旅行を終えて - 旅の技術など


北米東部への道のり

北米東部を訪れるのは今回で3度目になる.この地域を訪れる場合,利用する便の選択が悩ましい.今回のエア・カナダのフライトは成田を19時に出る便で,おそらくアジアでの乗り継ぎを考えたスケジュールなのだろうけれど,トロント着が18時25分.1時間15分の最低乗り継ぎ所要時間後に出発する国内線に乗り継ぐと,他の都市への到着は深夜になってしまい,かなり不便である.とはいえ他に選択肢がないのも確かだ.

北米東部の都市のうち,ワシントン D.C. やニューヨークにはノンストップ便があるので,空席があればそれを利用するのがベストだろうけれど,その他の都市にはどうやって行けばよいか.JL のシカゴ行きに成田を11時45分に出るフライトがあり,それだと9時過ぎにシカゴに着くので,多くの都市に早めに着くことができるけれど,JL は安いチケットがあまりない.また,米国への乗り継ぎは充実しているのだけれど,カナダへの乗り継ぎはそうでもない模様だ(提携先が AA だからだろう).とすれば NW のミネアポリス行きかデトロイト行きになるだろうか.あるいは,少し遠回りになるけれど,ニューヨークに早く着くフライトがあるので,うまく乗り継ぎが組めればそれを利用するのも選択肢の一つだと思う.

今回は割安なチケットがあったことと米国にいったん入国しなくてよいという点を評価して,キャリアはエア・カナダを選択した.なおエア・カナダは,今年の冬期には成田17時15分発・トロント15時30分着にスケジュールを繰り上げるというから,カナダでの乗り継ぎがだいぶ楽になることを期待したい.

成田空港への交通手段

家から成田空港への交通手段について,今回は京成電鉄のスカイライナーを利用した.いろいろな交通機関があるものの,定時性・速達性・料金の観点から,リムジンバスは選択肢から除外される.スカイライナーと JR の成田エクスプレスを比較すると,シートピッチなど乗車中の快適性の面からはスカイライナーに軍配が上がる.その反面,居住地が田園都市線沿線なので,渋谷から日暮里まで山手線を各駅停車で半周するのに時間を取られるスカイライナーに比べると,埼京線系統の成田エクスプレスは渋谷に停まる列車ならば速達性の面でまさっている.なお成田エクスプレスは渋谷駅9時46分発車の列車を最後に,以後の列車は渋谷に停車しないため,成田を午後に出発するフライトを利用するならスカイライナーの方が便利だ.

2003年にフランスに行ったときと,2004年に出張で米国東部に行ったときは,いずれも午前中に成田空港を出発する便だったことから成田エクスプレスまたは類似の JR 特急(ウイングエクスプレス.現在は廃止)を選択している.2000年に都内での午前中の用事をすませて米国東部に行ったときも,時間的制約から成田エクスプレスを選択している.

所要時間のみに着目すれば,都営浅草線または東京メトロ半蔵門線から押上駅を経由して京成線に入るのがもっとも有利であるようでもあるけれど,今回帰国時に試してみたら意外に時間がかかってしまった.その他に,東葉高速鉄道を経由して勝田台駅から京成線の列車に乗るルート,都営新宿線を経由して八幡駅から京成線の列車に乗るルートが考えられるけれど,乗り換え案内サイトではあまり検索結果に表示されないのを見ると,時間が余計にかかるのだろうか.

旅行仏会話

辞書は仏和だけしか持ってこなかったものの,英仏の薄いのも持ってきた方がよかった.表現が思い当たらない場合,仏和だけだと手も足も出ない.

食事のサービスについて,フランスと異なり,水はグラスで提供されるのが普通のようだ.なので,水を頼む場合,Une carafe d'eau, s'il vous plaît. ではなくて,Une verre d'eau, s'il vous plaît. と頼むことになる.パン皿とバターが出されるのもフランスとの相違点だけれど,こちらはお店の人との会話への影響はない.

その他

航空券はアルキカタ・ドット・コムで調達.インターネットと電話を併用する.宿は,現地に直接予約した.こればかりは少々煩雑なもので,時差もあることだし,メールでクレジットカードの番号を送るわけにもいかないので,家に FAX があればそれを使うのが便利そうだ.本来は,日本でいえば旅の窓口のようなサービスが現地にあるはずで,そういうのを通して予約することができれば一番簡単なのだと思う.VIA 鉄道のチケットは同社のサイトで予約した.

今回の旅行では,Google Maps で地図を何枚か打ち出して持っていった.ガイドブックに載っていないような大縮尺の地図も印刷することができ,便利である.

米ドルとユーロの現金・トラベラーズチェックは入手に苦労しないのだけれど,カナダドルはそれほどどこでも手に入るものではないようだった.東京三菱銀行なら大丈夫だろうと思って行ってみると,そうでもなくて,特にトラベラーズチェックは額面の大きなものしかなかったりした.結局東京三菱銀行グループや京成電鉄の両替所で両替した.銀行で両替するにしても,事前に在庫の有無・額面を電話で確認しておいた方がよさそうだ.

トラベラーズチェックの長所として,レストランの支払いで,クレジットカードだとお店の人が帳場まで1往復しないといけないのに比べ,トラベラーズチェックは現金と同様その場で支払いがすませられ,便利だという点があるので,ぜひ用意したいところだ.みやげ物店など大半の物販店やホテルでも使うことができる.ときどきパスポートの提示を求められることがある.一方,タクシー・バス・地下鉄といった交通機関では使えないのが通常なので,現金も欠かせない.そこで現金をどのようにして入手するかだけれど,高額の現金を持参するのは控えたいもの.トラベラーズチェックを現地で両替するかということになるが,今回泊まったホテルの大半で,フロントでの両替は受け付けてくれなかった.この点アメリカに比べて不便だ.もともと空港に両替所が見当たらないこともあるし,街頭の両替所でも自国通貨建てのトラベラーズチェックの両替はしていないところがある.

欧米の人に聞くと,国内旅行の場合と同じくキャッシュカードを持っていって,現地の ATM で引き出すのが一番簡単なのではないかと言われそうだ.日本の人でも旅慣れた人はよくそうしているし,実際それが一番簡単なのだと思う.ただ,ATM や途中の情報処理のセキュリティの低いのに引っかかって暗証番号が漏洩してしまう危険性を考えると,踏み切るのは躊躇してしまう.また日本の場合,海外での使用に対応していないキャッシュカードが多いので,準備に少し手間がかかるかもしれない.トラベラーズチェックと異なり,通常現地での緊急再発行はしていないけれど,いざとなればクレジットカードでキャッシングすることもできると思う.ただこちらも暗証番号が漏洩してしまうと大変だ.

クレジットカードについていえば,アジアではないのに大半の場所で JCB が通用したのが意外だった.