送している番組を視聴できる「KBSライブ」を見ようとしたら,「韓国外からは視聴できません」エラーが出てしまい,過去の番組を見ることに.

「엄지인의 시시콜콜」というシリーズの第33回,「통계상 ‘완전고용’… 실업률 거짓말의 비밀」を視聴.

音声だけならたぶん聞き取りが難しいと思う.ときどき出る字幕がとても役に立った.

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■2011/11/ 5(土)  遅ればせながら

城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』(光文社新書,2006年)を読んだ.

著者はこの本の前に出した本で成果主義の問題点を指摘しベストセラーになった,という.

こちらの本は,年功序列制が若者から希望と未来を奪っていることを指摘したもの.その後の刊行物で引用されることが多いので,遅ればせながら読んでみた.

著者は研究者でないからか,実証的な分析はなされていないが,著者のいう年功序列制(主に大企業や老舗企業,公務員の世界のものだろう)が若者から希望と未来を奪い,就職氷河期の新卒者に機会を与えず,少子化を招き,仕事自体に充足感を見いだせなくても黙々と・従順と働く従業員を養成し,レールから外された中高年を放り捨てるという結果を生み出しているのは理解できる.一方で,年功序列制に対する対案は示されていない(一応「キャリアの複線化」という方策が少し紹介されるが,その詳細や実現可能性は明らかでない).

また年功序列制でない企業でも,採用に当たっては「同じ能力なら若い人を採りたい」という形の中高年に対する年齢差別が横行しているという面もあり,年功序列制の廃止だけで問題が解消するとも思われない.

私の予想では,日本でいうところの賃金カーブ(英語でwage curveというのは,失業率と賃金の相関関係を表す曲線なので全然別物.age-wage profileと呼ぶらしい)は,今後5年か10年ぐらいで大幅にフラット化することになるのではないか(具体的には,50歳の賃金が20歳の賃金の3〜4割増しぐらいにとどまることをイメージ).賃金が減るのは痛いだろうけれど,過去20年間の働き口のなさ具合からしても,新興諸国との大きな賃金格差からしても,こういった形で日本社会全体で痛みを分かち合うのは必然的なように思う.

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