みしっく今日のひとこと - 2008年3月


■2008/ 3/16(日)  冤罪

今年2月1日,大阪市営地下鉄御堂筋線で示談金目当てに痴漢事件をでっち上げられたという事件について11日以降報道が続いている.世の中悪い人がいるものだ,というのはさておき,言い分を聞かずに身柄の拘束を続け,「警察官は「白状したら向こうも許すと言っている」と怒鳴った」(共同通信13日付),「あかの他人が『見た』と言っている。白状したらどうや」(毎日新聞14日付)という大阪府警の対応には背筋が寒くなる.捏造した側が自首しなければ,被疑者は長期間勾留されたあげく,目撃者もいる以上証拠は十分だとして有罪になった可能性が高いのだと思う.強要されて,無実なのに自白を余儀なくされるかもしれない.「これ女が自首しなければ会社員の人生終わるんだよな」という名無しさんのコメントに共感を覚える.

就任したばかりの橋下知事は,どう対応するのだろうか.「女性専用車は、冤罪のことを考えると男性のためでもある。男女分けたほうがいいですよ」(J-CAST 07年2月23日付)という発言との整合性も問われてこよう.私なら,取り急ぎ男性専用車両を作るよう大阪市交通局に要請するとともに,過去府警で取り扱った痴漢事件の中に同種の捏造の疑いのある事例がないか再検討するのだけれど.

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■2008/ 3/ 1(土)  線路内への立ち入り

線路内に立ち入るのは,とても危険.

知人が,「家の近くに東急世田谷線があって,真夜中になると電車が来ないのでときどき歩いて通るんだけど,何か罰則があるの?」と聞くので,鉄道営業法違反になると思いますよと答えておいたのだけれど.

家で調べてみると,どうやら私の回答が間違っていたらしい.

東急世田谷線は法令上は鉄道ではなく,軌道法に基づく軌道なので,鉄道営業法は適用されず,軌道法が適用される.そして,軌道法には軌道用地内にみだりに立ち入ることなどを罰する規定がない(不正乗車の罰則規定もない…).

鉄道営業法第29条以下(旅客・公衆の行為に関する罰則規定)の「鉄道」には軌道法に基づく軌道を含む……なんていう解釈は,相当無理があるし,念のため東京都条例・世田谷区条例をざっと当たってみたけれど,これらにも該当の規定はない.

ただ,現行法上不可罰なのかというと,おそらくそうではなく,軽犯罪法で,「入ることを禁じた場所又は他人の田畑」に正当な理由なく入ることを罰する旨定めているので,これが適用されるのだと思う.もちろん,場合によっては刑法の列車往来危険罪が適用されることもあり得る.

蛇足ながら,営業時間外の真夜中でも保線車両が通ることもあるはずで油断はできない.さらに蛇足ながら,東急世田谷線に不正乗車する行為は,鉄道営業法違反罪の成立可否を論じるまでもなく,端的に詐欺罪を構成することが多いように思われる.

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